【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第8話 VS執行委員長(前編)ひとりぼっちユニオン編

VS執行委員長

就業後、約束どおり電話がかかってきた。

俺:はい、元社畜です。

田端:執行委員長の田端です。
会社との交渉の件でお話があるとのことでしたが、どのようなことでしょうか。


俺:今回の会社からの申し入れについて、僕は僕の知っている弁護士さんや、労働基準監督署に確認しましたが、明確な不利益変更であるという見解でした。
疑念があるのであれば、弁護士の名前と、労働基準監督署の担当の方の名前と連絡先をお伝えしますので直接確認していただいて結構です。


田端:私も今回の申し入れを受けて、調べたり、上部団体に確認をとりましたが、組合としては問題が無いと考えています。

俺:なぜでしょう。これまで仮に残業を全くしなかったとしても定額で支給されていた手当が廃止されて、同じ給料を得ようと思うと時間外労働として同額分残業をして稼がないといけない。これを不利益と言わずして、何と言うのでしょうか。

やらずぼったくり

田端:元社畜さん、たしかに仮に残業しなくても貰えていたかもしれない。けれどもやはり双方ある程度残業をすることを想定してというか、そういう前提で支給、受給してたんだと思いますよ。
だから、残業しなくても外勤手当をもらおうというのは、やらずぼったくり、給料泥棒のように感じませんか。私はそう思いますけど。


俺:思いません。
まず、あなたは組合の執行委員長であり、その1番優先されるべき仕事は組合員の労働条件の維持改善です。組合員が最大限利益を受けるかたちにおいて、物事を比べてみて判断するべきです。組合員が不利益を受けないことを優先して考えるべきです。
だから、会社側の立場になって、賃金だけを取られたとか考える必要って全く無いです。

田端:それは何だか極論だと思います。

感じるべき重み

俺:全く極論ではないですよ。

よいですか。

残業を全くしなかったっていうのを、例えば仮に家族に不幸があって忌引きで長期休んだとか、新型コロナにかかり出勤できないとか、退職することに決めて貯まっていた有休を消化すると置き換えてみた場合どうですか。
これまでは、こういった場合でも外勤手当は支給されていました。残業は無かったとしても。
しかし、会社提案の制度になると基本給の2割の外勤手当が無くなり、外勤活動手当の7000円になります。今までは収入が保証されていましたが、新制度では残業をしないとガクンと収入が減ります。
こんなことが起きるんですよ。

田端:まあ、でもそれはやっぱり働いていないから仕方ないわけで。

俺:あなたも分からない人ですね。あなたは、組合の長として従業員の賃金、その家族の生活を背負っているんですよ。
あなたが会社に対して身を粉にして貢献したい独自の価値観や、自分の中だけの正義感や違和感なんかよりも、組合員を代表している、その責任に重みを感じるべきです。

田端:でも、、、

つづく

次の話を読む


前の話を読む


最初から読む