【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第103話 社長の主尋問

社長の証人尋問です。主尋問一気に書きたいと思います。
宣誓の描写は割愛しますね。では。


被告代理人:原告の皆さんがこの会社に入るとき面接をされておりますね。

社長:はい。

被告代理人:これは社長がされてるんですか。

社長:はい。

被告代理人:従業員を雇うとき、営業社員はどういう仕事をするという説明をされてますか。

社長:普通の住宅会社の営業ですから、とにかくお客をつかまえて受注するということだね。

被告代理人:仕事の仕方なんですけど、普通の事務系の会社であれば、朝何時に始まって何時に終わるということになるんでしょうけど、そのあたりについてはどのような説明をされてますか。

社長:基本的にはお客様との約束が先行しますので、例えばお客様と9時に約束があればそっちに行くようにとかそんな感じですね。

被告代理人:お客様とのやりくりを自分でやって契約取ってきてよと、こういうことですか。

社長:ええ、基本そうですね。

被告代理人:会社として何時から何時まで働けとは言っていないということですね。

社長:まあ、ざっくりは朝来て夜帰るんですけど営業ですから、基本的にはお客様との約束を先行させるという。

被告代理人:契約を取ってくると当然会社に利益が出て成果が上がってくるんですが、それに対する報酬制みたいなものはありますか。

社長:あります。

被告代理人:どんな形ですか。

社長:基本的には半期に2棟、金額で言えば6000万7000万取ってきたらになるんですが、そういう表がございます。

被告代理人:その金額を超えれば成果的な報酬が出てくるとそういうことですか。

社長:そうです。

被告代理人:今回裁判になっている原告の皆さんはそういうことあったんですか。

社長:おそらく資格がないというのか、そんな感じですね。

被告代理人:成果報酬が出る基準に達していないと。

社長:ええ、残念ながら。

被告代理人:裁判をやってる途中で、監督署の関係で社長も呼ばれてそこでお話されてますよね。

社長:はい。

被告代理人:その書面の中身は読まれましたか。

社長:ええ、ほとんど読みました。

被告代理人:これを読ませていただくと、労働時間の終わりの時刻なんですけど、日報をメールで送った時点が一つの目安になっているようなお話ぶりがその中に出ているんですけど、これは現時点でもそういう認識ですか。

社長:いや、監督署の方が、大体日報を基本にしてやりましたっていうような感じで、そこで私が異論を申して戦うとかそういうことはしませんでした。

被告代理人:それはどうしてですか。

社長:監督署の方でも、基本的には書式でもって雇用契約とか結ばなきゃダメよと、それ負けよみたいなこと言われたんで、ここで戦ってもしょうがないということで早くけじめをつけようってことで。

被告代理人:刑事事件としては結局罰金を払って終わったということですか。

社長:ええ、そういう感じですね。

被告代理人:この会社では社長面談なんかを年2回ぐらいやってみえるんですか。

社長:はい、年2回ですね。

被告代理人:本件の原告もされていると思うんですが、そういう時に残業のことについて何か言われたことはありますか。

社長:一度もないです。

被告代理人:会社ではタイムカードがあって、そこに時刻が打ちこまれているんですけども、タイムカードの時刻というのは、会社としては、何か意味があるものとして扱っていたんですか。

社長:時刻とかは関知しないですね。日数を経理の方がカウントするような意味ですね。

被告代理人:そうすると、出勤日にきちんと出ていたかどうかそれを確認すると。

社長:そういう感じだと思います。

被告代理人:会社で後藤部長によって義務標準書が作られていましたけど、これはどういう趣旨の文書なんですか。業務上の細かいことも書いてありますけこれはどういう位置付けなんでしょうか。

社長:これは、業務の標準はこんな感じっていうのですね。

被告代理人:これを参考にしてやってくださいと。

社長:はい、そういうこと。

被告代理人:そこに書いてあること違っているかどうか逐一会社の方でチェックして、違っていれば是正するとかそういうことはやっていたんですか。

社長:有り得ません。

被告代理人:それはやっていないわけですね。

社長:はい。

被告代理人:もう一つ会社ルールという文書があります。これは誰が作ったんですか。

社長:これは従業員の有志だと思います。私も関知していないので。

被告代理人:これはどういう趣旨で作ったんですか。

社長:従業員同士のブランドを上げるだとか。環境整備ってことで、個人間の関係を良くしようとかそういう趣旨だと思いますね。

被告代理人:中を読むと、マナーだとか接遇態度だとか取り組む姿勢とかそんなことが書いてある気がします。

社長:ええ、いいと思います。

被告代理人:そうすると会社としてはルールを絶対守れよ、違反したら注意するぞ、懲戒するぞとか、そういう使い方してたんですか。

社長:じゃないですね。従業員同士が変なことしないようにってな意味ですよね、全体的に言うと。

被告代理人:営業社員それぞれ日報を毎日作ってそれをメールして報告をさせておられますけど、日報について社長がコメントする欄もありますよね。

社長:ええ。

被告代理人:あれはどういう趣旨で書いているんでしょうか。

社長:私は、時々、励ます意味が大きいですね。育成というんですかね。そういう感じです。

被告代理人:場合によっては、まずいぞ、ちょっとここは気をつけたらというようなこともあるんですか。

社長:あります、あります。ずっとみてて本人にとっても、会社にとってもマイナスになるような時は、やっぱりきちっとアドバイス、きつくやりますね。

被告代理人:次長が辞めてから展示場に社長が割とよく顔を出すようになられたという証言がありましたが、そういうことはあったんですか。

社長:その展示場はその当時オープンしたてなんです。で、人が足りなくて、それもあったし、まだ自分の中では未完成なので、あそこに絵を掛けたりとかそういう趣旨もあって行きました。

被告代理人:特に社長が行って、営業社員が何をやっているのか見ながら、逐一いろいろ指示をしたり、そういうために行っているんですか。

社長:いいえ、それはないです。僕はデザインが好きですから。
見てるとちょっと注文つけたくはなりますが。

被告代理人:これからは個別のことを聞きます。まず俺さんについては前職は法律事務関係の会社だったと。

社長:ええ。

被告代理人:入ってこられた時に営業職ということで仕事のやり方だったり残業代のことを聞かれたりとかそういった記憶はありますか。

社長:特別はないんですけど、印象としては真摯な態度で取り組むような顔してたんで、なんとか育成しようかなと。プランニング力は無くてもまあなんとかなるかなぁってそういう感覚ありましたね。だから営業については、とにかく自分で時間を決めてお客さんに選ばれて成果上げて飯食ってくんだという話はした。

被告代理人:俺さんについては役付き手当が5000円支給されている。これは賃金規程上の手当なんですか。

社長:これは励ます意味もあって、ちょっと気持ちでやって。役付き手当ですけど、役付いたからってどんな役目が増えるわけでも何でもないです。まあ気分的な。

被告代理人:誰が決めるんですか。

社長:私がほとんど。

被告代理人:社長が決めて付けたと。そういうものですか。

社長:態度見ててこれは伸ばしてやりたいなということでやりますね。

被告代理人:磯野さんについて伺います。磯野さんの陳述書見ると、営業社員の仕事は雑多な仕事がたくさんあって大変だみたいなことが書かれているんですが、そういう表現に対してはどうですか。

社長:建築の営業の仕事って、例えばカーテンを選ぶとか、クーラーを選ぶとか、照明器具選ぶとか、地鎮祭の手配で神主さんに電話するとか、たくさんあるんですが、それは一過性のものであって毎日あるわけではない。膨大な仕事の数はあるけども、一日の仕事の点数っそう多くはない。そういう感覚です。

被告代理人:終わります。




少なからず被告代理人弁護士と打ち合わせはしてきたはずだが、多分途中から自由に話し始めたw
続けてもあまり有利になることはないと悟ったのか被告代理人弁護士も急いで切り上げたように思えた。

正直何がしたいのか分からない尋問だった。
残業代のことを聞かれたかどうかって全然関係ないと思うんだが。聞かなかったってことは残業代が無いことに納得して働いてたんでしょ、今さら言うのおかしいよね?ってこと?
言ってくれたら払ってたのに!水臭いじゃないかぁ~!と言いたいのか。それなら分かるぞ。
しかし、本当かいな、言ったところで払わなかったと思うぞ?うっとおしい奴やなこいつ、危険因子だ、さっさと辞めるように仕向けたろってなってたんじゃないか。
成果報酬も関係ないよね。残業代の後払いとでも言いたいのか。残業代をゲットするチャンスは与えたけど出来高払いです!残念!ってなんじゃそりゃ。


次回、社長の反対尋問です。
面白くなると思うのでお楽しみに!

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