後藤部長尋問続き
被告代理人:もう少し具体的に営業社員の働きぶりを聞きます、本社なんかでは喫煙というのはどうなっているのですか。
後藤部長:社内では出来ずに屋外、会社の横に喫煙所が設けられております。
被告代理人:その喫煙所へ行って喫煙する時間というのは何かルールが設けられているのですか。
後藤部長:別段ございません。
被告代理人:そうすると喫煙のためにそこで30分だろうが時間を使っていても、それは特に誰かに注意するということはないんですね。
後藤部長:ございません。
被告代理人:通常の会社であれば残業という概念があると思うんですけど、後藤さんは上司ですから、下で働いている社員の人がいわゆる所定の労働時間を超えて働いているような場合に残業という概念が出てくると思うんですけど、こんだけ残業したよという申告が本件の原告の皆さんから後藤さんにあったことありますかね。
後藤部長:ございません。
被告代理人:それは何故だと思いますか。後藤さんのお考えでいいんですけど。
後藤部長:当然入社の時にそういう約束で入ってきてるからだと思います。
被告代理人:そういう約束とは具体的にはどういう意味でしょうか。
後藤部長:結局、我々営業仕事ですので外へ出て受注をするというのが仕事ですので、時間は自由に使いながら、残業というのもない。結局それが理由だと思います。そういう約束で最初に説明を受けて、面接をされて入社してると思います。
後藤部長:はい。
被告代理人:そこでは、日報を発信した時間が労働時間として一つの目安になっているような感じの供述があるように見受けられるんですが、そういう記憶はありますか。ご自分でお話になったという。
後藤部長:記憶はございます。
被告代理人:今この法廷でお話いただいているんですが、今でもそういう御認識でしょうかね。
後藤部長:いえ。労働基準監督署に行っていた時は、初めてのことですし、お昼から5、6時間ぶっ通しで休憩もなしに話を聞かれて、正直よく分からないうちに進んでしまったというのが今の気持ちです。
被告代理人:そうすると自分の中では日報をメールで発信したときが労働時間の終わった時刻というような認識は現時点では持っていないということでよろしいですか。
後藤部長:はい。
被告代理人:お昼休みは定期的にございますか。展示場には女性の事務員さんか何か日常的にいるんですかね。
後藤部長:おります。
被告代理人:そういう方が定休日で休まれる日があるということでいいですか。
後藤部長:はい。
被告代理人:そういう日はどうするんですか。展示場の建物は閉じちゃうのか、誰か行くんでしょうか。
後藤部長:交替で入ります。
被告代理人:それは営業社員の人も入ると。こういうことでしょうか。
後藤部長:はい。
被告代理人:交替で入る場合に、基本的には1人の営業社員が入るということでしょうか。
後藤部長:はい。
被告代理人:その場合、展示場は忙しい仕事になるんでしょうか。具体的には曜日とか決まってますか。
後藤部長:火曜日であったり、水曜日であったりていう感じです。
被告代理人:火曜日とか水曜日というのは、お客さんがたくさんきて忙しいんでしょうか。
後藤部長:来場者はほとんどありません。
被告代理人:乙○号証(来客入店状況)、乙▲号証(来場者集計表)を示します。来場者の数のようですが、こういうデータは会社で作っておられるということでしょうか。
後藤部長:はい。
被告代理人:火曜、水曜はこれを見ると、ほとんどないかあっても1人か2人のようですが、それが実態ということでよいですか。
後藤部長:はい。
被告代理人:1人でいる営業社員の人は何時から何時までいることになりますか。
後藤部長:オープンが10時から18時なので、それが基本になります。
被告代理人:その間は一応その場所に必ずいなきゃいけないんでしょうかね。
後藤部長:原則そういうことです。
被告代理人:例えば休憩をとったり、あるいはトイレに行ったりという時間は当然とれますよね。
後藤部長:もちろんです。
被告代理人:例えば何か用があって、一時的に鍵をかけて出るということは出来るんですか。
後藤部長:可能です。
被告代理人:その営業社員の人が例えば体調が悪くて今通院してるとして、病院へ診察に行くとかあるいは自分の家族がちょっと調子悪くて様子を見に行くとか1日の中でそういうような私用のために時間を使った場合にそういうのは会社はいちいち届け出をさせたりするんですか。
後藤部長:しません。
被告代理人:そうすると営業社員の自分の判断でそれはやってもらえばいいということでしょうかね。
今回はここまで。
まだまだ後藤部長の尋問が続きます。
これまでの長い弁論準備期日で一度も出してこなかった時間外労働中に喫煙所でさぼってた時間があるのではないかという主張をここにきて急に繰り広げてきました。
労基署の取り調べははじめてのことでテンパった?よく分からないうちに認識と違うことを話してしまった?
逆手にとって解釈すれば、裁判で証言するのもあまり無い状況なわけだから認識にないこと話してるかもね。私は非日常的なシチュエーションで話す時は、緊張して思ってもないことを話しちゃいます。私の話は信用に値しませんと公言しているようなものですね。
どうやら、これから反対尋問で来るであろう刑事事件の供述内容を使った厳しい攻めに対して先に手を打ったつもりらしい。
ワンオペについては、休憩は可能だというまあ予想された反論なのですが、トイレに行けるだろということにすごいこだわってきてる。何度も言うが仕事中にトイレに行けるなんて保障されなきゃいけない当たり前のことなんだよ!!
次回で後藤部長の主尋問の最後まで書きたいと思います。