それから2週間。
再考の結果が人事と役員から告げられる。
人事部長:協議を重ねた結果、結論が出ました。元社畜さんにはやはり内勤として働いていただくということで。もちろん内勤者ですので、外勤手当は出ません。
変わらずか。再考したという茶番。 分かっていたけどね。
元社畜:それが最終的な結論なんですね。辞令と理由書をいただけますか。これまでずっと口頭でしか伝えられていないので。
人事部長:勤務地の異動がない場合は特に出していません。これまでそれで従業員から求められたことも特にありませんし問題となったこともないため出しません。元社畜さんにだけ例外的に出したりしません。
育休後、原則原職復帰と規程しながら例外的に配転しておいて何を。例外作るのは御社の得意分野だろ(笑)
元社畜:別に出してもいいでしょう。いつ付けでいつ配転命令されたかお互い証明となるものが記憶しかないですね。無論、先回も拒絶する旨を伝え、今回もそうしますが、あとで、あの日は正式な辞令では無かったとか言われても困りますので。
人事部長:では!!今正式に言い渡します!! 元社畜さん!!育休復帰後の2023年1月○付けで、同部署内で外勤営業から内勤業務へ職務変更します!!
元社畜:では、不当な配転命令と認識していますので、職務変更命令については拒絶させていただきます。ただし、更なる不利益を避けるため異議を留保して、とりあえず内勤業務はさせていただきます。
人事部長:い、いぎをりゅうほぉ!?それは、えっと、どういうこと?
元社畜:そのままの意味ですので、分からないのであれば貴社の社労士さんにでもお聞きになってください。
人事部長:確認します。
元社畜:私の意思表示を明確にするために、配置転換に不同意である旨とその理由を通知書にして後日会社あてに送ります。
人事部長:それは内容証明とかで送ってくるのかな。
元社畜:必ずしも内容証明でないといけないというものでもありませんが、念のため内容証明郵便で送ろうと思います。
人事部長:それは見てから対応します。
ここで俺は、今後については、これから起きることを予告し、手の内も全て明かした上で完封してしまおうと考えた。
これからもずっと働きながら、会社と争いになることを考えた場合、突然感、唐突感を与えるのは良くない気がするのだ。
例え権利侵害に対する正当な行動だとしても、思いがけず突如として噛みつけば、やはり構えてしまうし、混乱する。 その結果がどこに向くかと言えば、アイツは突然牙をむいてくるヤバい奴だとなってしまう。(もう手遅れかもしれんが。)
少なくとも会社がこうしたら、こうするって事前に聞いてたね。その通りにしてきたねと。
俺は俺の正当性を貫きたい。
今日から、
『有言実行モンスター社員』だ。
元社畜:内勤者への職務変更は無効という認識ですので、もしも仮に来月の給料で外勤手当が支払われなければ、当然請求をさせていただきます。
人事部長:それでも支払わないと?
元社畜:それはもう司法的解決するしかないでしょうね。
人事部長:裁判するってこと?
元社畜:労働審判なのか、裁判なのかはまだ分かりませんがそうなりますね。
役員が口を開く。
役員:元社畜さんさぁ、本当にそんなことがやりたいのかな。元社畜さんが言うのはさ、会社は残業代の代わりとして払ってるつもりだけど、厳密にいえば働かなくてももらえるものだから、僕は働かずにお金だけもらいたいですってことだよね。それってどうなの?
俺:うーん、モラルの話なんですか?法律よりモラルが大事と言うことでしょうか。 そもそも、この外勤手当というのは会社としてどういう定義、位置付けなんでしょうか。定額残業制度なんですか?まず、そこの前提をはっきりしていただかないとなんとも言えませんね。
役員:それは、みなし残業、、、なんだよね??
-遮るように-
人事部長:それを話しだすと長くなるので。
俺:いえ、今回の件についても根幹の部分なので。
人事部長:従業員一人一人と議論していたらきりがないから。
俺:なるほど、個人とは話できないとなると、組合からの団体交渉であれば話をするということですね。では組合から話してもらうようにします。
人事部長:それはそうしてください。組合から申し入れがあれば対応します。
こうして、配置転換(職務変更)が正式に言い渡されたのだった。
つづく。