【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第65話 解雇撤回。その代償



刑事事件の方は、起訴か不起訴か決定したら検察から告訴人である俺に連絡通知が来るようなのですがまだ来ていません。
書類送検から2ヵ月経つのでそろそろかなと思うんですが。気長に待ちましょう。


さて、民事の方は前回、こちらが和解可能な和解条項を作成したところまで書きましたね。→第63話参照

和解に向けた話し合いをする期日が設けられています。和解条項を引っ提げいざ裁判所へ。

和解に向けた詰め

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裁判官:和解条項いただきました。俺さんはこの条件なら和解出来るということですね。

俺:本意ではないですが、現従業員に事の顛末が周知されることが担保できるので、この朝礼での従業員への周知がHPでの謝罪掲載に近いと捉えて百歩譲ることにします。


裁判官:被告としては原告の作成した和解条項ご覧になってどうですか?


被告代理人:金額的な部分については被告会社から了承もらっているので支払いについては問題ありません。
周知については、和解金額まで周知する必要はあるんですかね。こういう裁判上和解内容というものは外に出さないのが通常であって、ちょっとこういう和解はあんまり経験が無いですね。


裁判官:原告は金額まで周知することがやはり条件ですか?


俺:この不当な解雇でいくら会社が代償を負ったかが周知されなければ意味が無いと思います。
結局辞めさせられて、幾ばくかの小銭もらって終わりにさせられるんだって従業員が思えば何も物が言えなくなるので再発防止になりません。


裁判官:皆さんに俺さんは今そんなに大金持っているんだって個人情報を広める事になりますよ。そういう危惧もありますよ。


俺:もっぱら私自身の個人情報で私が開示していいと言っているのに何が問題なんですか?
私個人の問題なので、被告に心配されることではありませんし咎められる理由もありません。


被告代理人:和解内容というのはね、普通は外に出さないものなので、、、こんなのはおかしいですよ、、、


裁判官:原告の条件ということなので、そうでなければ和解出来ないのですから、被告側が譲歩出来るか出来ないかです。検討して下さい。


被告代理人:会社に伝えて検討します。それから読み上げる周知文書の最後の3行なんですが、こちらが最初に作成したものと内容が変わってきています。

最初は、

解雇無効訴訟になったことは会社として反省するところであり、今後はこのようなことがないように努めます。

原告案では、

今後は社会通念上に照らし客観的合理的な理由も無いのに解雇処分をしたり、退職勧奨や不当な取り扱いをするようなことはありません。

ちょっとここまで厳密に言う必要があるのかと。


原告代理人:労基法上、社会規範として当然のことですよね。原告案で何が問題があるんですか。


被告代理人:当然のことだからここまで細かく載せなくても。


原告:当然のことだから載せたっていいんじゃないですか。問題ないんじゃないですか。


被告代理人:かえって分かりにくいと思いますよ。とにかく持ち帰り会社と検討させて下さい。


裁判官:本日での和解は難しいと思いますので、また一週間先ぐらいに和解期日設けます。
本日挙がった事項について、当事者双方で詰めていただいて、和解可能なら次回で和解調書を作成するということにします。


一部和解成立


この後、朝礼の撮影について一悶着あったが、ほぼ原告作成の和解条項を被告が飲む形で収まる。


7月下旬、解雇については和解が成立した。


解雇は撤回されて、本来の額からは少しだけ金額の減少はあるが会社が和解日までの賃金相当額を支払い、労働契約は和解日で会社都合での終了となる。



つづく。

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