【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第87話 尋問はじまる

証人(本人)尋問の日がきた。


俺は1時間以上も早く裁判所についてしまった。
せっかくなので、過日打ち合わせた想定問答を頭に叩き込むことにした。備えあれば憂いなしだ。


小一時間、、、


全然頭に入んねー(´Д`)
まあ、いいや、最後はアドリブ力がものを言う。道理はこちらにあるのだ。記憶を呼び起こしながら正々堂々話せばいい。


おう、おはよぉ!


遠くの方から誰かが俺を見つけ声をかけてきた。


社長だ。


人として挨拶ぐらいは返すべきだと思ったが、なんか緊張感の無さと悪びれのなさにイラつきを覚えたので、軽く一瞥、会釈だけしておいた。


時間が近づき先生や皆と合流。書記官室に寄り、法廷の番号を確認。指定された法廷へ。
法廷に入ると廷吏さんや書記官や速記官がテキパキと準備を進めていた。


やっぱり法廷はなんともいえない雰囲気あるな...。


すでに被告側は傍聴席に座っていた。
なぜか原告代理人に近い傍聴席に、、、。
べつに明確なルールはないけど、変な感じするからあっちいけよと思いながら、仕方なくやや真ん中寄りに被告代理人側の傍聴席へ座る。


先生が傍聴席までやって来て、

傍聴席じゃなくても法廷の中入って原告側の席に座っていただいてもいいですよ。テーブルあった方が書類広げたりできるしメモもとりやすいですし。本人なんで入っていただいて問題ありませんので。

では、そうします。

俺は迷わず入ることにした。なかなか出来ない体験だしね。
それと、これから話すことになる部長や社長の表情も見えるし。(尋問を受ける人は、裁判官の方を向いて証言するので傍聴席からだと後ろ姿になってしまう。)


原告側の席に腰掛け、鞄から書類や筆記具を出そうとした時だった。


社長が一言呟く。


勘違いしとるのぅ( ´∀`)ハハハ


そこに座った俺を見て、弁護士にでもなったつもりかとでも言いたげだ。無視無視。


事前準備ということで、宣誓書を廷吏さん(いわゆる裁判所の事務職員)から渡され、署名し押印し手渡す。


スッと裁判官が法廷に入ってきて全員起立。
裁判官が座るのを見届けまた皆座る。

では、始めます。
先ずは弁論準備手続の結果の陳述から。

(弁論準備手続がとられた場合には、口頭弁論の際にその結果を陳述することが民事訴訟法173条で定められています。)

原告代理人、陳述ということでよろしいですか。

はい、陳述します。

被告代理人も陳述でよろしいですか。

はい、陳述で。

はい、陳述しました。と。


え?

1年以上も時間かけてだらだらやってきた弁論準備手続の結果報告がもう終わり^^;
今日始めてみることとなる一般の傍聴人には、事件の概要すらさっぱり分からない!
この陳述は一応法律で定まってるからやるだけの形式的な儀式なのでした。

その後、リーフレット等追加した証拠書面の確認を行い。

では最初の尋問は、被告側から証人申請がでている後藤(部長)さんですね。中入っていただき、真ん中の証言席までどうぞ。

これから宣誓をしてもらいますが、虚偽の証言をすると偽証罪となり過料の制裁を受けることがありますので注意してください。質問者の方は見ずに前を向いて答えてください。質問者と声が重ならないよう質問者が話終わったあとに証言して下さい。

宣誓の間は傍聴席含め皆さんお立ち下さい。


では後藤さん宣誓してください。


宣誓
良心に従い本当のことを申します。知っていることを隠したり、ないことを申したりなど決していたしません。

主尋問30分、反対尋問30分です。
主尋問をはじめてください。


つづく



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