残業代くださいって言ったら不当解雇されたから裁判することにした【未払い残業代請求裁判ブログ】

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『行政不服審査請求と破産債権回収編』第9話 審査請求書

f:id:moto_shachiku:20210821153706p:plain そして1から審査請求書を作成し提出したのだった。

長いし複雑なので読み飛ばしてOK(あとで審査委員が請求人の主張を分要約して送ってくる)

審 査 請 求 書

 

(宛先)

 

◯◯ 市 長

令和2年11月  

審査請求人


住 所  

 

    

氏 名    元社畜             

 

審査請求に係る処分の内容
処分庁

令和2年10月1日付け

市民税・県民税に係る賦課決定処分

 

市税事務所長

 

処分があったことを知った日

 

令和2年10月6日

審査請求ができる旨の教示の有無及びその内容

 

教 示 の 有 無

教 示 の 内 容

 

審 査 請 求 先

期    間

       有

市   長

3か月以内

審査請求の趣旨

②の処分の取消しを求める。

審査請求の理由

次の事由により「本件の処分を取消す」とする裁決を求める。

 

1. 市税事務所長のした令和2年10月1日付市民税の課税決定は普通徴収であるが、地方税法321条の3第1項、地方税法321条の4第1項の規定によれば特別徴収義務者を指定し特別徴収するものであるから違法である。

 

2. 市税事務所長は審査請求人の当時の給与支払者であった◯◯ハウス株式会社に対し地方税法321条4、同321条の5の各規程により給与所得者異動届の取り下げ又は訂正、再提出を求めるべきであり、地方税法317条の6の3項により平成28年給与支払報告書の訂正又は提出を求め、これを受けて課税決定をしないことは行政の不作為であり、これらを経ないで行った行政の裁量権の濫用であるため本件処分は取消すべきである。

 

3. 地方税法17条5の3項は法定納期限の翌日から起算して3年を経過した日以後には賦課決定できないことを規定している。平成28年度所得割の増加による賦課決定は本来であれば平成29年6月1日にされ、平成29年6月30日を納期限(地方税法第11条の4第1項により地方税で納期を分けているものの第2期以降の分についてはその第1期の納期限をいう。)とするものであり、その翌日である平成29年7月1日を起算日として3年以上をすでに経過している。令和2年10月1日に平成29年度市民税・県民税に係る新たな賦課決定することは出来ないため違法である。

 

4. 地方税法17条6の3項により、所得税更正の決定によるものはその決定より2年間は賦課決定できる期間特例があるが、本件にこれを適用することは行政裁量権の濫用であり、ひいては法の下の平等を定めた憲法14条1項に反する。本件賦課決定に至る過程においては所得税正を理由とする賦課決定はすることは適当ではないため取り消すべきである。

 

審査請求人、元社畜は(以下、審査請求人という。)は平成25年10月から◯◯ハウス株式会社(以下、同社という)に雇用され各月払いにより給与の支払いを受けていたが、平成28年10月7日に突如として解雇された。平成29年7月21日、同日を合意退職日とする裁判上の和解(以下、本和解という)が成立している。

本和解は解雇日から退職日における毎月の賃金、いわゆるバックペイの支払いを含むものであった。審査請求人は本和解により平成29年1月1日時点において同社の給与所得者であり、平成29年7月21日まで同様であったことになる。同社から支払われたバックペイは和解により審査請求人の譲歩による減額が多少あるものの、毎月の未払い賃金の合計であり、毎月適正に支払われたならば特別徴収するはずの源泉であり、地方税法321条の3第1項、321条の4第1項の規定により、収入が給与所得の場合には市長は特別徴収義務者を指定し、特別徴収の方法により賦課決定しなければならない。指定の対象となる給与支払者は、所得税法第183条の規定によって給与支払をする際に所得税を徴収して納付する義務のある者とされ(地方税法第321条の4第1項)、同社はバックペイの支払い時には、平成29年の所得税を源泉徴収しているからこれに該当する。

一方で地方税法321条の3第1項は特別徴収の方法によって徴収することが著しく困難であると認められる者を除くとしていて、令和元年10月3日に同社が◯◯地方裁判所において破産手続開始決定を受けていることはこの規定にあたるか検討する必要がある。

同社に源泉徴収義務があったとするならば、◯◯市は破産債権として届出することができ、本件賦課決定時には破産財団からの配当は完了していないため特別徴収が可能である。また、バックペイ支払い時や過年度の未払賃金の支払い時同社が申請請求人より個人住民税、県民税を源泉徴収していないとしてもあくまで納入義務が同社にあり、市長あるいは市税事務所長は同社に納付を求めることが可能である。同社は審査請求人に対し求償権を得て請求すればよいことであり、徴収しているか否かは行政処分の判断には無関係である。

以上の理由から市長あるいは市税事務所長は審査請求人個人に対して直接的に納付を求めることができない。本件を特別徴収することを除外するその他特段の法令や事情はないと考えるため、市税事務所長が普通徴収とした賦課決定は違法である。

 

同社は解雇により平成28年10月ないし11月に市に対し給与支払者異動届を提出しているものと推定する。本和解により退職日が7月21日になったにも関わらず同社は給与支払者異動届の訂正や再提出をしておらず、更には平成28年の未払い賃金を支払い過年度分の賃金額を修正したが、給与支払報告書の訂正、提出をしていないものと推定される。

このため市は国税から(住所移転しているため他の市役所を経由し)所得税の更正の決定があったことを通知されるまで以上の経緯経過や、給与支払報告書に不整合、誤りがあることを知りえなかったといえる。しかし、少なくとも国税より平成28年度所得税の更正決定がされ通知を受けた時点では同社より提出された給与支払報告書に不整合、誤りがあることを認識できたはずである。法令に従えば平成28年度の所得割の変更は給与支払報告書の訂正によって知るべきであり、それに伴って賦課決定判断をすべきである。何ら確認調査も行わず、同社に訂正を求めることもなく、本件賦課決定をしたのであれば行政の不作為である。審査請求人は、平成28年10月7日に解雇され、本和解によって解雇は取り消されるが、平成28年度の扶養控除申告書を給与支払者に提出することが過失なくできなかった。所得税法第190条では源泉徴収義務者に年末調整義務が発生するのは扶養控除申告書が提出されている場合に限っている。そのため当該年度の年末調整を受けることができないため、やむを得ず当該年度の確定申告をするに至った。

後に同社の任意支払い及び確定判決により平成28年度過年度分の未払い賃金が支払われることになるが、当該年度の扶養控除申告書が提出できず確定申告をしているため、同社に年末調整義務が発生しないため年末調整を受けることができない。未払い賃金の支払いにより所得額が変更となり税額が増加することになるため確定申告の更正の請求をしなければ過少申告や申告漏れとなり所得税法違反となるため更正の請求をすることが不可避である。給与所得者に過失がなく、会社の違法行為により確定申告及び更正の請求という結果が生じたものであり、給与支払報告書との整合性を確認せず、単に更正決定があったことだけをもって賦課決定判断すると、会社の規範意識や手続き違背の有無により、賦課決定が左右され課税賦課の不平等を引き起こすことになる。

地方税法において給与支払報告書の未提出は重い罰則規定が設けられており、強行法規であることを鑑みれば、不整合を見過ごし、給与支払報告書の訂正提出を市が求めないことは行政の不作為であって単に更正決定を理由に賦課決定をする取り扱いは恣意的であり、不作為によって生じた負担を納税者に転嫁することになる。これらの経緯を勘案すれば、地方税法17条6の3を本件に適用することは法の下の平等を定めた憲法14条1項に反するし、行政裁量件の範囲を超え、裁量権の濫用にあたると考える。市は本件処分を自ら取消す決定をすべきである。よって地方税法17条5の3の期間経過により本件課税決定はすでに賦課決定できないものであり、また、取消し後の新たな賦課決定もまた同様にできないものであると考えるので行政不服審査法第2条、第3条に基づき審査請求する。

提出する証拠書類

和解調書の写し
判決書正本写し
和解金額の計算書

備考

 

 

                                  

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