時は第4話「突然の転機」に遡る。
調査の結果、労働基準監督署は会社に是正指導、勧告をすることとなった。
(実はこの辞めた社員がした労基署への申告と請求の経緯には裏があるのだが、今はまだ公表できないのでまた別の機会に)
(実はこの辞めた社員がした労基署への申告と請求の経緯には裏があるのだが、今はまだ公表できないのでまた別の機会に)
と書いていた。
伏線を回収する時が来ました。
このずっと前から、
俺達の会社への反逆、裁判に至るまでの過程、そしてその人選、これら全ては松田さんによって描かれた計画であり実行されたものだった。(俺の主観なのでちょっと大袈裟で誇張されているかもしれないけども)
一番最後に仲間に率いれられたのが俺だった。
その反応次第では、ひょっとしたら俺抜きで進む道もあったのかもしれない。
松田さんが中途入社してきたのは俺と磯野が解雇される9ヵ月くらい前だ。つまり松田さんはこの期間しか被告会社に在籍していない。
俺や磯野よりも結構年上だ。前の会社では管理職だったらしい。年上で社会経験豊富だけど、俺や磯野よりこの会社では社歴が浅いってだけで、別にいいのに敬語で話をしてくる律儀な人だ。
松田さんは入ってすぐに労働環境や給与体系がおかしいと気付き、人事担当者に質問をしたが、この会社はそういうルールですと言われ一蹴された。
この時からすでに松田さんは動きはじめていたのだと思う。
営業成績が上がらず、社内での風当たりが強く、労働時間の長い営業社員2人に水面下で未払い残業を請求する道を説き、会社を自主退職させ労働基準監督署に違法残業を申告させたのだ。その後弁護士事務所を紹介し、内容証明を会社宛に送付させた。
これにより会社が動く。動けばボロがでる。
敵は社外にいると思っていて、社内的には統制がとれていると思っているから脇が甘い。体裁だけ整えて本気で改善しようとはしない。そこにつけ込み自分は社内に残り証拠を集める。
そして自分が辞めた時に会社の内情をリークしてくれる内通者も育てていたんだ。
そして6話に繋がる。
俺さん、
率直に言います。
3人でこれ取り戻しませんか?
生活やこの会社での未来とかいろいろと考えた。
いろいろ考えたら、やっぱり俺はやめとくよ。って言おうかと少し思った。
松田さんがこの時、俺達の目の前に手繰り寄せてくれたチャンスを掴むことが出来て本当に良かったと思う。
スピンオフ
本編