事業場外労働
労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、原則として、所定労働時間労働したものとみなす(労働基準法第38条の2第1項)。
という条文があって、これは何をいっているかというと、
営業のように1日の大半を社外で労働するなど労働時間の算定が困難な業務は、
いつ仕事が始まって終わるか、仕事してるかサボってる休憩してるかも分からないし、その仕事がどれだけかかるもかも定かじゃないし、いちいち把握もしてられないし、算定できないから、もうなんでもかんでも所定労働時間(定時から定時の間)で働いたことにしておこうというものです。
だから事業場(会社)外にいる間は残業のカウントしませんからー!
っていう主張をしてくるわけです。
いやいやいやいや、普通にやってたら絶対定時に帰れまてん!毎日残業するの確定ですわって場合もあるので、その続きの条文で、
ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす(第1項但書)。
この場合において、当該業務に関し、労使協定があるときは、その協定で定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする(第2項)。
と一応あります。でも安心してはいけない。
だって通常必要とされる時間ってなかなか難しいですよね?
この時間あれば通常こなせるだろ!
っていうのと
いやいや現場分かってねえだろ(ヾノ・∀・`)ムリムリ
っていうことになりますよね。
もっとも労働者側としては、
使用者の具体的な指揮監督が及び労働時間の算定が可能である場合は、みなし労働時間制は適用されない。(具体的には、事業場外労働のグループ内に労働時間の管理をする者がいる場合、携帯電話等で随時使用者の指示を受けながら労働する場合、訪問先と帰社時刻等当日の業務の具体的な指示を受けたのち指示通り業務に従事し事業場に戻る場合)
という内容の最高裁判例等があるので、これで反論していくことになります。
今や外回りしてても、携帯電話で上司から指示受けないとかまず有り得ないと思いますので、ほとんどの営業マンは当てはまらないわけです。
会社側は削りたい一方なので、削れそうな部分はどんどん削る主張を出してきます。
いつか未払い残業代を請求してやるって唇を噛んでる方はこの辺りも踏まえて、証拠収集、証拠隠滅を頑張って下さいね(・∀・)
前回の固定残業制度と併せて、ここまで理解を深めていただいたところで、これまでの経緯の続きに戻りたいと思います。
次回は質問書に対する回答です。