-数日後-
執行役員:あれは考えてくれたか。
元社畜:あれとは?
執行役員:訴状を出すか出さないかだよ!
元社畜:ああー。もう出しちゃいましたよ笑
執行役員:もう出したの!?おまえなぁ、あれだけ止めたのに。
元社畜:いや、出すって言いましたよ。
執行役員:取り下げろよ。例え裁判所から訴状が届いても、取り下げる予定なら何も無かったことにするから。
元社畜:嫌ですよ。印紙代もったいないじゃないですか笑
執行役員:いくらだ?そんなもん俺がポケットマネーで払ってやるから。
元社畜:ここまできて、会社が何の代償も払わずに解決できると思ってるんですか。
執行役員:大変なことだぞ。
元社畜:大きく捉えすぎですよ。裁判なんてなんだこんなもんかってぐらい、静かに淡々と進んでいくものですよ。
裁判所から電話があった。
書記官:裁判所の計算する訴額と、訴状記載の価額が違うので、計算根拠教えてください。
元社畜:あ、すいません。付加金の金額が入ってしまっていたかも。
書記官:いえ、それでも若干合わないですね。
この後。いろいろやりとりして、ようやく理由が分かった。
配置転換先で就労する義務のないことの確認請求については、地位確認(解雇無効確認)請求と同じで訴額160万円として扱うことになるが、これを計算していなかった。 付加金の金額は、訴額に含めないが、これを含んでいたため、相殺されて微妙に合わなかったのだ。
お恥ずかしい。
収入印紙2000円不足するとのことで、すぐに送った。
人事部長や役員の共有の予定表を見ると、弁護士事務所相談という予定が入っていた。
どうやら訴状が送達されたようだ。分かりやすいな。
また執行役員と少し話す機会があったので、聞いてみた。
元社畜:訴状届いたようですね。
執行役員:届いたわ!なんだあの分厚さ、コロコロコミックが入ってるかと思ったわ!
元社畜:証拠多くてすいませんね。
つづく