社畜よ、武器を持て【未払い残業代請求裁判ブログ】

未払い残業代請求と解雇無効確認の裁判中の元社畜によるリアルタイム奮闘記! 今まさにブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブルにも!

第74話 手待ち時間

どうもモチベーションが上がらずブログの更新が停滞してしまいましたm(_ _)m

ちゃんと裁判終わるまで書こうと思っているので、たまに更新止まるけどたまにのぞいてやって下さい。
長い目で見てもらえると幸いです。



では前回のつづき。


10月の裁判期日。なにやら今回はいつもと様子が違う。


書記官によると今回は司法修習生が見学するらしい。
司法修習生とは最難関の司法試験に合格後、弁護士や検事、裁判官の資格を得るために研修中の人達だ。

先生の話では、最近は司法修習生の中で労働裁判を勉強したい人が増えているとのこと。
過払い金請求バブルが終焉を迎えつつあり、電〇などの事件もあったりで、これから増えてくるであろう労働事件に注目が集まっていて、争点が明確で書証も多い俺達の裁判は、司法修習生の教材にぴったりのようだ。


裁判官のあとに続いて10人弱の司法修習生が入室してくる。さながら白い巨塔の教授回診みたいだ。

裁判官「今日は司法修習生が見学しますが、気にしないで下さい」

いつもどおり提出書類の確認が淡々と進む。

裁判官「この裁判に向けて書類を読み返していたら提出されている準備書面がいくつか陳述になっていないものがありました、本日陳述したことにさせていただいていいですか?」

毎回読み合わせてるのに何故^^;

結構こういう事務的なミスが起きるので、当ブログ読者の中で裁判をしている方は期日毎に調書を閲覧謄写することをオススメしておきます。


この期日ではワンオペが主なテーマになりました。

ワンオペについてもう一度おさらい。

労働基準法第34条第3項は休憩時間について、休憩時間自由利用の原則を定めており、裁判例及び通達も、休憩時間について、自由利用の原則を述べ、労働からの解放を保障している。
原告は、モデルハウスにおいて、一人で業務をおこなうことがあり(以下「ワンオペ」という。)、ワンオペの日においては、来場者(顧客、業者の営業者、宅配業者、保守維持管理のための業者及び総合展示場関係者等)や電話への対応を義務付けられており、外出等も許されず、休憩時間を自由に利用することができなかった。

この実労働はしていないものの対応するための待機時間を「手待ち時間」といい、労働から完全に解放されている訳ではないので労働時間として賃金が発生するという裁判例が多数存在します。


ワンオペで休憩が取れなかったのでその時間は業務時間として残業代を払うように主張していますが、ワンオペの日の特定を後回しにしていたためまだ請求額に含んでいませんでした。

そろそろワンオペの日と金額を特定した上で請求に乗せなければいけないと裁判官から指摘されました。

判決に向かう場合に元本が分からないと判決書けないですからね^^;



裁判官:実際にモデルハウスで休憩がとれないいわゆるワンオペになる頻度はどれくらいあるんですか?

俺:月に2回ぐらいですね。4人グループでそれぞれが隔週週休2日隔週週休1日で交代してシフトを火曜日水曜日を埋めていたので隔週で1人出勤の日があるということになります。

裁判官:被告もそういうことでいいですか?

被告代理人:平日はお客さんはほとんど来ないのでどこかの時間で休憩はとれますけどねぇ。トイレにも自由にいけます。

裁判官:被告としては休憩は取れるという主張でしょうから、それはそれとして事実として1人待機になる日は実際にあるんですよね。

被告代理人:それはありますよ...。

裁判官:ワンオペですよね。

被告代理人:それをワンオペというのならワンオペということにはなりますがねぇ、はい。


裁判官:このワンオペの日の残業代は訴状の請求額にはまだ含まれてないということですが、どうしたら乗せられますか。


俺:日報等からワンオペの日を特定できなくはないんですが、それぞれの社員のタイムカードを突き合わせて整合をとったほうがより確実で間違いないと思っていましたので。被告には以前からワンオペの日を特定できる資料を求釈明してますけど、全然出してもらえないので。


裁判官:被告代理人そこは出してもらえませんか?


被告代理人:会社に確認して出すようにします。
ワンオペについてはこちらとしても主張をもう少し詰めたいところもあります。


裁判官:次回期日ももう少しワンオペについて話しましょう。



ということで期日終了。


月2時間、2年間で48時間そこら。正直たいした金額ではなくて多分10万も増えない。
このことで裁判が長引いてだらだら時間を浪費するならワンオペの主張請求自体捨てようかなとも思えた。
しかし、無茶苦茶な労働体系を強いられてきたこと、杜撰な労務管理はやはり咎めておきたい。
そこに答えを出さないと後悔するかもしれない。
時間はかかってもやらなくてはいけないのだ。

つづく。

第73話 積み上げる証拠

次回の裁判に向けて新しい証拠が何かないか探していた。


争点の事業場外みなし労働のポイントは外回り中は労働時間を算定し難い時にあたるかどうかだ。

携帯を貸与されていて会社側はいつでもこちらの状況把握が出来たことはすでに主張しているが、事故や急病などの際の緊急用や対お客様や業者への連絡用に持たせており、業務指示や労働把握のためでは無いと言い張っている。

貸与された携帯電話はすでに返してしまって手元に無い。あれば電話の履歴やメールの履歴か出せるのだが。

しかし、会社から携帯を貸与されたのは途中からで、貸与される前は自分の携帯を使用していた。
もしかしたらそこに会社からの業務指示ややりとりが残っているかも!

これは前からやろうと思っていたが面倒なので避けていた。
昔使っていたどこにいったか分からない画面の割れたiPhone4を探さなければならないからw

と思ったが案外すぐ見つかった…。

そして、いいメールが残っていた。

携帯が貸与された後もこうした連絡のやりとりがあったと推定するには充分だ。


他にもタイムレコーダー(タイムカードの打刻機)が他の社員の大半から見える位置にあり不正打刻が出来ずタイムカードの打刻時刻が信頼できることを示すため本社内の配置図も作成。
モデルハウスは事業場じゃないと会社が言いはるので、事務所機能を持っていた(それぞれの席が個別に割り当てかあり、複合機や固定電話がある)ことを示す証拠として、事務所内部の配置図面も作成、提出する。


次回期日はすぐだ。


つづく。

第72話 争点整理期日

争点整理の期日がきた。いよいよ裁判も後半戦といったところか。

野球で言えば6回表ぐらい?

裁判官:争点整理メモの提出ありがとうございました。これで争点は大分絞れてはっきりしてきましたね。やはり事業場外みなし労働時間制が一番の争点になりそうですね。

俺:(´-`).。oO(最初から見えてますけどね、見えて無かったの?ああ、見てなかったのか。)

裁判官:これをベースに今後進めていきます。原告から出されている証拠書類の中で、営業設計部義務標準書と〇〇ハウスルールというのは結構重要な証拠になってくると捉えています。これは社内でどういう位置付けのものですか?


俺:業務標準書というのは、部内の業務の進め方が書かれているものでいわゆる業務、行動マニュアルです。〇〇ハウスルールというのは就業規則を補充する細目が書かれているものです。直行直帰は原則禁止であるとか喫煙ルールとかそういったことが書かれています。


裁判官:他にルールやマニュアルで文書かされたものはありますか?


俺:原告側で持っているものでは特にありません。いろいろがんじがらめの会社なので細かくはたくさんあったと思いますが提出できるものが無いので。不文律みたいなものもありますし。


裁判官:原告側からはたくさん証拠が出ていますが、被告側は主張に対して証拠の分量が足りないですね。今後出てきますか?


被告代理人:会社に確認し、出せるもの必要なものがあれば出したいと思います。


裁判官:争点整理メモも分量を抑えてもらうようにはお願いしましたが、ちょっと簡潔すぎです。


被告代理人:補充しますが、どの辺でしょうか。


裁判官:原告側のこれまでの主張や、争点整理メモから、ここで認否をきちんとしていただきたいですね。どちらかというと認めるところ、争わないところ、一致しているところを明確にしてください。否認するところは否認するでいいんですが、認めるところは認めて大事な部分を重点的に争った方がいいと思いますよ。


被告代理人:なるべく認否を出すようにします。


裁判官:では次回は、被告からの認否を出していただくということで日程を決めましょう。


俺:その前に少しいいですか?先回、解雇の件について和解しましたが、被告が和解条項を守らず債務不履行、履行遅延になっています。具体的には従業員数を偽り、朝礼の...


裁判官:ちょっと待って下さい!和解後のこと?もうこの裁判においては和解調書作成した時点で完結してますので、この裁判には関係ありません。和解後のことは当裁判所としては関与しませんので、当事者同士で解決して下さい。


俺:被告の規範意識の欠如とか悪質性を言いたかったのですが。それは関係あると思いますが、そうですか、分かりました。


裁判官:では次回の日程を、



日程を決めて終了。



おそらく和解条項の不履行に関しては執行の部署に言ってくれという意味なんだろうけど、解雇の件の和解前はあれだけ必死に強引に和解を勧奨しながら、事が済めばもう関係無いってなんて無責任なんだ。梯子外された感。
まあ想定内、ああ、そう、そうですよね、日本の司法はそういうところですよね、分かってましたよ。

もう絶対なにがあっても残業代の方は和解してやらないからな。さらさらありません、擦り寄ってきても排除致します(`・ω・´)


今後戦われる皆さん、和解する時は慎重にね。

第71話 たいして意味のないことでも事実は曲げられない

離職票が届いた。


ようやく就活と再度失業手当の受給が出来ると思ったのだが、離職票-2の退職理由を見て唖然とする。

具体的事情記載欄(事業主用)
「退職勧奨」


このハゲー!!違うだろー!違うだろ!( º言º)



厚生労働省、労働局、ハローワークが連名で作成している「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」という資料によると、

離職理由欄はそれぞれの主張を確認できる資料による事実確認を行った上で、最終的に安定所において慎重に行います。

とある。

おそらく今回、会社は和解調書を資料として提出しているはずである。
和解調書で労働契約の終了についての文言はこの1文だけである。

被告は普通解雇を撤回して、雇用契約を和解日で会社都合の終了とする。

どうしたら退職勧奨と読めるのか。

退職理由は、
「裁判上の和解による終了(会社都合)」
にならなければおかしいと思う。


はじめにことわっておくと、俺の失業手当の受給手続上はなんら支障は無いし、新しく就職が決まった会社に離職票を提出しなければならなくなることも無ければ、その退職理由が外部に出ることは無いのであるが。間違ってるものは間違っているのだ。
不名誉で遺憾。ただそれだけのことだがどうもこういう事は我慢出来ない。


すぐにハローワークに電話。
離職票の係に繋いでもらう。

俺:具体的事情記載欄の退職理由に退職勧奨と書いてあるんですが、何をもってこれを受理されたんですか?

ハロワ:会社から和解調書を資料として提出いただきました。退職理由については資料だけで判断出来ないことはよくありますのでそうした場合は会社からの聞き取りを行い退職理由を判断しています。

俺:和解調書に基き労働契約が終了しているのでそれしか判断材料無いじゃないですか。なんで聞きとりする必要があるんですか?

ハロワ:自己都合では無いですよね?雇用保険上の会社都合退職の分類には解雇か懲戒などの重責解雇若しくは希望退職募集又は退職勧奨しかありません。退職勧奨にしておけば、特定受給資格者になり受給に際しては有利に働きます。何か問題でもありますか?

俺:じゃあ今回、実際にはどれにも当てはまらないけどあなたが忖度して退職勧奨って書くように薦めたってことですか?
問題ありますよ。ハローワークが受理して発行した以上離職票は公的な行政文書になるし、行政処分なんですよ。それが事実と相違してていいんですか?


ハロワ:そう言われましてもハローワークとしては訂正することは出来ませんし、、、。


俺:じゃあ審査請求や不服申し立てすればいいですか?

ハロワ:それは、会社都合退職なのに自己都合となっている場合などに出来るもので、今回は会社都合による特定理由受給資格者には変わりないので不利益が生じるわけでは無いので出来ません。
どうしても退職理由を直してほしいと仰るなら会社側に補正申請をしてもらうようにお願いしたらどうですか?

俺:なんでハローワークが誤った判断で受理したものを直してもらうように私がお願いしないといけないんですか?ハローワークが主導して直すように働きかけるのが筋じゃないですか?
あなたじゃ話にならないのでもういいです。対応を考えます。失礼します。


すぐさま労働局に電話。


経緯を説明し、

俺:裁判上の和解は確定判決に準ずるものですよね?

労働局:そうなりますね。

俺:和解調書以外に退職理由をハローワークが会社側に聞き取り判断する必要は全く無いですよね?

労働局:そうなりますね。

俺:和解調書により退職理由がはっきりしているのに離職票-2の退職理由が事実と相違している状態っていうのは行政文書としてはよく無いですよね?

労働局:良いか悪いかと聞かれれば、良くは無いでしょうねぇ。かと言って行政処分は一度したら取り消すのは容易では無いですし、今回効果は変わらないので会社から直すようにしてもらわないと難しいところですね。

俺:ハローワークの上位機関、監督庁は労働局ですよね?

労働局:労働局、厚生労働省になりますね。

俺:補正でいいので、ハローワーク主導でやるように担当者を指導してもらえますか。

労働局:ハローワークの担当者からも事情確認して対応します。

俺:お願いします。


しばらくして、ハローワークから着信。


ハロワ:さきほどは失礼致しました。離職票こちらに送っていただければ、ハローワーク主導で進めます。会社呼び出して補正申請促し、補正させますので。退職理由は裁判上の和解に基く労働契約の終了。区分は解雇でも無く退職勧奨でも無いので、「その他」にしておきます。特定理由受給資格者になるようにしますので、失業手当の窓口の担当者には私が説明しておきますのでご安心下さい。

急に態度変わったなぁ。

俺:時間かかると就職活動も出来ないし、失業手当の受給もどんどん遅くなるので早急にお願いします。

ハロワ:もちろんです。

俺:ありがとうございます。


自分がモンスタークレーマーのようで嫌になるが、看過できなくてどうしてもこういうことになってしまう(´Д`)


この後、1週間ぐらいで退職理由が直った離職票が届きました。


第70話 この裁判のもたらす意味

被告からも争点整理メモが提出された。
内容はとても簡素なものだった。これで双方争点を明確にした。いよいよ、次の期日がやってくる。

被告の争点整理メモ 要旨は以下。


争点整理メモ

1 基本情報

所定労働時間 
週40時間、1日実働8時間とし休憩1時間。ただし、「事業場外みなし労働制」の適用がある。

所定休日
年間105日の休日カレンダーによる。
法定休日は水曜日であるが差し支える時は振替える。

月給の締切日支払日
20日締め当月25日支払い

基準内賃金
省略
基礎時給
省略

2 時系列
平成25年10月21日入社。営業設計部に配属。営業社員。
平成28年10月8日まで就労。
平成29年7月21日和解により雇用契約終了。

3 争点及び主張の骨子

⑴事業場外みなし労働時間制の適用
ア 就労時間は原告が自ら決定する。
イ 被告の上司がパソコンや電話で原告に対して業務上の指示をすることは無い。
ウ 原告の就労場所は原告自らが決める。

⑵タイムカードを時間管理に利用していないこと。
ア 被告はタイムカードを勤務日数ね把握にのみ利用しており、労働時間管理には利用していない。

⑶原告の実労働時間
ア 原告は所定労働時間を超えて労働したことは無い。
イ日報と時間・賃金計算書とは不一致
ウ現実に業務をしている時間が労働時間である。

以上

んなバカなって感じですね。
もう争える点はタイムカードの信ぴょう性と事業場外みなし労働制しかないと考えているようだが、これまでの準備書面や証拠をみると全くそこに関する主張が足りていないと思う。

被告弁護士もあまり労働法規を理解していないように感じる。裁判官を洗脳したいのか期日の中で何度も、「労務管理、労働時間管理は従業員に任せていましたので」と連呼するのだが、労働時間を適正に把握・管理する義務は使用者に課せられているのでそれを放棄していたと主張するのであれば単なる怠慢でしかないのだ。



タイムカードで労働時間管理をしていなかったのであれば他の方法でタイムカード並に把握する手段を持っていなければならない。
被告弁護士は自身の主張が詰んでいることになぜいつまでも気づかないのか謎だ。

事業場外みなし労働時間制については大い争いたいと思っている。
事業場外みなし労働時間制については判例がまだまだ足りていない。阪急トラベルサポート事件等で概ねの結論は出ているが、いろいろな業態業種職種に広げていかないといけないと思う。


争点を整理して見えてきた。
この裁判の持つ大きな意味は、

営業マンには残業代が付かないのは当たり前という間違った社会常識、慣習を破壊することにある。


サボれる環境に無い営業マン、頑張る営業マンにはまずは労働時間に基き適正な賃金が支給されるべきなのだ。

成果を上げることはもちろん大事だがそのあとの話だと思う。
売れるかどうかはその商材の価格、商品力、会社のマーケティング、プロモーション戦略などにも左右される面も大きいのだから。

第69話 争点整理メモ

争点整理メモが完成した。

こうやって作ってみると今までのまとめみたいで分かりやすい。

最近読書になった方はこれみれば大体この裁判の概略が見えるし、最初の方から見ていただいてる方も復習になるのではないか。





争点整理メモ



1 基本情報

⑴ 所定労働時間

始業午前9時、終業午後6時、休憩正午より60分であるため、8時間である。


⑵ 所定休日

 休日は年間105日、法定休日は水曜日とされているようである(乙1から3、被告準備書面⑶)。実態は、隔週の週休2日であり、部内で休日を調整していた。


⑶ 賃金支給期間の単位・締切日・支給日

 月単位で、20日締め、当月25日払いである。


⑷ 基準内賃金および基礎時給

訴状別紙1の通りである。



2 時系列

⑴ 平成25年10月頃、原告と被告が期間の定めのない雇用契約を締結した(被告が準備書面⑵1頁で自白)。

⑵ 平成28年6月頃、被告に労働基準監督署の調査が入ったようである。

 平成28年7月29日、原告の給与体系を不利益に変更する記載がある雇用契約書を交付し(甲3)、日付を空欄にした上での署名押印を迫ってきた。

 平成28年8月29日、原告は、被告に対し、雇用契約書(甲3)についての修正要望と質問をする書面を被告に交付した(甲4)

 平成28年8月31日、被告は、原告に対し、賃金構成の変更は、労基署の指導により、他社並みにとの指導からおこなったこと、殆どの住宅・不動産会社が営業社員へ残業代を手当しないが、今回の労基署の指導により固定残業代を設けることなどを内容とする回答書面を原告らに交付した(甲5)

 平成28年9月16日、原告は、被告の回答(甲5)根拠に乏しく、不十分であり、納得できなかったため、追加の質問を記載した書面を被告に交付した(甲6)。

 平成28年9月末頃、被告は、賃金構成については従前に戻したものの、残業代については一切請求しないという記載のある雇用契約書(原告がその場で被告に差し戻した為、原告の手元にはない。)を原告に交付した

 平成28年10月7日、原告ら被告代表者被告営業部長、被告管理部課長で協議をしたところ、被告代表者らから、定額残業制を入れた新たな雇用契約書に署名押印しないと雇用継続しないことを伺わせる発言があった(甲30の2、12頁等)。

 平成28年10月7日、原告は、被告に対し、退職年月日については「有給休暇、代休の消化後」、退職理由については「一身上の都合による。」という内容の退職願を提出した(甲11)。

 平成28年10月8日、被告は、原告に対し、同月9日限りでの解雇を通知した(甲12、被告は準備書面⑴1頁にて自白)。

⑾ 平成28年10月20日、原告は、被告に対し、残業代を請求する旨、資料の開示を求める旨等を内容とする通知書を送付したが、被告は、これを拒否し、現在に至るまで残業代を一切支払っていない(甲14の1、2)。


3 争点及び争点に関する主張の骨子

 主要事実レベルの概括的な争点の見出し


⑴ 時間外労働の時間数


⑵ ワンオペの日の休憩時間が労働時間と評価できるか


 原告のモデルハウスでの労働ついて、「事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いとき」にあたるか(労働基準法第38条の2の事業場外みなし労働時間制の適用があるか。)。


 原告の訪問営業での労働に事業場外みなし労働時間制の適用があるか。 


 ①の判断の分かれ目となる重要な間接事実及び③ ②の認定に関してポイントとなる間接事実


⑴ 時間外労働の時間数について


ア タイムカードの打刻が信用できること(補助事実)


() タイムレコーダーが社長をはじめ全従業員から見える位置に設置されていること(甲45、原告準備書面⑷9頁


()  被告においては始業時、終業時にすぐに打刻する運用があること(原告準備書面⑷9頁)


()  原告の仕事量と矛盾しないこと(原告準備書面~10頁


イ 原告の仕事量が多いこと

() 原告の仕事の内容(訴状5頁ないし7頁)。


ウ イの労働が被告の指揮命令下にあったこ


() 原告の仕事の進め方は、業務標準書によりきめられていたこと(甲8)。


() 設計業務について、後藤部長の確認、修正が必要であったこと(原告準備書面⑶3頁ないし5頁)。


() 原告が、仕事内容について、前日に予定を日報に記載し、当日に結果を日報に記載し、報告していたこ。後藤部長らが日報により原告の仕事内容を当然に把握していたこ(甲9、原告準備書面⑷13頁)。


⑵ ワンオペの日の休憩時間が労働時間と評価できること。

ア ワンオペの日の休憩時間を由に利用できなかったこと。


() 原告が、来場者や電話への対応を義務付けられており、外出等も許されていなかったこと(訴状7頁原告準備書面⑶3頁)。


() ()記載の来場者や電話は、いつ対応が必要となるか定かではなく、モデルハウス開場時間中は常時その可能性があったこと(原告準備書面⑶13頁)。


 モデルハウスでの労働に事業場外みなし労働時間制の適用がないこと


ア モデルハウスが事業場に該当すること


() モデルハウスには事務員がおり、同事務員は、モデルハウスに直行直帰していたこと(原告準備書面⑶15頁)。


() モデルハウスには、複合機もパソコンもあり、原告ら従業員には個別のデスクが割り当てられていたし、固定電話も原告ら従業員各々に割り当てられていたこと。原告ら従業員は、モデルハウスで設計もしていたし、接客もしていたこと(原告準備書面⑶15頁)。


() 被告の従業員であった際の原告の名刺にはモデルハウスが営業所と記載されていたこと(甲25、原告準備書面⑶15頁)。


イ モデルハウスにおける労働時間は算定し難いとは言えないこと


() モデルハウスには、後藤部長のような労働時間の管理をする者がいたこと(訴状13頁、原告準備書面⑶16頁、17頁)。


() 原告は、モデルハウスにおいて、被告支給のパソコンや電話で後藤部長と連絡をとったり、指示を受けたりすることが良くあったこと。原告は、業務日報により、事前にも事後にも業務内容を報告していたこと。原告は、本社を発つ際、行き先表にどこのモデルハウスに行くかを記載し、報告していたこと(訴状13頁、14頁、原告準備書面⑶16頁、17頁)。


() 業務標準書にモデルハウスでの勤務を指示する規定があること(甲8、3頁、訴状13頁、原告準備書面⑶17頁)。


 訪問営業での労働に事業場外みなし労働時間制の適用がないこと


ア 訪問営業における労働時間は算定し難いとは言えないこと


() 原告は、訪問営業の際、被告支給の携帯電話を持参しており、適宜、後藤部長に連絡をして相談をしたり、指示を受けることがあったこと(訴状15頁)


) 原告は、業務日報(甲9)により、事前にも事後にも訪問営業先や時間を報告していたこ。原告が、本社の行き先表やモデルハウスのホワイトボードに訪問営業先を記載していたこと(以上、訴状15頁、16頁)。後藤部長が具体的な訪問先の指示を出すこともあったこと(原告準備書面⑶18頁)。


() 原告は、被告から、おおよそ18時から20時頃までを目安に訪問営業をするべきであると指示されていたこと(原告準備書面⑶18頁)。


() 原告は、業務標準書(甲8、3頁)の記載の通り、被告から、毎日、出来るだけ多くの訪問をするように指示されていたこと(原告準備書面⑶18頁)。


() 訪問営業への直行や訪問営業からの直帰が禁止されていたこと(甲34、5頁、原告準備書面⑶18頁)。


() 被告は、原告の訪問営業に伴う移動時間についても把握していたこと(甲38、原告準備書面⑶18頁)。

 

これまでの経緯68 Bプラン

朝礼出席の従業員の分母が2名少なかったことにつき、被告代理人弁護士から文書で釈明が届いた。


要旨としては、

両名は8月に退職が決まっており、有給休暇消化に入っているためその後出社することは無くなっていました。朝礼への出席義務は無いため和解条項に規定される全従業員には含まれません。

というものだった。

退職予定で有給休暇中の人が従業員じゃないというのはどういう理屈なのでしょう。
もちろん和解条項にはそんな取り決めはありません。苦し紛れの言い訳です。
和解条項では、8割出席していない場合はやり直すことになっていますが、やり直しは絶対にしたくない様だ。


当然このままでは納得がいかないので、和解条項を反故されたことについて強制執行の申し立てや
債務不履行不法行為による損害賠償解雇事件に関しての弁護士費用を少額訴訟を提起し請求することは出来ないか先生に聞いてみた。


そして先生からの回答。


ご指摘の通り、8割以上の出席の下での謝罪を被告がするかわりに、バックペイについて譲ったという経緯から、譲歩した分のバックペイについてを損害と考えることもできるとは思います。

ただ、「判決になれば100%のバックペイが確実に認められる」という公的な判断までは下されていなかったことからしまして、譲歩した分のバックペイが損害と認められる可能性はそれほど高くないかもしれません。

むしろ、債務不履行を理由に訴訟上の和解を解除したと主張し、地位確認の別訴を提起し(和解した地位確認訴訟について、改めて期日指定を求めることも考えられますが、和解後の事情を理由とする解除ですので、別訴提起のほうが良いと考えられます。)、その中で、地位確認と判決まで全額のバックペイを求めていくほうが可能性はあると思います。

もっとも、念のためリスクを説明しますと、
債務不履行と認められない可能性もゼロではないこと(退職前の有給休暇中の従業員も和解条項中の従業員と認められる可能性のほうが高いと思いますが、否定されるリスクはゼロではないと考えられます)
②別訴で完全勝訴できない可能性もゼロではないことといったものはあるかと思います。




つまりは、この和解条項反故に関してケリをつけたければ、和解契約を解除して最初から裁判をやり直すしか無いということか。時間かかるしリスク高すぎるだろ、、、。
ちなみに強制執行に関しても、非金銭債務なので人の行動を強制させるということは難しいとのことでした。
朝礼周知の債務不履行に関してあらかじめ損害賠償の予定(損害賠償額)を和解条項に明記しておくべきだった。後悔先に立たずだ。

しかし、この件をこれ以上引っ張っても仕方ない。Bプランだ。ある程度目的は達成されたので、被告のこの規範意識の低さを今やっている裁判で訴えて、付加金の認定と和解強制への対抗策として使っていこうじゃないか。和解条項を反故したことは裁判の終盤、終結後、必ず後悔させる。



こんなやり取りをしている間に次の裁判期日が迫ってきた。次の期日ではこれまでの争点を整理をする。宿題の争点整理メモを提出しなければならない。息つく間もなく争点整理に取りかかるのだった。


つづく。