【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

『未払い残業代請求裁判』編

第82話 1年前の絵図

略式命令労基法違反事件(36協定締結無しで時間外労働、休日労働させた)が略式起訴されて約1ヶ月が経った。 大体1ヶ月ぐらいで簡易裁判所から略式命令(判決に相当するもの)が出ているはずなので地検に問い合わせた。 結果、略式命令はもう出ていて(罰金刑が…

第81話 ゴールまでの道筋

仕上げに向けた準備 3月の上旬、約2ヶ月半ぶりに弁論準備期日がやってきた。前回の期日では裁判所から原告と被告が、協議の上、ワンオペ日についてまとめた一覧表を作成し、合意書面として裁判所に提出するように指示がありました。この間俺たちは被告から…

第80話 役付手当を規定どおりもらってますか?未払い残業代を再計算してみた。

未払い賃金を再計算次の民事裁判期日に向けて、ここらで未払い額を再計算することにした。未払いの残業代や手当の計算は、訴状を出した時点(もっと正確には内容証明で会社に請求した時点)のものだ。この計算に、裁判が始まってから判明したこと、確定した事…

第79話 起訴が決定しました。

会社、社長、上司を起訴 検察から処分通知書が送られてきました。会社、社長、部長、全員起訴されました!正式起訴か略式起訴か通知書からは分からないので検察官に電話で問い合わせると、略式手続きとのことでした。略式手続きとは、検察官の請求により,簡…

第78話 ケンジスズキという男

知らない番号からの着信 平成30年が始まり見慣れない番号から不在着信がありました。 誰か分からないのでちょっと緊張しながら折り返すと、男性の声。声の感じでは年齢は40代か50代ぐらい? 俺:もしもし、俺と申しますが。お電話をいただいたようなの…

第77話 法曹の馴れ合い

法律家同士の馴れ合い 12月下旬。2017年最後の期日。 この日も前回同様に代理人に任せ、出席はしなかった。後日、代理人からメールで以下の報告が来ました。 本日の期日についてご報告させていただきます。○出席者裁判官書記官被告代理人原告代理人○和…

第76話 見え透いたポーズ

芝居 11月中旬、突如被告から未払い残業代の和解の申し入れが届いた。被告は紛争早期解決のため和解案を提示します。労働日数554日×1.5時間×基礎時給1500円×割増1.25=1,558,125円以上約500万弱の請求に対して、ここにきて155万で和解してくれとは(苦笑)1.…

第75話 送検後どうなったか地方検察庁に聞いてみた。

書類送検は造語 労働基準法32条と35条違反で告訴したのが2月、書類送検されたのが8月、その後全く音沙汰がない(-ω-;)ちなみに書類送検という言葉は、マスコミが作った造語で、事件が警察から検察に送られることは、検察官送致とか単に書類送付という…

第74話 手待ち時間

教材 10月の裁判期日。なにやら今回はいつもと様子が違う。書記官によると今回は司法修習生が見学するらしい。司法修習生とは最難関の司法試験に合格後、弁護士や検事、裁判官の資格を得るために研修中の人達だ。先生の話では、最近は司法修習生の中で労働裁…

第73話 積み上げる証拠

発見 次回の裁判に向けて新しい証拠が何かないか探していた。争点の事業場外みなし労働のポイントは外回り中は労働時間を算定し難い時にあたるかどうかだ。携帯を貸与されていて会社側はいつでもこちらの状況把握が出来たことはすでに主張しているが、事故や…

第72話 争点整理期日

後半戦 争点整理の期日がきた。いよいよ裁判も後半戦といったところか。野球で言えば6回表ぐらい?裁判官:争点整理メモの提出ありがとうございました。これで争点は大分絞れてはっきりしてきましたね。やはり事業場外みなし労働時間制が一番の争点になりそ…

第71話 事実と違う離職票

離職票が届いた。 唖然 ようやく就活と再度失業手当の受給が出来ると思ったのだが、離職票-2の退職理由を見て唖然とする。 具体的事情記載欄(事業主用) 「退職勧奨」 このハゲー!!違うだろー!違うだろ!( º言º) 厚生労働省、労働局、ハローワークが連名…

第70話 この裁判のもたらす意味

被告からも争点整理メモが提出された。 内容はとても簡素なものだった。これで双方争点を明確にした。いよいよ、次の期日がやってくる。 被告の争点整理メモ 被告の争点整理メモ 要旨は以下。 争点整理メモ 1 基本情報所定労働時間 週40時間、1日実働8…

第69話 争点整理メモ

争点整理メモが完成した。 こうやって作ってみると今までのまとめみたいで分かりやすい。 最近読書になった方はこれみれば大体この裁判の概略が見えるし、最初の方から見ていただいてる方も復習になるのではないか。 争点整理メモ 争点整理メモ 1 基本情報 …

第68話 退職予定者は人にあらず

言い訳 朝礼出席の従業員の分母が2名少なかったことにつき、被告代理人弁護士から文書で釈明が届いた。要旨としては、両名は8月に退職が決まっており、有給休暇消化に入っているためその後出社することは無くなっていました。朝礼への出席義務は無いため和…

第67話  和解条項違反

朝礼 竹下先生:朝礼での周知に参加して来ました。俺:どうでした?竹下先生:きちんと文書配布して、内容通り読み上げていましたので問題無いと思いますよ。撮影もしましたので、後日見ていただけたらと思います。俺:そうですか、お忙しいところありがとう…

第66話 和解後

解雇の和解後 和解から程なく賃金相当額から所得税や社会保険料を控除し約200万弱の振り込みが履行された。しかし、ここから今までに受給していた6ヵ月分約100万円の仮払い失業保険手当を返還しなければならないし、弁護士の成功報酬が発生する。最終…

第65話 解雇撤回。その代償

刑事事件の方は、起訴か不起訴か決定したら検察から告訴人である俺に連絡通知が来るようなのですがまだ来ていません。 書類送検から2ヵ月経つのでそろそろかなと思うんですが。気長に待ちましょう。 さて、民事の方は前回、こちらが和解可能な和解条項を作…

第64話 ついに書類送検された!

労働基準監督署に告訴状を提出してから約6ヵ月。8月初旬。労働基準監督官から、会社と代表者と部長を書類送検したという連絡がきた。いやー、長かった!労基署さんご苦労様です。 お世話になりました。数日後、労働局のHPに新着情報にてプレスリリースとし…

第63話 逃げ道は塞いだつもり

抜け目ない和解案 和解条項案を作成しながら、 言葉巧みにごまかした説明をされるリスク。従業員の大半を朝礼に出席させないリスク。やらずにやったことにしてこられるリスク。 これらを回避する手段を考えた。 履行が必ず確認出来るように、原告本人又は代…

第62話 あれも無理これも無理

謝罪の担保 弁護士を通じて指摘と確認をすると、1.HPへの経緯と謝罪の掲載は出来ない。2.復職であれば退職日を決めて復職しなければ応じられない。1日のみ出社してあとは退職まで有給休暇にしてほしい。3.従業員への周知について、履行を担保する方法を考え…

第61話 努めて穏当に

被告からの回答がきた。 新しい選択肢 要旨は次のとおりであった。 ①被告は普通解雇を撤回して、雇用契約を和解日で会社都合の終了とする。 ②被告は次の文書を従業員に配布して周知する。 原告の退職願を受けて退職処理するのが穏当であったところ、会社が予…

第60話 これまでの裁判記録を閲覧に行った話

裁判所も信用しない 期日が終わった2日後。この頃は裁判所に対する信頼を失くしかけていたので、これまでの裁判記録を閲覧をすることにした。裁判記録の閲覧とは、民事訴訟法(訴訟記録の閲覧等)第91条1項 何人も、裁判所書記官に対し、訴訟記録の閲覧…

第59話 御用聞きに来たのか

それほど時を待たずして書記官に呼び戻された。 誠意ってなに 裁判官:被告代理人と話をしました。俺さんの条件で和解に向けて前向きに検討したいとのことです。 今日は決裁者である被告の代表者が来ていないので、持ち帰って検討したいということです。俺:…

第58話 正しい秩序

被告代理人弁護士が部屋を出ていき。 やっと言えた 俺:まず、私としてはこれまでの主張に自信を持っていますので判決でいっこうに構いません。 最初の期日前に訴外で、あとは先回の期日と、こちらも譲歩を示した上で2度も和解の機会を被告に与えました。ど…

第57話 夏休みの宿題みたいだ

6月の末。 5回目の期日の日がやってきた。和解の件について裁判官とやりとりをしないといけないこともあり、若干の緊張感と憂鬱感。いつも通り、提出した準備書面や証拠の確認がたんたんと進んでいく。 争点整理メモ そしてこんな発言が。 裁判官:そろそろ…

第56話 判決にこだわる理由。

先生からの連絡後から期日までの間、今一度整理し見つめ直し考えてみることにした。俺が判決にこだわっている理由についてや、今後について。 金銭解決は当事者しか救われない 本件は固定残業制度を含む雇用契約の不利益変更に応じないこと、また本来当然発生…

第55話 しつこい和解勧告

次回に向けた準備書面を提出し終え、期日直前、弁護士の竹下先生から連絡が。裁判官から先生に電話があり、まだ俺の和解を迫っているとのこと。最終判断を伝えたはずなのに...。まだ和解の話を出してくるのか。俺は気が立っていた。 法曹界の常識なんてクソ…

第54話 タイムカードは絶対

反論の準備 磯野の和解が成立した後、俺達はその前回の期日で被告から提出された書面に対する反論を準備した。被告から日報の日時を指定した具体的な言及もあったが、それについては日報を読み返したところ全てが的を射ないものであり、全て説明がつくもので…

第53 話 それぞれの道

磯野の和解 部屋に戻ると社長が疲れた様子で座っていた。 裁判官から相当厳しいことを言われたのか、自分の立たされている状況、分の悪さをようやく理解したのか。 うなだれている?諦め? いや、投げやりというのが表現としては一番しっくりくる。そんな様…