前回までのあらすじ。
多数組合は労使協議会という場を毎月設け、話し合いをしている。 社内労組から脱退し必要な情報が落ちてこないため、その労使協議会にユニオンの職場代表として元社畜を参加させるか、ユニオンと会社の労使協議会を設けるように会社に要求してみたが、労使協議会は多数組合と作っている協議の場であり参加させられない。 営業上の秘密が漏洩するリスクがあるため外部のユニオンとはやらないと拒否されてしまった。
これは組合差別だと思うが、いちいち外部のユニオンに救済申し立てをお願いしたり、団体交渉を申し入れてもらうようにお願いしたりするのも煩わしい。
これは以前から計画していたが、ついに時は満ちた。
こうなったらもう自分が代表者の、
労働組合を結成してしまおう!
労働組合は、労働者が2人以上集まればいつでも自由に結成することができる。
自主的に結成し、民主的な組合規約を備えていれば、各種の届け出や、所属企業などの承認は必要ない。 労働組合法で保護されるには、次の2つの要件を満たす必要がある。
①労働者が主体となって結成し、労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的としていること
②労働組合の規約が、労働組合法第5条第2項の記載事項を含んでいること
しかし、陰ながら応援してくれる人は多いものの、表立って共に結成するもう一人の仲間がいない。評価や昇給昇格にどんな不利益を及ぼすか分からないため、こちらからはあまり焚き付けたくもない。
それに、すでに出来ているものに入るのではなく、結成からとなると誰しも面倒だし、エネルギーがいるし、加入のハードルが高い。 とりあえず始動させて、安全だというところを見せないと多数組合から造反して加入する組合員を集めるのは難しいだろう。
そこで閃いた💡
そうだ、我が家は共働きなんだ。 妻も労働者だから、妻を組合員にしてとりあえず結成してしまおう。
そして、妻の機嫌の良いタイミングを見計らって
元社畜:あのー、俺と一緒に労働組合を作ってくれませんか。規約、予算案、運動方針、結成大会議案書をこのように作りましたので何卒お目通しを。
元社畜の嫁:は?ユニオン入ってるでしょ!何で私を巻き込むのよ!無理!
元社畜:今のユニオンのままでは、交渉のテーブルにつくにも凄く手間だし、必要な情報も落ちてこないんだよ。それに組合費は500円にする予定だから、多少家計にも優しくなるよ。
元社畜の嫁:けど私も払うんでしょ?毎月500円。
元社畜:そりゃ、まあ。けど家計的にはプラスじゃん?あなたが会社と揉めた時は、会社に交渉に行ってあげるし。
元社畜の嫁:いや、来んな来んな(笑)私の会社はあんたのとこみたいな会社と違ってちゃんとしてるから。 もし組合員増えて、労働問題相談されたら、その会社に団体交渉だって行くわけ?その度に年休取るの? そうじゃなくても、裁判だなんだで忙しいのに。
元社畜:まあ確かになぁ。とりあえず落ち着くまでは、広く組合員は募集しないで、社内にだけ告知するよ。
元社畜の嫁:はぁ、どうせ言い出したら聞かないし、私に迷惑がかからないのなら好きにしなよ。 それで、組合の名前は何て言うの?
元社畜:『ユニオンショップから労働者をまもるユニオン』(仮名)
元社畜の嫁:え、ださ、、、(笑)あの、脱退してもいいですか?
そして、自宅ダイニングテーブルにて結成大会が開催され、規約、予算案の承認、役員の選任等を経て、俺を代表者とするユニオンが結成されたのだった。
つづく。
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