【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第15話 それは会社が考えることなので ひとりぼっちユニオン編

それは会社で考えてください

育休の申請を提出すると、直属の上司、中澤部長が急いでやってきた。

(先に断っておくと、この中澤部長のことは人間的にすごく大好きだし、上司としてサラリーマンとしてすごく尊敬している。)

中澤部長:え?なに?育休取るの?

俺:はい。

中澤部長:俺そういうことには、あんまり詳しくないんだけど、その、(男性でも)取れるもんなの?

俺:取れますね(笑)

中澤部長:休みに入るまで、もうあと1ヵ月しかないよね。

俺:ええ。制度上も会社の規定上も1ヵ月前に申請すればよいことになっていますので、全く問題ないと思います。

中澤部長:けどさ、元社畜さんはさ、営業でさ、担当の得意先をもっているじゃない?君についてる数字とかさ、売上とかさ、どうするわけ?どう考えてるの?

俺:それは、会社が考えることですので、会社の方で考えてくださいよ。

中澤部長:その言い方はちょっとないんじゃないかな。その間、担当無しってわけにいかないし。とはいえ、うちも人居ないし困るなぁ。

俺:制度としてあるわけですから、いつ育休申請があってもいいように準備をしておくべきじゃないですか。男性の営業社員は育休を取らないだろうと会社が勝手に決めつけていただけで。 もっと言えば、僕は子供が産まれた時にもちろん会社には伝えてますので、その時に育児休業の取得予定について確認しておいたら、よかったんじゃないでしょうかね。

中澤部長:まあ権利だと言われれば、仕方ないね。引き継ぎできる人をなんとか調整するように、支店長や人事とも話してみるよ。

俺:ありがとうございます。よろしくお願いします。

言うもんか

2週間後、引き継ぐ新しい担当者が決まり、残りの期間で引き継ぎを行った。

俺はこの時に絶対に言わないと決めた言葉が2つある。

「ご迷惑をおかけします。」

「申し訳ありません」

だ。

実際には迷惑だということは承知しているが、せっかく我が社の男性育休取得に風穴をあけたのだから、男性が育休をとるのはもう当たり前、申し訳ないことではない、今後はお互い様なんだという空気を作るにはあえてこの言葉達は使わずにいこうと決めた。

それにこの言葉を使うことは、考え様によっては新しく引き継ぐ人や周りの人を信用していない、自分の実力よりも下に見ているとも誤解されかねないと思うのだ。

その代わりに、

「ありがとうございます。」

「よろしくお願いします。」

を心を込めてハッキリと言うように心がけた。

そうして引き継ぎの日々は過ぎていくが、育休をとるにあたり一つ気掛かりがあった。

それは、、、

つづく。

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