竹下先生に考えをメールし、以下の返答が来た。
俺の考えは間違っていなかった!
(後日談、もっとも俺から言われるまでもなく先生も同じことを思い当たっていたそうだ)
俺さんがご指摘の通り、退職願は、退職の申入れであり、相手方が承諾するまでは撤回が可能です(大阪地裁平成9年8月29日判決)。
本件では、いまだ被告から、退職願による退職の申し入れに対する承諾がないため、撤回が可能と考えられます。
そこで、準備書面にて撤回の意思表示をしたいと思います。
錯誤無効も予備的に主張しようと思います。
○退職の意思表示(退職願い)の錯誤無効について
ご指摘いただきました横浜地裁川崎支部平成16年5月28日判決と同様、本件においては、不利益変更を強いる雇用契約書への署名強制や、社長の発言、退職願を出してから間もなく実際に解雇されたことなどからすると、退職しなければ解雇するという違法、不当な退職勧奨があったものと考えられ、そのような違法、不当な退職勧奨を受けたことから退職願を出したと推認されます。
したがいまして、退職願による退職の意思表示には動機の錯誤があったものとして無効にされる可能性は十分あると考えられます(動機の黙示の表示は上記事情からすると認められると思います)。
○バックペイの制限の可能性
以上からすると、原則としては、退職の意思表示がなかったことになるため、バックペイも全期間認められることになります。
ただし、退職願に有給、代休の消化後に退職すると記載があったにもかかわらず、全期間のバックペイを請求することは信義則に反する、あるいは権利の濫用であるとして、制限されるリスクは考えられます。
○今後の方針
まずは、準備書面にて、退職願による退職の意思表示の撤回と錯誤無効の主張をしたいと思います。
つづく。
次回、裁判中止!?ドタキャンか!?