【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第48話 それぞれの理 ひとりぼっちユニオン編

沈黙は肯定か

-団体交渉続き-

人事部長:元社畜さん、君に一つ聞きたいけどいいかな。

元社畜:どうぞ。

人事部長:育児休業後の今直近の数ヶ月は別問題として、入社後してから4年5年経って、勤怠のつけ方ってずっと19時以降の分を残業として入力してたよね。その勤怠入力の実態とあなたの主張とは矛盾するよね。 君のような物怖じしない行動力のある人が今回の制度変更の話があるまで何年も全く異議を唱えないなんて。しかも、君は執行部じゃないけど、社内の組合の分会役員もやっていたから協約を見たり触れてきたりしてたじゃない。それで内容知らなかったってことはないんだから。

会社というのは必ずこういった「なんで数年放置しといて、いきなりまとめて請求してくるのか。モラルないよね」みたいな物言いをしてくる。

はっきり言ってそうだとしても、まるで意味のないことだ。

請求するにあたり、証拠を収集したり調べたり計算したり、通知を作ったり、タイミングも含めて準備がいる。 法的には本来の支払日から3年までの時効で消滅していない分は請求することが認められているのだから、その範囲の中のものを請求したことを咎めるのは筋違いだ。 賃金制度に違和感を感じたとして、入社間もなく自らのポジションも安定、確立していない中で、賃金、とりわけ残業代の支払いが違うんじゃないかというセンシティブな議論を持ちだすのは通常難しいことだ。 百歩譲って、未払い賃金を突然まとめて請求し始めるのは、お下品でモラルが無いと言うことでもよいが、企業内組合を丸め込み、無知な従業員を騙して強引な不利益変更をして一方的に賃金を切り下げようとする人達に言われたくないのだ。

しかし、ここは別角度からきちんと正当性を示そうじゃないか。

辻褄

元社畜:ずっとおかしいとは思ってましたよ。 まあけど、組合も従業員も誰も異論を唱えないので、何か合法的なやり方があるんだろうなと思って黙ってました。 それで、組合やったり、制度変更の申入があったりする中でよくよく調べてみると、これはやっぱり規定上法律上残業代は発生するし、どうも未払いだなと分かったわけです。

人事部長:その時に何で会社だったり組合だったりに言わないの。

元社畜:組合の分会長には未払いになっていませんかと言いましたよ。それが伝わっていないなら組合内で握り潰してたんじゃないですか。 それに、直接伝えましたよね。若手が辞める理由について意見を聞きたいと呼ばれた時にも、最初の配置転換の時にも。 その時にあなた方は、その話を始めると長くなるからとか、組合と話をしているから個別には話をしないとかで避けてきた。 その理屈はたしかに一理あると思ったので、では組合通して話をしますね。と言いました。

人事部長:全てではないけど、たしかにそういう話をしたことは覚えてる。

元社畜:それで今、組合として団体交渉で話をしている。 「組合通じて話をしますね。」の組合というのは僕の中では社内の組合ではユニオンのことだった。

お気持ち表明

人事部長:決して君のことを無視するような意図は無かったし、少人数の意見だから無下に知らんとか言うつもりもなかったけど、他のグループ会社と比べ1年先送りしたように強引に進めることもしなかった。組合がある中それをさしおいて君と話をするのも違うので、組合とそろそろやりましょうと協議をして決まった。 もっと早い段階で君と時間をかけて話ができれば分かってくれる人だと思っていたし、本当はあたなと話をしたいと思っていたんだよね。そういう思いがあったことは理解してほしい。

元社畜:分かりました。(この人も、いろいろと置かれている役割や立場的に難しいところもあったんだろうな。)

ユニオン:団体交渉はそういう誤解を解く意味合いもありますからね。

元社畜:しかし、労組を差し置いて話をするわけにはいかないと言っても、社内の労組が不利益変更に合意した場合にはそれに拘束されてしまうわけですから、社内の労働組合とだけ話して決められてしまってはこちらとしては元も子もないわけです。

会社代理人弁護士:私から一ついいですか。 今回の制度変更は不利益では無くて、我々の見解から言うと従業員にとって有利な変更なんですよ!!

へー( ´Д`)その心は。

つづく。

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