【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第66話 最後の一文 ひとりぼっちユニオン編

監視

会社では、全従業員メールソフトのスケジューラーを使い予定を入力・管理をすることになってして、それらは共有されている。 人事部長や役員の予定も覗きに行けるため、弁護士に相談に行ったとか、労働組合と協議したとか動きはおよそ把握出来るのだ。

この予定の監視の結果、労働基準監督署が訪問したこと、10日後に再度訪れることが分かった。労基署が求めたのか、次回はどうも企業内労組の委員長も同席するらしい。会社、組合、労基の三者面談か。

いくら協調路線の組合とはいえ、組合がいる中で、会社も、無かったことあったことにしたりは出来ないだろうし、よほど綿密に事前打ち合わせをしない限りは、事実ではないことは辻褄が合わなくなるはずだ。これは面白い。

当然、申告者は俺だという情報は労基から会社に伝わっていると思われるが、特に何事もなく日々は過ぎて行き、

会社に、労基署が入ったことに関しては、社内チャット等を使い従業員に拡散しておいた。

さすがに、労基署も、いい加減な嫌疑では動かないはずで、元社畜さんが会社に歯向かう過激でおかしい反逆者では無く、一定程度の理屈があることは分かっていただきたいのでね。

こうした楔を打っておくことが、今後の俺のある計画に役立つはずだ。

臨検と臨検の間に

3者面談の日の数日後、労基署より連絡があった。

監督官:もうご存知かもしれませんが、会社に臨検に入りましたので、その結果をお伝えします。

元社畜:お願いします。

監督官:実は会社には2度伺いまして、最初は連絡無しで伺いました。最初の臨検時には、会社からは急に対応出来ないから出直してほしいと言われましたので、日時を決め、用意してもらう書類を伝えました。

元社畜:なるほど。そうするとその間に4月1日付の労働協約を作成されてしまったわけですね。。。残念です。

監督官:いえ、たしかに元社畜さんの申告の通り、新しい規程での4月1日からの労働協約が存在していないことは確認しました。

!!?

元社畜:えっ、ええ!?無かったこと認めたんですか!?

監督官:ええ、正確にお伝えすると9月下旬の最初の臨検の時には労働協約はありませんでした。しかし会社は2度目の臨検までの間に労働協約を作成していました。

元社畜:どういうことなんですか。

監督官:2度目の臨検時には10月1日付の労働協約を出してきました。

元社畜:ええっ!?じゃあ、4月1日から9月30日までは新しい制度の協約が無くて、しかも以前の協約も廃止、解約していないとなると、92条1項違反ですよね。ついでに手当未払い、24条違反になりますよね。

最後の一文

監督官:いえ。それが、労働協約の文末に、「この労働協約の規程は4月1日に遡って適用する」と書いてきたんです。

元社畜:それでも9月30日までは、新しい協約が無かったわけですから、その間すでに賃金手当は発生してますよね。それがその一文で、消滅するとはとても思えないんですけど。

監督官:労働基準監督署としては、そこの有効性を判別出来ないので、違法と判断することは出来ませんでした。これで打ち切りたいと思います。

元社畜:え?は?いやいや、そんな簡単に。 その一文を会社が書いて、それをあなた方が善し悪しを判断できないせいで、数千万の賃金手当が消滅するんですよ。許されますか?

監督官:我々としても、何かそれが違法という根拠が無い限りは。

元社畜:まあとりあえず今文句言ってても仕方ないので報告としは分かりました。動いていただいてありがとうございます。

監督官:いえ、ご期待に添えずすいません。 ではこれで打ち切りに、

元社畜:そんなに結論を急ぐ必要は無いと思うので、打ち切るかどうかは少し待ってもらえますか。根拠があれば良いんですよね。調べてみますから。

監督官:はお、まあ、それは構いませんが。では、保留にします。

俺はすぐに調べ始めた。そしてそれは意外にも早く見つかったのだった。

つづく。

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