残業代くださいって言ってみたら即クビにされたから裁判することにした【未払い残業代請求裁判ブログ】

未払い残業代請求と解雇無効確認の裁判中の元社畜によるリアルタイム奮闘記! 今まさにブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブルにも!

第106話 ファイナルアタック

証人尋問に引き続き、弁論準備期日(非公開)


裁判官:先ほど、本日で口頭弁論終了の旨伝えましたが、後藤部長と社長の尋問は、裁判の便宜上、とりあえず俺さんの事件での採用としております。
そのため、後藤部長と社長の尋問調書を作成したあと、他4名様の事件で後日証拠提出してもらうことになりますので、後日もう一期日弁論準備手続き期日設けます。後ほど次回期日打ち合わせさせてください。

原告代理人:そうでしたね。分かりました。

被告代理人:分かりました。

裁判官:まず原告の皆さんと話をしますので、被告は呼ばれるまで一旦退室して下さい。

ガチャ-被告側退室-

裁判官:皆さんも大体お分かりかと思いますので、言いませんが細かい部分はさておき(結果は)大体皆さんが思っているとおりだと思います。不可解に深夜残業が多い方もいらっしゃるので、そこは認定するかは分かりません。
判決となれば今回5人分ありますし、争点も多岐に渡り、労働裁判という特性上判決までにはかなり時間をいただかないといけませんし、判決をとれば判決なので皆さん思っている結果と乖離するリスクもあります。それでもやはり原告の皆さんは和解の意思はありませんか。

原告代理人:判決を希望します。

裁判官:リスクは許容する。

原告代理人:そうですね。

裁判官:例えば原告から和解内容希望できるとしてどんな内容なら和解ありえますか。

原告代理人:例えば請求額全額に遅延損害金支払ってもらって、和解日から支払い日までの利息は免除しますよとか、ある程度分割支払い応じますよとかなら余地ありますけど。

裁判官:それはちょっと無理あるかと。もうちょっと譲歩できないですかね。

原告代理人:これまで未払い残業代の支払いが一切ないことや内容からすれば判決になれば付加金が付くことも十分ある事案と考えてます。請求額満額にここまで長引いた分、遅延損害金までは譲れない部分あります。

裁判官:付加金は裁判所が認めてはじめて発生するものなので、請求内容は未払い分ですよね。請求額は例えば仮に満額まではいかなくても、ある程度請求額に近いものがでてきて和解できないというのは道義的にいかがでしょうか。
その辺りまできたら他の労働の事例と比べると十分すぎるように思うと言ったらあれですけど、そこまで判決に拘る必要あるんですかね。

原告代理人:ここまで主張証拠出してきまして、原告側としては、請求には十分理由があると思ってますし、まだ被告会社には働いている方も見えますし、同様な働き方をしている方世間にも沢山みえると思いますので判決には社会的な意義があると思ってます。

裁判官:原告の皆さんにとっては判決が大事だということですかね。支払われる金額がいくらかももちろん大事でしょうけど、重きは判決そのものにおいていると。じゃあ被告側が認諾してきたらどうしますか。

原告代理人:認諾、、、ですか。

裁判官:まあ例えば、例えばの話ですよ。原告の皆さんピンときてないかもしれないですけど、請求の認諾と言って、被告が原告の請求が正しいことを認めて裁判を終わらせるということですが、認諾調書作成して終わりになりますから判決にはならないんですが。どのみち判決にならないなら皆さんの目的に至らないわけで、少し譲歩しての和解なら被告もすぐに払うでしょうから早く回収して終わらせるっていうのも一つじゃないですか。

原告代理人:認諾の場合は仕方ないでしょうね。

裁判官:執行の問題はないんでしょうか。確実に回収できる見込みあるんですか。破産の可能性もあるわけで。

原告代理人:不動産もいくつか持っているようですし、最終的には社長の個人資産もあろうかと思いますので回収は可能と思っています。

裁判官:そうなった場合は実際回収にはすごく時間がかかると思いますが。とりあえず分かりました。被告呼んで話しますので原告は一旦退室してください。


ちょっと時間が経ってしまっているので記憶違いがあるかもしれませんが内容的には大体こんな感じです。
とりあえず弁論の終了は無かったことになった。そしてファイナルアタックなので裁判官からかなり露骨に和解迫られましたね(^_^;)
道義的にどうなんでしょうって、払うもの払わない会社に言うべきでしょ!請求の認諾なんて持ち出してこられるとは。その知恵まさか被告に与えるつもり?認諾なんてされたらブログ締まらないじゃん、なんの法的判断も下されずこの裁判の社会的意義が損なわれてしまう。

第105話 証人尋問終了!

また間隔が空いてしまい更新待っていた方すいません。令和最初の更新になります。
GWはしっかり休めましたか?

では、続き書いていきますね。


裁判官:被告代理人から他にありますか。

被告代理人:社長がスポットだよとおっしゃった携帯メールのやりとり、社長がたまたま頼みたいことがあり、頼んだことでたまたまこういったことがあったということで、日常業務ではないという意味でよろしいですよね。

社長:はい。

被告代理人:社長はそもそも会社動いてる時に夕方の時刻っていつもみえるんですか。

社長:私はこの5、6年は大体7時ごろには退社するようにしてます。

被告代理人:そうすると、その時間は原告の皆さん営業だから、会社に戻っている人もいるしまだ戻ってない人もいる。

社長:いろいろですね。社内全体見渡しても、僕は誰が何をしているか全然分からない。自分もいろいろやってますので、余り関知しないで帰ってましたね。

被告代理人:終わります。

裁判官:裁判所からいくつか質問します。車両手当なるものが支給されている方がいるみたいですけどこれはどういうものですか。

社長:自分の車を持ち込んだ人には2万円会社で手当出しているんです。これ車両手当です。

裁判官:手当が出ない方は会社の車を使っているということですか。

社長:そうです。あとは著しく外に出ない方もいます。

裁判官:朝礼での社内ルールの1ページの読み上げ、これは間違いないですか。

社長:読み上げたり、読み上げない日もあったんじゃないですかね。毎回かどうか僕も確認してない。いつからか読み上げるようになったり、やめたりとかいろいろしてます。何が何でもとかあまり考えていない。

裁判官:刑事事件になったり、今回の裁判だったり、そういったところ踏まえてなにか変えたところはありますか。

社長:もちろん36協定結んで、監督署の担当官に書面で労働契約結ばなきゃだめですよ言われて、それらが刑事事件の決め手ですからきちっとして法に従うようにしてます。

裁判官:今は残業代の支給しているんですか。

社長:残業しないように工夫してます。事務員さんはみんな定時で帰るっていうね。月曜日は8時半に朝礼やるけど、その分終業時間くりあげて早く帰るとか決めてやってます。

裁判官:ただ営業の方とかはやっぱりお客の都合あって夕方訪問したりで遅くなるんじゃないですか。

社長:それは時間が何十時間とか決まっていて、その分給料に入ってますよと。

裁判官:つまり固定残業代みたいな形でやっていると。基本給に含むのか手当なのか分かりませんが。

社長:そうです。社会保険労務士さんいれて、整備してもらいましたので、まあいいかなと思っているんですけどね。他社さんと大体同じような感じになったと思いますけどね。今どこもかなり一生懸命に整備してますからね。大体横並びにしないと社員も入ってきませんしね。

裁判官:本件では労働時間争われていて、それから展示場と訪問は事業場外みなしだと

社長:この件は、とにかく皆さん入社した際に、時間は自由にするんだよ、自分でコントロールしろよって。夜になってもそれはもう自分の時間でコントロールしなさいよという話していて、要するに成果が上がれば金払うからって、そういう大きな2大方針でやってきたので。

裁判官:ただ今はいろいろ改められたということなんだけども、本件に関しては残業代支払うっていうお考えはないのかなということなんですが。

社長:感覚的に無いんですけど、法で裁かれてこれだけ払わないかんよと言われたら払う必要あると思うんですよね。

裁判官:え、、はらう(;゜0゜)(口パク)

社長:当然法律に従う、なにがなんでもじゃなくてね。

裁判官:では本件の結果については真摯に受け止めて。

社長:もちろんそうです。

裁判官:では払わなくちゃいけないという結果であればそれに従うっていう考えってことですか。

社長:もちろんそうです。

裁判官:はい、わかりました。結構です。
双方、他にはよろしいですか。主張証拠も出尽くしかと思いますので本日で結審の方向でよろしいですかね。

原告代理人:構いません。

裁判官:被告もよろしいですか。

被告代理人:そうですね。

裁判官:では、このあと20分後に弁論準備室で最後の弁論準備手続期日開きますのでお集まりください。

以上、尋問期日終わり。

民事裁判には珍しいことに4人か、5人ぐらい一般の傍聴人がいたのですが、そのうち1人が帰り際に「ひっでえ会社だなぁ」と言いながら帰って行った。客観的にみてやはりそういう印象なんだなと安心した。

裁判官の社長に対する最後の質問は、あなた判決になれば負けますよって言っているように思えた。

このあとの弁論準備期日というのは、これまでの裁判を踏まえた最後の和解干渉である。裁判官にとってはなんとかあのながったらしく七面倒な判決を書かなくて済むように双方を歩み寄らせ折り合いつけて解決するためのラストアタックである。

次回はその状況書いていきたいと思います。








第104話 社長の反対尋問

社長への反対尋問書いていきます。


原告代理人:まず刑事記録についてお聞きします。刑事記録については真実を述べたということでよろしいですか。

社長:述べたというより、担当官が書いたのを認めたってことです。

原告代理人:甲58号証ないし甲60号証示します。労働基準監督署地方検察庁での供述調書ですが社長の署名押印がありますね。

社長:はい、しました。

原告代理人:そうすると、ここに書いてあることは間違いないですということで署名押印したということですね。

社長:はい。

原告代理人:今回被告は、不動産営業マンなので時間と関係なく働くべきで、なので残業代は支払ってないということでいいですね。

社長:ちょっと違うかなぁって感じですけどね。時間に関係なくお客様に呼ばれて行ったりするので時間はコントロールするということだね。

原告代理人:残業代を支払わないのは何故なんですか。

社長:時間は自分が自由に決めて、夜訪問する時はその前に休んだりとか自分でコントロールすることが前提ですので、そういうことです。

原告代理人:残業代は払いません、出ませんという規則はあるんですか。

社長:ありません。

原告代理人就業規則にそのような規定は無いんですね。

社長:ないですね。

原告代理人:会社ルールや業務標準書にもそのような規定はないですよね。

社長:ないと思いますね。

原告代理人雇用契約書にも書いていないですよね。

社長:雇用契約書は当時結んでおりませんので、ありませんので。

原告代理人:残業代、労働者には非常に重要なことですけどね。会社にとっても重要なことですよね。なぜ規定しなかったんですか。

社長:時間は自分で自由に決められて、時間のコントロールするんですよってことで、残業という概念が私の中にありませんでしたので。

原告代理人:日報についてお聞きします。社長は原告らの日報については後藤部長からメールで送られてきてましたよね。

社長:そうね。

原告代理人:社長もその中身確認してましたね。

社長:毎日ではありませんけど、まあ確認することありましたね。

原告代理人:社長としては原告らが当日なにをしたのか、そして翌日なにをする予定かということは知っていたということでよろしいですね。

社長:知っていたというと、毎日ってことになりますので、毎日は知らなかったですね、はっきり言いまして。

原告代理人:それはなぜですか。

社長:私が関心あるのは契約いつ出来るんだってことですから、毎日の業務についてはあんまり感知しなかったですね。

原告代理人:社長は日報にコメントを入れてますよね。

社長:時々。

原告代理人:甲9号証示します。俺さんの日報ですが、基本的にほぼ全ての日に社長のコメント入ってるんですけど。

社長:コメントって御苦労様ですとかでしょう。それは部長が代わりに書いてます。

原告代理人:でも社長も確認してましたよね。

社長:見る日もあれば見ない日もあります。私も他の仕事ありますので。

原告代理人:社長がコメントしてる日も当然ありますよね。

社長:そうです。

原告代理人:陳述書にもその当日とか翌日あるいは週末とかにまとめて確認してましたよというような記載があったかと思いますがそういうことですか。

社長:程度としては、私は契約が近いお客様がいれば励ましたりとか失敗しないようにとか考えていましたので、それは注意して見てましたけど、毎日のことはあんまり関心無かったです。

原告代理人:日報以外にも原告らが提出する月度重点報告書や週間予定表を確認してましたね。

社長:そうですね、それは本人達からの報告ですから確認してました。

原告代理人:そうするとそれらから原告の業務内容について把握してましたね。

社長:全体的にはしてませんけど、本人達が一生懸命やってることは実行されているかな程度の確認はしました。

原告代理人:会社ルールについてお聞きします。
先ほどマナーとか環境整備とか、接遇とかそういったものを規定するものであるとおっしゃっていましたけど、間違いないですか。

社長:はい。

原告代理人:甲34号証会社ルール示します。冒頭に「社員のルールであり、就業規則に規定されていない細目について定めているものである」とありますね。

社長:ええ。

原告代理人:この記載見ると就業規則に準ずるもの、その補足、重要なものだと思うんですが、そういう理解ではないんですか。

社長:いや、そんな位置付けはしてません。社員が自主的に作ったルールで、社員同士がきちんとした仕事できるようにというルールかなと理解してます。

原告代理人:最終的には社長もこのルール承認してるんですよね。

社長:承認というか、皆さんが作って、見て、いいねって話はしました。幹部が作ったものでもなんでもないですけど。

原告代理人:これは別に守らなくてもいいよ、参考にすぎないよって話を皆さんにしたことはあるんですか。

社長:そんなことしたこともないです。みんなで作ったものですから、尊重しなくてはならないと思ってます。

原告代理人:業務標準書についてお聞きします。
業務標準書についても、社長の考えとしては参考にすぎない、一つのモデルということでよろしいんでしょうか。

社長:モデルにすぎないというか、業務標準ですから大体こんな感じで仕事してもらいたいなっていう感じですね。そう重いものでも軽いものでもないです。

原告代理人:こう業務してもらいたいなってことは、要はそれは即ち会社のルールってことじゃないんですか。

社長:お客様によって営業の仕方、順番変わりますので適合できる事が少ないんじゃないですかね。標準はこうだからそれを基に判断してはどうかという指針です。目安ですね、目安。

原告代理人:基本的には従わないと駄目ですよね。

社長:目安ですから。基本原則ですから。時と場合によっては変化球も投げていかないと、お客様相手ですから。

原告代理人就業規則に準ずる会社ルールの中でも手順書、マニュアルに則りなさいねというふうに記載されてますよね。

社長:就業規則と業務標準は全然レベル違いますけどね。

原告代理人:直行直帰についてお聞きします。社長は原告らが自宅から展示場に直行するのは許していたんですか。

社長:自宅から直行することは無かったと思いますね。よっぽどの理由がない限りは。

原告代理人:そうすると原則は本社に出社しなさいと指示していたということですか。

社長:土日は直接展示場行ったりしてますね。

原告代理人:平日は原則本社に出社しなさいと指示していたということですか。

社長:そうですね。火曜水曜は休みの人も多いんで、月木金は大体そんな感じですね。

原告代理人:展示場における部長や次長の役割を教えてください。

社長:後輩の指導ですとか、同行してくれという要望に応えるとか。

原告代理人:各社員の相談に乗ったり、指示を出したりとかそういうことですか。

社長:基本的にはそういうことですね。

原告代理人:訪問営業についてですけども、原告らの訪問営業に行く訪問先についても日報で把握してましたね。

社長:把握というよりは、契約が前提になってくると注視してました。

原告代理人:翌日の訪問予定についても把握してましたよね。

社長:いや、してません。

原告代理人:してないんですか。

社長:はい、それは部長の仕事ですから。

原告代理人:営業社員に携帯やノートパソコンを貸与してましたね。

社長:はい。

原告代理人:そうすると、営業社員が本社にいなくても、展示場にいるときでも、訪問に出ている時にも社長も連絡がとれたわけですね。

社長:もちろん、もちろん。

原告代理人:実際に原告らに社長が連絡をとったことは。

社長:年に数回ぐらいじゃないでしょうか。

原告代理人:どのような連絡を。

社長:僕はスポット的なお手伝い仕事を1時間2時間程度の仕事をあれやってこれやって出来たら報告しろみたいな感じで連絡することあったりしますけど、通常の営業活動ではそんなことはいちいちしませんし、出来ようもないです。

原告代理人:甲50号証1ないし4示します。俺さんと社長の携帯メールのやりとりです。

社長:ええ、これはスポット仕事でしたね。

原告代理人:ということで間違いないですか。

社長:ええ。

原告代理人:このようにショートメールのやり取りはしてたんですか。

社長:これはスポットでやっただけで、年にそう何回もあったことではないです。

原告代理人:従業員みんな持ってるわけなので連絡すること自体は可能なわけですよね。

社長:そうです。連絡は可能です。

原告代理人:原告らが本社に帰社したあと、その後に働いてるわけじゃないですか、社長の席から営業社員の島は見えますか。

社長:見えます。全部見えますよ。一部屋ですから見る見ないじゃなくて。

原告代理人:そうすると社長としては、営業社員が日報を送った後も働いてる姿は当然見てるわけですよね。

社長:働く姿ですか、、、。

原告代理人:はい。

社長:それは確認してません。日報を送ったどうかも見えませんし。

原告代理人:社長としては社員の席から営業社員の島が見えるということなので、原告らが働いてる姿が見えるじゃないですか。

社長:働いてるかどうかは分かりませんけど、机に座っている姿は見えます。

原告代理人:もし働いていないなら早く帰れと注意しませんか。

社長:余分なことはいいません。自コントロールは自分でしますから、余計なこと言ったら怒られちゃう。

原告代理人:朝礼についてお聞きします。社長としては朝礼はどのような位置付けなんですか。

社長:これはコンサルタントから言われたんですが、意思統一とか、声出して朝の元気を上げるとか、モチベーションとかそういった意味があると思います。

原告代理人:業務という認識でいいですね。

社長:業務という認識は無かったんですけどね。

原告代理人:では仕事の一環であるという認識でいいですか。

社長:モチベーション、モチベートというイメージ。

原告代理人:最後に業務標準書について補足ですけど、これは参考にすぎないってことは皆さんに言っていましたか。

社長:参考にすぎないって話はいっぺんもしたことないです。目安として利用してくださいとは言ったと思います。

原告代理人:終わります。


被告代理人弁護士が、ああ、余計なこと言わないでくれとil||li(つ∀-;)il||li ずっとこんな顔していたのが印象的でした。

これまで認めてこなかったこと、例えば部長が展示場で指揮監督していたことや、貸与した携帯を指示や連絡、報告に使用していたことなど、認めてくれちゃったので良かったです。
文字大きくしたところはちょっとやりとりが面白かった。
次回は、被告の補足尋問と裁判官質問書いて尋問編終了としたいと思います。

第103話 社長の主尋問

社長の証人尋問です。主尋問一気に書きたいと思います。
宣誓の描写は割愛しますね。では。


被告代理人:原告の皆さんがこの会社に入るとき面接をされておりますね。

社長:はい。

被告代理人:これは社長がされてるんですか。

社長:はい。

被告代理人:従業員を雇うとき、営業社員はどういう仕事をするという説明をされてますか。

社長:普通の住宅会社の営業ですから、とにかくお客をつかまえて受注するということだね。

被告代理人:仕事の仕方なんですけど、普通の事務系の会社であれば、朝何時に始まって何時に終わるということになるんでしょうけど、そのあたりについてはどのような説明をされてますか。

社長:基本的にはお客様との約束が先行しますので、例えばお客様と9時に約束があればそっちに行くようにとかそんな感じですね。

被告代理人:お客様とのやりくりを自分でやって契約取ってきてよと、こういうことですか。

社長:ええ、基本そうですね。

被告代理人:会社として何時から何時まで働けとは言っていないということですね。

社長:まあ、ざっくりは朝来て夜帰るんですけど営業ですから、基本的にはお客様との約束を先行させるという。

被告代理人:契約を取ってくると当然会社に利益が出て成果が上がってくるんですが、それに対する報酬制みたいなものはありますか。

社長:あります。

被告代理人:どんな形ですか。

社長:基本的には半期に2棟、金額で言えば6000万7000万取ってきたらになるんですが、そういう表がございます。

被告代理人:その金額を超えれば成果的な報酬が出てくるとそういうことですか。

社長:そうです。

被告代理人:今回裁判になっている原告の皆さんはそういうことあったんですか。

社長:おそらく資格がないというのか、そんな感じですね。

被告代理人:成果報酬が出る基準に達していないと。

社長:ええ、残念ながら。

被告代理人:裁判をやってる途中で、監督署の関係で社長も呼ばれてそこでお話されてますよね。

社長:はい。

被告代理人:その書面の中身は読まれましたか。

社長:ええ、ほとんど読みました。

被告代理人:これを読ませていただくと、労働時間の終わりの時刻なんですけど、日報をメールで送った時点が一つの目安になっているようなお話ぶりがその中に出ているんですけど、これは現時点でもそういう認識ですか。

社長:いや、監督署の方が、大体日報を基本にしてやりましたっていうような感じで、そこで私が異論を申して戦うとかそういうことはしませんでした。

被告代理人:それはどうしてですか。

社長:監督署の方でも、基本的には書式でもって雇用契約とか結ばなきゃダメよと、それ負けよみたいなこと言われたんで、ここで戦ってもしょうがないということで早くけじめをつけようってことで。

被告代理人:刑事事件としては結局罰金を払って終わったということですか。

社長:ええ、そういう感じですね。

被告代理人:この会社では社長面談なんかを年2回ぐらいやってみえるんですか。

社長:はい、年2回ですね。

被告代理人:本件の原告もされていると思うんですが、そういう時に残業のことについて何か言われたことはありますか。

社長:一度もないです。

被告代理人:会社ではタイムカードがあって、そこに時刻が打ちこまれているんですけども、タイムカードの時刻というのは、会社としては、何か意味があるものとして扱っていたんですか。

社長:時刻とかは関知しないですね。日数を経理の方がカウントするような意味ですね。

被告代理人:そうすると、出勤日にきちんと出ていたかどうかそれを確認すると。

社長:そういう感じだと思います。

被告代理人:会社で後藤部長によって義務標準書が作られていましたけど、これはどういう趣旨の文書なんですか。業務上の細かいことも書いてありますけこれはどういう位置付けなんでしょうか。

社長:これは、業務の標準はこんな感じっていうのですね。

被告代理人:これを参考にしてやってくださいと。

社長:はい、そういうこと。

被告代理人:そこに書いてあること違っているかどうか逐一会社の方でチェックして、違っていれば是正するとかそういうことはやっていたんですか。

社長:有り得ません。

被告代理人:それはやっていないわけですね。

社長:はい。

被告代理人:もう一つ会社ルールという文書があります。これは誰が作ったんですか。

社長:これは従業員の有志だと思います。私も関知していないので。

被告代理人:これはどういう趣旨で作ったんですか。

社長:従業員同士のブランドを上げるだとか。環境整備ってことで、個人間の関係を良くしようとかそういう趣旨だと思いますね。

被告代理人:中を読むと、マナーだとか接遇態度だとか取り組む姿勢とかそんなことが書いてある気がします。

社長:ええ、いいと思います。

被告代理人:そうすると会社としてはルールを絶対守れよ、違反したら注意するぞ、懲戒するぞとか、そういう使い方してたんですか。

社長:じゃないですね。従業員同士が変なことしないようにってな意味ですよね、全体的に言うと。

被告代理人:営業社員それぞれ日報を毎日作ってそれをメールして報告をさせておられますけど、日報について社長がコメントする欄もありますよね。

社長:ええ。

被告代理人:あれはどういう趣旨で書いているんでしょうか。

社長:私は、時々、励ます意味が大きいですね。育成というんですかね。そういう感じです。

被告代理人:場合によっては、まずいぞ、ちょっとここは気をつけたらというようなこともあるんですか。

社長:あります、あります。ずっとみてて本人にとっても、会社にとってもマイナスになるような時は、やっぱりきちっとアドバイス、きつくやりますね。

被告代理人:次長が辞めてから展示場に社長が割とよく顔を出すようになられたという証言がありましたが、そういうことはあったんですか。

社長:その展示場はその当時オープンしたてなんです。で、人が足りなくて、それもあったし、まだ自分の中では未完成なので、あそこに絵を掛けたりとかそういう趣旨もあって行きました。

被告代理人:特に社長が行って、営業社員が何をやっているのか見ながら、逐一いろいろ指示をしたり、そういうために行っているんですか。

社長:いいえ、それはないです。僕はデザインが好きですから。
見てるとちょっと注文つけたくはなりますが。

被告代理人:これからは個別のことを聞きます。まず俺さんについては前職は法律事務関係の会社だったと。

社長:ええ。

被告代理人:入ってこられた時に営業職ということで仕事のやり方だったり残業代のことを聞かれたりとかそういった記憶はありますか。

社長:特別はないんですけど、印象としては真摯な態度で取り組むような顔してたんで、なんとか育成しようかなと。プランニング力は無くてもまあなんとかなるかなぁってそういう感覚ありましたね。だから営業については、とにかく自分で時間を決めてお客さんに選ばれて成果上げて飯食ってくんだという話はした。

被告代理人:俺さんについては役付き手当が5000円支給されている。これは賃金規程上の手当なんですか。

社長:これは励ます意味もあって、ちょっと気持ちでやって。役付き手当ですけど、役付いたからってどんな役目が増えるわけでも何でもないです。まあ気分的な。

被告代理人:誰が決めるんですか。

社長:私がほとんど。

被告代理人:社長が決めて付けたと。そういうものですか。

社長:態度見ててこれは伸ばしてやりたいなということでやりますね。

被告代理人:磯野さんについて伺います。磯野さんの陳述書見ると、営業社員の仕事は雑多な仕事がたくさんあって大変だみたいなことが書かれているんですが、そういう表現に対してはどうですか。

社長:建築の営業の仕事って、例えばカーテンを選ぶとか、クーラーを選ぶとか、照明器具選ぶとか、地鎮祭の手配で神主さんに電話するとか、たくさんあるんですが、それは一過性のものであって毎日あるわけではない。膨大な仕事の数はあるけども、一日の仕事の点数っそう多くはない。そういう感覚です。

被告代理人:終わります。




少なからず被告代理人弁護士と打ち合わせはしてきたはずだが、多分途中から自由に話し始めたw
続けてもあまり有利になることはないと悟ったのか被告代理人弁護士も急いで切り上げたように思えた。

正直何がしたいのか分からない尋問だった。
残業代のことを聞かれたかどうかって全然関係ないと思うんだが。聞かなかったってことは残業代が無いことに納得して働いてたんでしょ、今さら言うのおかしいよね?ってこと?
言ってくれたら払ってたのに!水臭いじゃないかぁ~!と言いたいのか。それなら分かるぞ。
しかし、本当かいな、言ったところで払わなかったと思うぞ?うっとおしい奴やなこいつ、危険因子だ、さっさと辞めるように仕向けたろってなってたんじゃないか。
成果報酬も関係ないよね。残業代の後払いとでも言いたいのか。残業代をゲットするチャンスは与えたけど出来高払いです!残念!ってなんじゃそりゃ。


次回、社長の反対尋問です。
面白くなると思うのでお楽しみに!


第102話 松田さんの反対尋問

松田さんの尋問の続きです。
反対尋問から


被告代理人:残業代のことで会社に聞いたことがあるというお話があったんですけど、採用面接の時に残業代について社長に聞いたことはないんですか。

松田:当然、残業代については職務に対する対価だと思いますのであえて聞く必要はないと思っていました。

被告代理人:営業の仕事については、自分でお客さんを追求して契約に結びつけるということで、その仕事内容については自分でやってよという話は社長からあったんですよね。

松田:営業なのでお客さんを取ってというのは聞いてますけども、建築に関してもプランを書いたりCADを描かないといけないということでして、そこに関しては上長がしっかり説明してレクチャーしてくれるので心配ないという説明はありました。自分で全てを組み立てるという話はありませんでした。

被告代理人:展示場だと後藤部長が週のうち何日か来ていたということですけども、後藤さんが手取り足取り、このお客はああしろこうしろという指導や指示があるということはないですよね。

松田:新規のお客様については、接客が終わってお客様帰られたらすぐ後藤部長に報告しまして、次どのタイミングで、どういった対応しろという指示を受けてました。契約に結びつきそうな確度の高いお客様に関しては都度報告をして相談をしてアクションを取るってことをしてました。

被告代理人:それはあなたが入って短いもんだから、ある意味新人教育的な部分があると理解しますがそうではないですか。

松田:はい、そうです。


被告代理人:甲10号証業務日報示します。平成28年3月◯日を示します。これをサンプルとしてあなたの日報の書きぶりを確認したいんですが。18時30分から19時まで訪問営業。でも不在でしたとあって20時に退社予定とあるので退社予定を書いた時点で日報をメールで送ってくるということになりますよね。

松田:そうですね。僕は本社に戻ったあとの業務というのは日報にはあまり書かないようにと口頭で言われていましたので。実際、日報作成後、僕はプランの作成だったり建築知識を先輩や上司に聞いていたということだと思いますが、この日がどうだったのかははっきり記憶しておりません。

被告代理人:次の日の日報も20時に日報作成退社予定とあるので、日報作成したら終わるという認識でよいですね。

松田:質問がよく分からないんですけど、日報作成後に何もせずに退社しているという意味でしょうか。

被告代理人:私の質問は基本的にはそうですね。日報作成した時点でもう作業が終わっているということで書かれているんではないですかっていう。

松田:そういう認識はありません。

被告代理人:退社予定の時間と実際にタイムカード押した時間は違っていると。

松田:違うと思います。

被告代理人:終わります。



裁判官:原告代理人、補足尋問ありますか。


原告代理人:はい。重複するんですけども、日報の退社予定についてはあくまで予定ということですよね。

松田:そうです、あくまで予定として書いております。

原告代理人:実際にはもろもろ業務があってそれが延びる時も十分あると。

松田:はい、そうです。

原告代理人:以上です。


裁判官:では裁判所からいくつかお聞きしますき後藤部長が展示場に訪れる頻度、俺さんや磯野さんの話だと土日祝は後藤部長は来ていたという話だったんですが間違いないですか。

松田:はい。土日祝日も来ていましたし、僕の印象ですけどもいない時よりもいることの方が1週間のうちでは多かったと思います。

裁判官:平日もということ。

松田:平日もです。

裁判官:土日祝日は基本的に本社には行かず展示場に直行なんですかね。

松田:はい、直行になっています。

裁判官:皆さん。

松田:はい。

裁判官:それで朝礼が8時45分からあって、9時からスキルアップのミーティングなんかをやっていたということですかね。

松田:はい、そうです。

裁判官:土日祝の終わりはどういうふうなんですか。

松田:来場が多いので18時いっぱいまで展示場に待機して、それから訪問営業に行くように指示されていました。

裁判官:訪問に行ったあと、直帰じゃなくて本社に1回戻るということなんですか。

松田:はい、そうです。直帰ではなく、会社に戻ってから帰るという感じです。

裁判官:土日祝は直行ではあるけど、直帰ではないということですね。

松田:はい、そうです。

裁判官:分かりました。



以上、松田さんの尋問終わりです。

質問から察すると、裁判官は、展示場が事業場外か否か、展示場での業務が管理監督下におかれ、労働時間管理が可能だったかを争点としているようですね。

このあと残りの2人の尋問がありますが、内容重複するので割愛します。

いよいよ、次回から大トリ、社長の尋問書いていきたいと思います。



第101話 松田さんの主尋問

お久しぶりです。
すっかり月1ブログ化しております。
読者の皆様、すいませんm(_ _)m



磯野に続いて松田さんの尋問。

原告代理人:甲35号証示します。この陳述書は松田さんの体験した事実や考え、主張をまとめ松田さんが署名押印したもので間違いないですね。

松田:はい、間違いないです。

原告代理人:訂正するところはありますか。

松田:ありません。

原告代理人:入社面接には誰がいましたか。

松田:社長がいました。

原告代理人:残業代が支払われないという話はありましたか。

松田:残業代についての話はありませんでした。

原告代理人:残業自体はあるという話はありましたか。

松田:はい、営業ですのでお客様に合わせて夜遅くなることはあると聞いてました。

原告代理人:被告社長の陳述書には採用面接時に松田さんが時間に関係なく活動すると発言したかのような記載がありますが。

松田:営業職ですのでやったらやっただけ金になるという話は受けましたが、時間に関係なくという話はありません。

原告代理人:ちなみに被告会社は固定給ですよね。

松田:はい。

原告代理人:被告は松田さんの仕事は成果により評価されるような主張をしてますが、成果報酬が支払われたことはあるんですか。

松田:そのような認識はありません。

原告代理人:松田さん賞与はどれくらい出ていたんですか。

松田:僕の場合は1回だけだったんですけど、1万円でした。

裁判官:Σ(゚д゚;)  いち、まんえん...!?(口パク)

原告代理人:松田さん、雇用されてた期間が短いので、賞与は1回しか出なくて、それで1万円だったということですかね。

松田:はい、その通りです。

原告代理人:労働内容ですけども、松田さん自身が陳述書に書かれている内容や俺さんや磯野さんの陳述書と同じですか。

松田:はい、同じだと思います。

原告代理人:後藤部長に管理されていたということでよろしいですか。

松田:はい、そのとおりです。

原告代理人:松田さんは夜御飯はどうしていましたか。

松田:仕事が終わり、帰宅してからとっていました。

原告代理人:ワンオペについて聞きます。松田さんはワンオペの日、例えば鍵を閉めて昼食をとりに出掛けたりとか、私用で出たりとかそういうことはありますか。

松田:1人しかおりませんので、展示場を閉めてどこかに出掛けることはありませんでした。昼食については、展示場内で食べられるように、買ってくるか弁当を持ってくるようにという話を受けていました。

原告代理人:仮に昼食をとっている時も、誰か来たら対応しないと駄目ということですね。

松田:はい、そのとおりです。

原告代理人:訪問については、18時から20時に行っていたということでよろしいですか。

松田:はい、訪問はその時間帯に行くよう指示されていました。

原告代理人:これまでの尋問で、裁判官の方から労働密度、つまりはある程度サボることも出来たんじゃないかという問いがありましたが、訪問の労働密度、どれくらい忙しかったか表現できますか。

松田:展示場で勤務をしまして、それから訪問先に向かいます。ただそれも2時間しかありませんので渋滞に巻き込まれたら予定通りにいきません。予定が狂えばその後の自分の仕事が押してしまうということで、そこは時間に追われながらやっていたという印象があります。

原告代理人:例えば途中、休憩したり、のんびり車の中でちょっと休んだり、そういうことは特にしていないということですか。

松田:訪問が終わっても直帰できるわけじゃありませんので、早く終わらせて、早く本社に戻り業務を終わらせて帰るという認識で働いていました。

原告代理人:日報による退社予定時間、松田さんはどのようにして書いていたんですか。

松田:退社予定については俺さんや磯野さんも言われたとおり、頑張ればこの時間で終わるかなという時間で書いていました。建築のプランに関してはアイデア勝負なところもありますので、出てこなければその分時間がかかるということもよくありました。

原告代理人:そうすると日報の退社予定より実際は遅くなることはよくあるわけですね。

松田:はい。よくあったと思います。

原告代理人:ちなみに松田さん、仕事が終わったらすぐタイムカードをおしていましたか。

松田:はい、僕はすぐ帰りたかったので、すぐ押しまして、社内で残っていることはなかったです。

原告代理人:本社に帰社後、日報作成後に働いている時に後藤部長は営業設計部の同じ島にいましたか。

松田:基本的にはいました。

原告代理人:そうすると仕事内容も見ていましたか。

松田:見られてました。

原告代理人:退職の経緯ですけど、なぜ被告会社を退職されたんですか。

(俺と磯野は解雇されたが、松田さんは解雇されていない)

松田:僕も長く勤めるつもりで入ったんですけど、俺さんの話にもあったように労働基準監督署が入りまして、残業代の支払いがないということに疑問を感じ、その後会社から固定残業代制度が入った不当な雇用契約書を提示され、しっかりとした説明も受けられなかったので、長く勤めることはできないと感じて退職する決意をしました。

原告代理人:在籍中に、残業代が欲しいとか、残業代がなぜ支払われないんだと、そういった話をなぜもっと早い段階からしなかったんですか。

松田:入社して最初の給与をもらって、次の日に社長の息子さんである室長に残業代は支払われないんですかということを聞きましたら、支払われないことになっているという説明をされ、そういうものかなという風に感じていました。なので労基署が入るまではそういう認識でした。


原告代理人:被告会社に対する今の想いは何かありますか。

松田:僕らは勤務を真剣にやっていて、それで残業をせざるを得ない状況になっていたんですね。
今も他の皆が同じように労働しているなら早く是正していただいて、残業代についても法律どおり支払っていただきたいと思っています。


主尋問終わり。


松田さん、落ち着いてるし、これまでの尋問の経過もふまえた上で一つ一つ的確な答え。

さすがだ。



反対尋問と裁判官質問は次回にしたいと思います。

なるべく早く書くようにします(^^;

第100話 磯野の尋問


本ブログをご愛読の皆様、はじめまして磯野(仮名)です。以下の内容は限りなく事実を基にしたフィクションであり、実在する個人や団体に一切関係はありません。

では、早速本題に移ります。

 

証人尋問の日の朝はとても眠かった。というのも、僕は前日の夜遅くまで、発売されたばかりのゲームをやり込んでいたからだ。弁護士の先生に頂いた要約書をさらっと読み返し、尋問のイメージを数回繰り返した後はひたすらゲームに打ち込んでいた。なぜ新作というものはこうも胸が躍るのであろう…オープンワールドまだ見ぬ世界が無限に広が…このお話は長くなるので、裁判所に着いた所から書きます。

 

 裁判所内の待ち合わせ場所に向かうと、本ブログ管理人さん(以下俺さん)が悩ましげな顔で書類を開いている。


僕「おはようございまーす」


俺さん「おはようございます」


僕「なになに、もしかして緊張してる?」


俺さん「受答えは大体頭に入れたつもりだけど、やっぱりなんか不安だなー」


僕「大丈夫大丈夫、僕らは事実だけを話せばいい訳だし、何もやましいことはないんだから」


俺さん「まぁそうなんだけどね」


他愛のない会話をして、他のメンバーと先生に合流する。

ここが尋問をする法廷かー、意外に小さいんだな)

なぜか原告側の傍聴席に被告数人が座っている。頭の中に?が浮かぶが、気にせず被告側の傍聴席に着座した。


被告社長「やっぱり磯野君は元気だなー!ほっほっ!」


誰に話しかけているのかよくわからない。誰も反応せず、法廷内に虚しく響いた。


尋問の流れの説明を書記官から受ける。

 

そして午後、僕の番が来た。

最初は俺さんと似たようなことを質問され、着々と答えていく。お昼に食べたから〇げくんのほのかな香りがする。そう言えば昼食後、歯を磨いていない。


宣誓をし、原告代理人の主尋問からスタート。全部書くと長くなるので、かいつまんで書きます。


原告代理人「被告社長の陳述書には磯野さんは前職同じような建築の業界にいて、営業マン達が時間関係なく夜遅くまで働いていて、契約がとれたら歩合が支給されるところ、磯野さん自身も建築営業はそのようなものと分かっていたはずだという風に記載されています。これについて磯野さん、面接時に歩合制だという説明は受けましたか」


僕「いいえ」


原告代理人「被告会社は固定給ですよね」


僕「はい」


原告代理人「後藤部長から、日報書いたんだから早く帰れってことを言われたことはあるんですか」


僕「特に無いです」


原告代理人「時間を潰してタイムカードを押す時間を遅らせたことはないですね」


僕「ないです」



続いて、反対尋問。



僕「社長のみです」


被告代理人「残業代が支払われないという説明をうけましたか」


僕「いいえ」


被告代理人「あなたは前職、同じような業界の会社で働いていましたね。営業職ですか。技術職ですか」


僕「技術職です」


被告代理人「同じ業界で働いていたという事は、残業代が支払われないことが通常であるという認識をお持ちでしたよね」

 

何を言っているのだろう、業界内では残業代が支払われないのが、社会の常識だとでもいうのだろうか。

 

僕「持っていません」


被告代理人「あなたは、業務が終わったあとに、社長にプライベートなことを相談する事はありましたか」


僕「ないです」

 

絶対にない。なぜこんな質問をしてくるのだろう。

 

被告代理人「あなたは親族の事故について、社長に相談されたことはないですか」


僕「…??」

 

そうか、そういう作戦か。僕の過去のプライベートな不幸を持ち出して、心を揺さぶる。なんて悪質だ…笑

 

僕「ないです」


被告代理人「業務中、それが原因で業務を抜けたことはなかったですか」

 

まだ続けるのか…まあいいだろう。

 

僕「あります。その日は早退しました。それ以外の日で業務中に抜けたことはないです」

 

当り前だろう。報告してから早退しているのだから。残業代と何の関係があるのだ…

 

被告代理人「残業代というのは、先ほど俺さんも話していた通り、労基署が入ってから初めて気づいたということでいいですか」


僕「はい」


被告代理人「そうすると、それまでは、働いていても残業代を請求する考えはなかったという事ですよね、そもそも、会社的には残業代という概念が無い訳ですけれども」

 

宇宙に存在する会社なのだろうか。概念がない。つまり、思想も神話も同類だ。

 

請求する意思が無かったわけではないです。僕たちの残業代はどうなっているのだろうと考えていた段階という事です」

 

被告代理人「それを何らかの形で会社に伝えていたこともないですよね」

 

ここで僕は、今日の晩御飯はカレーライスにしようと決めた。わざわざ有給を取って尋問に来たわけだが、尋問後、時間に余裕がありそうなので、仕込をする時間がありそうだ。

 

僕「先ほど俺さんも話していましたが、みなしや裁量などの言葉がちらほら聞こえていたので、そういうものなのかな。という程度の認識しかなかったという事です」

 

実際には職務中も、残業代は発生していると分かっていたのだが。

 

被告代理人「年2回、社長と面談する機会があったと思いますが、その時にも残業代の事は相談しなかったですか」


僕「残業代に切り込んだ話をすると解雇などの報復を受けるかもしれないという怖い思いがありましたので、自分からそういうことを伝える考えしはないですね」

 

実際に解雇されている。この発言の説得力は無限大だ。しめしめ。

 

その後、数回の尋問を受け、裁判官の尋問に入る。

 

裁判官「部長が展示場に顔を出す頻度ですが、週に2、3と答えていましたが、どうでしたか」


僕「土日祝は8時45分に出社して、ミーティングを行います。これは強制であり、全員出席が決められていました。もちろん、部長も参加します。そして、部長指導の下行われます。つまり、土日祝プラス外出の予定の無い平日を合わせると、週4~5は展示場に来ていたことになります」


裁判官「ほうほう、つまり、週に2,3より多いという印象ですか」


僕「そうなります」

 

裁判官がかなり前のめりで話を聞いている。これはしてやったりだ。被告答弁の信憑性を下げる事に役立つ。

 

裁判官「展示場に来ると、どれくらいまでいますか」


僕「18時が閉場なので、予定が無ければその時間までいます」


裁判官「部長もですか」


僕「そうです」


裁判官「先ほど、外回りにおいての移動時間が長すぎるというお話がありましたが、どのように考えていますか」


僕「渋滞などもありますので、時間がかかることもありました」


裁判官「いえ、そういう事では無くて、どこかでサボっていたりしたことはあったのかという質問です」

 

分かっている。サボっているという考えが無いゆえに、早合点して答えないようにしていた。

 

僕「ないです。効率的に業務を進めて、早く帰りたいという考えが大きかったです」

 

この言葉に嘘はない。賃金の発生しない業務、つまりサービス残業を延々と続けられる程、堕落した考えは持ち合わせていない。

 

この後、被告代理人から数点、追加の尋問があった気がするが、良く覚えていないので省略する。

 

こうして、特に緊張する事も無く、僕の尋問は終了した。僕は喋り過ぎる悪い癖があるので、冷静に簡潔に答えるようにしたつもりだが、振り返ってみると少し喋り過ぎた気もする。後で俺さんに聞いたら、悪くなかったよ。と言っていたので、悪くなかったことにしておこう。

 

本ブログをお読みの皆様は、俺さんと僕の人間関係がいろいろと崩れていないかと、心配になっている方もいるみたいなので、ここで少しお話しましょう。

結論から言うと、人間関係は全く崩れていません。全て終わったら一緒に旅行にでも行くつもりです。笑

 

現時点で裁判がどこまで進んでいるかは言えませんが、各々が理想の形で終われるよう、お互いに協力できれば最高だと考えています。

 

証人尋問 磯野編はここまでにします。

それでは、また。