【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第68話 退職予定者は人にあらず

言い訳

f:id:moto_shachiku:20210222082209j:plain 朝礼出席の従業員の分母が2名少なかったことにつき、被告代理人弁護士から文書で釈明が届いた。


要旨としては、

両名は8月に退職が決まっており、有給休暇消化に入っているためその後出社することは無くなっていました。朝礼への出席義務は無いため和解条項に規定される全従業員には含まれません。

というものだった。

退職予定で有給休暇中の人が従業員じゃないというのはどういう理屈なのでしょう。
もちろん和解条項にはそんな取り決めはありません。苦し紛れの言い訳です。
和解条項では、8割出席していない場合はやり直すことになっていますが、やり直しは絶対にしたくない様だ。


当然このままでは納得がいかないので、和解条項を反故されたことについて強制執行の申し立てや
債務不履行や不法行為による損害賠償解雇事件に関しての弁護士費用を少額訴訟を提起し請求することは出来ないか先生に聞いてみた。


そして先生からの回答。

リスク

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ご指摘の通り、8割以上の出席の下での謝罪を被告がするかわりに、バックペイについて譲ったという経緯から、譲歩した分のバックペイについてを損害と考えることもできるとは思います。

ただ、「判決になれば100%のバックペイが確実に認められる」という公的な判断までは下されていなかったことからしまして、譲歩した分のバックペイが損害と認められる可能性はそれほど高くないかもしれません。

むしろ、債務不履行を理由に訴訟上の和解を解除したと主張し、地位確認の別訴を提起し(和解した地位確認訴訟について、改めて期日指定を求めることも考えられますが、和解後の事情を理由とする解除ですので、別訴提起のほうが良いと考えられます。)、その中で、地位確認と判決まで全額のバックペイを求めていくほうが可能性はあると思います。

もっとも、念のためリスクを説明しますと、
①債務不履行と認められない可能性もゼロではないこと(退職前の有給休暇中の従業員も和解条項中の従業員と認められる可能性のほうが高いと思いますが、否定されるリスクはゼロではないと考えられます)
②別訴で完全勝訴できない可能性もゼロではないことといったものはあるかと思います。




つまりは、この和解条項反故に関してケリをつけたければ、和解契約を解除して最初から裁判をやり直すしか無いということか。時間かかるしリスク高すぎるだろ、、、。
ちなみに強制執行に関しても、非金銭債務なので人の行動を強制させるということは難しいとのことでした。
朝礼周知の債務不履行に関してあらかじめ損害賠償の予定(損害賠償額)を和解条項に明記しておくべきだった。後悔先に立たずだ。

しかし、この件をこれ以上引っ張っても仕方ない。Bプランだ。ある程度目的は達成されたので、被告のこの規範意識の低さを今やっている裁判で訴えて、付加金の認定と和解強制への対抗策として使っていこうじゃないか。和解条項を反故したことは裁判の終盤、終結後、必ず後悔させる。



こんなやり取りをしている間に次の裁判期日が迫ってきた。次の期日ではこれまでの争点を整理をする。宿題の争点整理メモを提出しなければならない。息つく間もなく争点整理に取りかかるのだった。


つづく。

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