給料体系について、俺はずっと違和感を感じていたことがあった。
会社から制度変更の申し入れがあって、疑念は増し、就業規則や労働協約を何度も何度も目を凝らし確認することが増えて確信に変わってきた。
定時退社日である毎週水曜日定時17時30分後と、水曜日以外の19時以降の残業代についてはきっちり支払われているが、
法的には、
水曜日以外の、
定時後17時30分から19時までの労働については、残業代が支払われたことになっていないのではないだろうか。
第2話で詳しく説明しているので熱心な読者は参照していただければと思うが、申入書で会社は、外勤手当を24時間分みなし残業代(水曜日以外の平日17時30から19時までの残業代)と言っている。
かく言う俺も、今まではこんな全国規模の大きな企業のグループ会社の給料体系なんだから、何かしらきちんと制度設計しているものだろうと思い、詳しく調べなかった。
しかし、外勤手当が残業代の対価であるという根拠が就業規則にも労働協約にもどこにも見当たらないのだ!
とんでもないことに気づいてしまった。
外勤営業の、
過去3年分の毎週水曜日除く17時30分から19時までの残業代が未払いとなっていて、
その規模は、
うちの子会社の各支社、支店だけでも外勤営業は数千人規模で存在し、関連会社、グループ全体ほとんど同じ給料体系でやっているはずなので、数万人規模でこうした未払いが発生している。
しかも、今まで外勤手当は基準外賃金(残業代時給算定の基礎とならない手当)とされてきていたが、残業代の対価じゃないとすると基準内賃金と扱わないといけないので、これまでの残業代時給が跳ね上がることになる。水曜日や19時以降の既払いの分についてもだ。
全国規模では数億、いや数十億規模の未払いになるかも。。。
そして、
そのうち毎日のようにその一部が従業員が気づかないうちに時効消滅していっているということでもある…。
誰も気付いていないか。 気づいていても誰も声を上げないのか。
これは開けてはならないパンドラの箱なのだろうか。
-パンドラの箱の結末-
パンドラが箱を開けてたくさんの邪悪なものが人間界に飛び出したあと、たった一つ箱に残ったものがあった。
それは「希望」だ。
誰かがやってくれないかな。 誰かがやってくれるだろう。 誰がやるのか。
その誰かは誰なんだ。 誰かにとっての誰かが俺なんじゃないのか!?
しかし、こんな重たい箱を1人で背負えるだろうか。
パンドラの箱の神話の結末には別の解釈がある。
希望は箱の中に残ったままということは、この世界には災いや邪悪なものだけが溢れていて、希望はもたらされないのだと。
はたして。
つづく。