今日は、第21話でした「配転命令に対する異議の留保」について少し掘り下げておきたい。
人事部長:い、いぎをりゅうほぉ!?それは、えっと、どういうこと?
元社畜:そのままの意味ですので、分からないのであれば貴社の社労士さんにでもお聞きになってください。
納得がいかないからと言って、断固として配転命令に従わない場合には、正当な理由のない欠勤や無断欠勤と扱われて懲戒処分されたり解雇されたりする可能性が極めて高くなってしまいます。
もっとも、それで解雇されたとて、裁判や労働審判で配転命令が違法なものとして争い、配転先で就労する義務はなく解雇は無効となれば、労働契約上の地位は回復されるし、当然その間の賃金を請求できることになるから勝てば問題ないわけだが。
しかし、裁判所は、解雇に関しては非常に限定的で使用者側に厳格なスタンスをとってきているが、雇用さえ維持しておけば、配置転換に関しては使用者がわりと好き勝手できるかなり広い裁量を与えています。
このように配転が無効を争って労働者側が勝てる見込みは結構薄いので、配転命令には全く従わないのはリスクが高い。
だから「懲戒されたりクビにされないために一応、配転命令には仕方なく従ってやるけど、内心では拒絶してるし争うから覚えておけよ!」という方法になる。
これを一言で言い表すと、「異議の留保」ということになるのだ。
ガチガチにガードを固めながら、カウンター狙いの戦いだ。
元社畜さんは職務が変わっただけで、転勤は無いんだから、上記の判例に照らせばお話にならないぐらい負け戦では?
だからこそ会社もそこを意識し、第19話で
-人事部長:会社にとっての!会社にとっての最適です!会社としては、職場は変えていない、部署も変えていない。ここは配慮しました。 期の途中に復帰をされたので、社内的にも対外的にも混乱が生じかねないので仕事内容は最適な内容に変更をさせていただいたということです。ご理解ください。-
と強調してきたのだ。
しかし、東亜ペイント事件は、配転には通常賃金減額等の不利益がないという前提に立っていて、もちろん今回のような育休後の配転については考慮されていないため育休後の配転については育児介護休業法という枠組にも当て嵌めて見ていく必要があるためそこに活路があると思っている。
この活路については次回で詳しくやりたいなと思います。
しばらく、勉強回ですいません💦
ついてきてー!🙏
つづく。