3.弁明の理由 ⑴本件処分について ア 市長村は当該市長村内に住所を有する個人に対して、市民税・県民税の所得割を課する場合においては、地方税法第315条の規定によりその者が所得税に係る申告書を提出し、又は政府が総所得金額、退職所得金額、山林所得金額を更正した場合にはその金額を基準として所得割の課税標準を算定するものとされています。 また、法321条の2第1項の規定により、市町村長は個人の市町村民税について国の税務官署がした所得税の更正に関する書類を閲覧し、その賦課した税額を変更し、又は賦課する必要を認めた場合には直ちに変更による不足税額を追徴しなければならないとされています。
イ 本件処分は令和2年8月28日付けで○○税務署長が行った所得税の更正処分に基づき令和2年10月1日付で賦課決定を行っているものであり上記の規定に従い適正に行ったものです。
⑵審査請求人の主張について ア 審査請求人は上記2⑴⑵のように主張しますが、法第321条3第1項の規定により、市長村は納税義務者が前年中において給与の支払いをうけた者であり、かつ当該年度の初日において給与の支払いを受けている者である場合においては、当該納税義務者に対して課する個人の市町村民税のうち当該納税義務者の前年中の給与所得に係る所得割額及び均等割の合算額は特別徴収の方法によって徴収するものとされています。 本件処分を行った令和2年10月1日時点における、上記の規定による特別徴収の対象となる前年中の給与所得とは令和元年中(平成31年1月1日から令和元年12月31日までの期間)の給与所得であり、審査請求人の主張する平成29年度所属分の給与所得は特別徴収の対象とはならないものです。 したがって審査請求人の主張は本件処分を取消す理由とはならないものです。
イ 審査請求人は上記2⑶⑷のように主張しますが、法第17条の6第3項において、所得税について更正又は決定があった場合は、法第17条の5の規定にかかわらず、当該更正又は決定の通知が発せられ日の翌日から起算して2年間は賦課決定をすることができるとされています。 本件処分は、令和2年8月28日付けで税務署長が行った所得税の更正処分に基づき令和2年10月1日付で賦課決定を行っているものであり、上記の規定に従い適正に行ったものです。 したがって、審査請求人の主張は本件処分を取消す理由とはならないものです。
以上のとおり、本件処分は法令の規定に基づいて適正に行われたものであり、違法又は不当なところはありません。