【パタハラ裁判やってます】〜本人訴訟、しあわせのチカラに〜

全方位型労働被害者、元社畜による実話を元にした実話です。ブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブル

第44話 礼は之和を以て貴しと為す ひとりぼっちユニオン編

時効完成猶予

このブログの読者の方はご存知の方が多いと思うけど、未払い賃金の時効は、2020年4月から、それまでの「2年間」から「当面3年間」となった。

つまり、2023年4月の給与支払日までに、請求をして時効の完成を猶予しておかないと、2020年の4月分からどんどんと消滅いってしまう。(もっとも、請求しただけでは6ヵ月間時効の進行が停止するだけで、その間に裁判上の請求が必要) とりあえず、ここらで内容証明郵便にて会社に請求を通知しておくことにした。

全文を載せてもよいのだが、4ページもあるし、黒塗りが面倒なので、今回は要旨だけを書いて割愛する。 もし、参考にしたい、見たいという方がいたら、下のコメント欄かX(旧Twitter)で教えてください。

【請求の内容】
・不就業控除計算の誤りによる差額未払い賃金
・育休復帰後の外勤手当の未払い
・水曜日を除く定時17時30分から19時までの法内法外残業代の未払い
・それぞれの遅延損害金

今回は会社名を書くことを忘れずに出しました💦

独り立ちしない男

それから、しばらくして数週間後に迫った新部署での業務の説明ということで、人事部長と役員から呼び出された。

役員から、上司がこんな略歴の人だとか、想定される仕事の内容だとかの説明があり、最後に一言こう言った。

役員:早く新部署で独り立ち出来るように頑張ってください。

それまでは黙って聞いていたが、ここは訂正しておかねばならない。

俺:ちょっと待ってください。独り立ちってなんですか。意味が分からないのですが。

役員:どういうこと?

俺:あの、何か勘違いしてされてませんか。育児休業後の不当な配転で本来であれば就労する義務はないと考えているところ、不本意ながらもとりあえず従っておかないとあなた方は懲戒とかまた不利益になることをするでしょう。 だから、指示命令には従いますが、自発的に何かをしたり、ましてや独り立ちして貢献しようなんてことはありえないので、そこは誤解のないようにお願いします。

役員:では、上司の指示に従って仕事するということで。

俺:以上であれば、もう戻っていいですか。

人事部長:元社畜さん、最後に一つだけいいかな。

将来へ向けたメッセージ

人事部長:ご指摘いただき内容証明でも請求いただいていた、不就業控除の件、改めて再計算をして最終確認をしています。社内での決裁等の手続きもあるので、もうしばらく時間をください。次の給料で遅延損害金も含めた不足分まとめてお支払いします。

俺:それは計算の誤りをお認めになられたということでしょうか。

人事部長:はい。ご指摘をうけた育児休業から復帰した1月分、指摘は無いですが育児休業に入る際の昨年10月分で計算方法が誤っていました。 計算方法とお支払い額については紙に纏めて追って通知させていいただきますが、この育休の入口と出口の部分の計算の誤りについて会社として反省しており、これについてはお詫びします。申し訳ありませんでした。

俺:そうですか。ご確認いただきありがとうございました。金額が大きくなかったので指摘していなかった入口の部分までお支払いいただけるとのことですのでありがたく頂戴します。 この不就業控除の件については、今月の給料でのお支払いいただければ解決ということで結構です。

きっと他の従業員に同様のケースで、今まで計算を間違えていて、従業員も気づかず、気付いていても泣き寝入りしているものが相当数あるだろうが、誤りを認め反省している以上はもうこれで咎めるのはやめることに決めた。

早い段階で間違いを認めたり、誠意を示せば、コイツはいつまでも非難をしたり、無用に口外したりはしない。感情や社会正義は置いておいて、態度次第では部分的な和解は可能だという印象と信頼を貯金しておくことは、(今後会社につく代理人とか)将来に向けたメッセージになるとも思ったからだ。

そして、3月の給料で、遅延利息88円を含む計算間違いにより引かれすぎていた不就業控除差額全額が振り込まれた。 不就業控除問題はこれで解決した。

いよいよ新年度がやってくる。

つづく。

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