パパと弁護士事務所の前で待ち合わせ。
俺:お待たせしました。待ちました?
パパ:1時間も早く着いちゃって、ゆっくりしてたよ。
俺:それは早いですね(笑)では行きましょうか。
弁護士事務所へ
受付:いらっしゃいませ。
俺:〇時に予約したパパです。原先生お願いできますでしょうか。
受付:ご案内いたします。
こちらの部屋でおかけになってお待ちください。
その間、受付用紙にご記入ください。
テーブルの真ん中にアクリル板、飲み物はペットボトル、感染症対策が徹底されてます。
受付シートに名前や住所、生年月日、相手の会社名、連絡先等の情報を記入します。
コン、コン(ノックする音)ガチャ、
原先生:お待たせいたしました。
はじめまして、弁護士の原です。
パパ:はじめまして、パパです。よろしくお願いします。
俺:パパの義理の息子で、俺です。
原先生:弁護士の竹下の方から、ご紹介とのことで伺ってます。
俺:竹下先生には、僕の不当解雇や残業代請求の事件でお世話になっておりまして。今回、義理の父の退職金等の件でご相談したところ、原先生を紹介していただきました。
原先生:まずは利益相反がないか確認してまいります。つまり、パパさんや相手方の会社が、当方が受けている別の事件の関係者になっていないか、利益が対立しないかを調べます。利益が対立する場合には、規程上当事務所ではご依頼を受けられないということになります。
俺:存じております。
原先生:では、もう少々お待ちください。
パパ:へー、そんなことまで確認しないといけないんだなぁ。
-しばらくして-
原先生:お調べしました。ご依頼はお受けすること可能です。相談内容はまとめられて事前にメールいただいてますのでそちらに沿ってお話聞ききしていきますね。
パパ:お願いします。
俺:お願いします。
相談開始
原先生:もう会社は辞められてしまったんですね。
パパ:もうこんな状況であんな会社に2度と行きたくないですからね。
俺:本人が辞めたい意思が強いので、辞めるとこまで僕の方で手伝いました。不利益にはならないようには考えたつもりですが。
原先生:こういう場合はですね、退職していない方が交渉はしやすいですねぇ。仕方ありませんがもう少し早い段階の方が優位に進められたかもしれません。
パパ:まずいのかぁ。
俺:分かります。
(そう言われるとは思ったけど、こちらとしてはすぐ弁護士に頼むと、その後にとれた金額については成功報酬の算定基礎になるから、なるべくなら自力で解決したいし、最後の手段だよね。理屈じゃないっす。)
原先生:退職金規程とか就業規則はお持ちになってますか。
俺:はい、こちらに。
原先生:拝見します。はぁー、なるほど、ふむふむ。
パパ:どうですか。
原先生:A基準とB基準とありますね。Aは会社都合の解雇の場合となってますので、退職の場合はBの基準ということになるんでしょうね。
俺:会社都合の退職というのがないんですよ。どちかといえば今回の場合はAという方が実態的には近いと思いますが。離職票も会社都合と書いてきていますし。
原先生:離職票はあくまでパパさんのために失業保険に便宜を図るためということが言えますからね。今回退職届だして辞めてるわけでその点じゃ自主退職ととれますし、規程を厳密に解釈すればBということになりますね。
俺:そういう見方もありますね。(俺ちょっとこの人苦手かも…)
つづく。
スピンオフ
本編