前回のつづき
簡単な解決法
社長:ではどうしたらいい?君達の言う解決方法は?
松田:新しい労働条件に定額残業制度を採り入れたいというのであれば、今まで給与にプラスして、上乗せしてっていうのが妥当なやり方だと思います。
社長:それだといくらになるんだ?大体概算で。
山下課長:60時間分だと、今の給料からプラス10万は超えるんじゃないかと。
社長:今までの給料にプラス10万はしないと話にならないわけだ。これは運営できないよ会社として。話にならんな。
松田:では、固定残業は無くして、残業も無くすというのが一番の解決策じゃないでしょうか。
社長:じゃあ、それでいいんじゃない。
松田:それでも、やむを得ず残業した分には当然、割増賃金が発生します。
後藤部長:じゃあ定時ジャストで上がってそれで成果も出すってことだな?
社長:残業代を払うことになれば中身の濃い仕事をしてもらわないといけない。残業代は払って成果上がらないんじゃ会社潰れちゃうからね。
後藤部長:ではそれで3ヵ月やりました。受注が上がりませんって場合はこれどうしましょう?
社長:それは大変なことだよ。営業やめて工事監督にでもなるか?
賞与の規定もちょっと変えないといけないな。
これまでの分
松田:もうそれならそれでいいと思いますよ。これで残業代が発生するっていう確認はしました、今後についても確認しました。
そして、我々としてはこれまでの話っていうのをしていきたいと思います。
社長:えっ?なに?
松田:これまで残業代が発生する働き方をずっとしてきましたので、今までの残業代がどうなるのかっていう話をしっかりさせて頂かなくてはいけない。
社長:ほーう。俺はその意味全然分からんな。お前さんが営業ですから残業当り前ですわって残業したりする。で、残業代の話もそこでしないといけないんじゃないの本来は。もちろん残業代つくでしょうねえっていう話を。普通であれば。
松田:その普通っていうのをどこに置くのかによりますけど。残業がありますよ、残業したら残業代が付きますよっていうのはどの形態に関してもついてまわる話ですから。
社長:そうなんだけど、うーん。
松田:今の社長の言い分は、仕事しました、でも給料払うかどうか聞いてない、払わないって言っているようなもので。
社長:入社以来一度も聞いてきていないよね。残業代どうなってますかって。
松田:先ほどの話に戻しますと、定時以降は残業代が発生するので改善しないとっていう話だったと思います。今までとそこの労働の形態に関しては変わっていないので、今までも残業代が発生してたと考えるのが通常ですよね。
社長:そういうことだな。
払う気なし!
松田:でも払うつもりがないと?
社長:ほとんど考えていない。皆さんが請求してこれば、私としてはビックリだ。頭の痛い話。
それはやっぱり裁判とかになるよなぁ、私は出すつもりはないって話だから。
松田:発生はしているけど、出すつもりは無いとおっしゃるんですね?
社長:無いね。気持ちとしても。残業は皆さんがしているのは知ってるけど、残業代がつくから残業をしているという認識がないから。
知性のある人間が、何年も働いてから社長残業代はどうなってるんですかと今頃言ってくるのはおかしな話だよ。
俺:固定残業にしたいという話が会社から出てきて、今までの雇用形態というものを見直してみたら残業代が発生していたことに気が付いた。そういうことです。
松田:過去として発生してるものに関しては、労基署であったり裁判っていうところでないと話はしてもらえないってことですね?
社長:そういうことになるよ。
後藤部長:じゃあどうするの?
俺:会社がもう話し合うことがないというなら、我々としてももう話し合うことがないかと。もうあとはもう然るべきところで。
社長:そういう間柄で働いてるのもおかしなことになるね。利害が対立してるので。
俺は今までの分は勘弁してくれと思ってるけど、生産性とか別にして時間で払えっていうんだから困ってしまうね。
俺:同じ給料でいつまでも働かせられるってことであれば、多く働けばどんどんその中の金額っていうのはどんどん薄まっていってしまうという話です。同じ金額で働いてるのであれば。
では、お客様とのアポがあるのでこれで失礼します。
あ、それとですね。私に書かせた36協定については選出の方法に問題があり無効ですので、労基署に行って即刻取り下げてください。会社が行かないのであれば私が行きます。
では。
-話し合い終了-
つづく
次回 退職願を一斉提出