【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第26話 ひとりぼっちユニオン ひとりぼっちユニオン編

ユニオンショップの組合は辞められるか

これはすでに判例が確立されている。

東芝労働組合小向支部・東芝事件(最二小判平19.2.2) 判決要旨
従業員と使用者との間において従業員が特定の労働組合に所属し続けることを義務付ける内容の合意がされた場合において,同合意のうち,従業員に上記労働組合から脱退する権利をおよそ行使しないことを義務付けて脱退の効力そのものを生じさせないとする部分は,公序良俗に反し無効である。

三井倉庫港運事件(最判平元.12.14 ) 判決要旨
ユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、民法九〇条により無効である。

つまり判例は、労働者の組合脱退や組合選択の自由を認めている。 ユニオンショップ制をとっている場合には、別の労組に加入しているか、あるいは結成するなどして、なにかしら組合には所属していないといけないという立場である。

労働協約の拡張適用

そうして本当に社内の組合を抜けたとして、不利益変更から逃げられるのだろうか。

労働組合法17条 一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。

これは、その事業場の労働者の4分の3以上が同じ労働協約の適用を受けている場合は、その労働協約の締結組合の組合員ではない労働者にも同じ労働協約が適用されるという規定だ。

これを労働協約の一般的拘束力というらしい。

なんてことだ。

学説や裁判例をよくよく調べていくと、これは、どの組合にも属していない非組合員を拘束するものであると解するのが現状有力な立場のようだ。 理由は明確で、少数組合の組合員まで拘束してしまうと、少数組合が何を交渉しようが、何を勝ちとろうが、結局多数組合の協約が適用されてしまうのでは意味がなくなるので、少数組合の団結権や団体交渉権が保障されないことになってしまうから、これはそうあるべきだろう。

組合結成?

組合は2人以上からしか結成できないし、新たに作るのは誰かついてきてくれる仲間が必要だ。 もしそのせいで嫌がらせをされたり、干されたりしたら迷惑がかかってしまう。(もちろんその場合は不当労働行為ではあるが)

社内コミュニケーションツールでの組合員全員への呼びかけにより、少なからず応援や賛同してくれている仲間はいるが、そこまでの覚悟をもってくれる人はいるだろうか。いや、いたとしても責任はとれない。

だから、とりあえずは社外の合同組合、広域ユニオンを探して、形だけでも加入しよう!

社内でたった一人、別の組合の組合員!

そうだ、

ひとりぼっちユニオンだ!

つづく。

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