社畜よ、武器を持て【未払い残業代請求裁判ブログ】

未払い残業代請求と解雇無効確認の裁判中の元社畜によるリアルタイム奮闘記! 今まさにブラック企業で働いている方、これからブラック企業と闘わんとしているあなたへのバイブルにも!

これまでの経緯52 陽動作戦?

第4回期日。


部屋のドアを開けると、社長の姿が。 

社長:おう、ご無沙汰やなぁ

平静を装うかのように笑顔で語りかけてきた。
こちらは背筋を伸ばし表情を緩めることなく小さく返事をし、席に着く。


遅れて書記官と裁判官が入ってくる。
そうして始まる弁論準備手続き。


まずは恒例の提出書面と証拠の確認。
被告が新たに準備書面⑹を期日の場において提出してきた。
そして書面と証拠の確認が終わり、今日の本題は和解が出来るかどうかの確認である。
まずは我々原告側は退室させられ、被告側のみが話をする。

その間、待合室に行き先程の被告準備書面⑹に目を通す。

内容としては日報での終業予定時間とタイムカードの終業打刻時間のズレの部分、この間を本当に労働していた実態があったか疑義を唱えてるものだった。
この場ではどうしようも無いので次回期日までに精査して反論書面を出すことになる。


ほどなくして書記官が呼びにきて部屋に戻り、また今度は原告側のみで裁判官とやりとりする。


裁判官:被告と話をしましたが、原告側に出していただいた和解条項案とはまだかなりの開きがあります。原告側は譲歩出来る部分は無いですか。


俺:私としてはこれまでしてきた主張と証明に自信を持っていますし、時間がかかっても判決でも構わないところですが、今回裁判所に和解を勧められたので早期解決の努力はしたいと思い解雇から今日までに満たない賃金6ヶ月分とすることでもうかなりの譲歩したつもりです。
被告が原告案を丸呑みするぐらいじゃないと話にならないと思っています。


裁判官:皆さんもよくご存知のとおり解雇をするというのは法的にかなりハードルの高いことです。裁判所としてはそこは問題にしていません。解雇自体は無効です。
ただ仮に判決までいった場合にバックペイを全て認めるとは限りません。代理人はご存知かと思いますが、復職の意思が無いとしてバックペイを制限した判例もいくつかありますし。
今回もそうだということは言っていませんよ。そういう事例もありますよという話です。
全くバックペイを認めないということは無いですが、訴訟外で被告と事前に和解交渉もしてますからその時点で復職の意思が無いという見方ももしかしたらあるかもしれません。判決になった時に和解の方が金額が多かったということもありえます。もちろん必ずそうなるということではないですが。


磯野:僕は6ヶ月分では和解出来るとは思ってなかったので、退職日だけ和解日にしてもらえれば少しは譲っても構いません。今日までで4ヶ月分までなら譲歩します。今日から和解日までは日割で。有給休暇が消化出来なかったのは納得出来ないので、有給休暇分はすでに貰っている解雇予告手当を返還する分と相殺するのであれば。


裁判官:4ヶ月分と有給分ですか。先程話した限りではそれでもまだ開きがあるので、被告が納得するかは分かりませんが、磯野さんについてはそれで話をしてみます。
俺さんについては成立しないと思います。
では原告はもう一度退室いただき、あとで呼びますので待っていて下さい。



さっきの裁判官の話は和解に向かわせるための脅しなのかはたまた本気なのか。
しかし、一つ分かったこと。何にも記録は残らないが解雇は無効だという真っ当な判断は示された。解雇が有効になることは無い。
今後はメインである残業代に集中していけばいい。


しばらくして書記官が再度呼びにきた。


磯野の和解の結論は…!?



つづく




これまでの経緯51 不本意な和解案

次回期日の約1週間前の5月中旬、被告から準備書面⑸が届いた。

とりとめのない内容のためざっくりと。


原告の契約実績は、上司の寄与によるところが大きく、原告の貢献度は10%程度。
後輩を指導するどころかむしろ悪影響を与えていた。


根拠が無い上に主観的な単なる悪口ですね^^;




次回期日の3日前。
慌てた様子で弁護士の竹下先生から電話がかかってきた。


竹下先生:俺さん、今裁判官から連絡があって、前回期日で次回期日までに検討して下さいと言われていた和解できる条件について文書で出して欲しいと言われまして。


俺:向こうから先にこれで和解して下さいっていう内容出すのが道理じゃないですか?


竹下先生:たしかにそうなんですが。期日では被告も条件を出してくると思います。
裁判官が仰るには被告も多少は譲歩する姿勢を示しているので、こちらの条件が知りたいということのようで。


俺:うーん。(和解する気は全然無いが、ここであまり頑なだと解決に向けた柔軟な姿勢が無いととられるのも心証的には不利なのか?)


竹下先生:磯野さんは和解も考えてみえるので、少し譲歩して賃金の6ヵ月分ということで和解条項を作成しようと思いますが、俺さんは次回期日で和解するつもりが無いから提出しませんでしたと言ってもいいかもしれません。


俺:6ヵ月分では、おそらく和解にならないですよね?


竹下先生:そうですね、そこからのお互いの歩み寄りで着地点を探ることになると思います。


俺:じゃあ同じ条件で私の分も提出しておいて下さい。これ以上は譲歩しないということでいきましょう。
無いとは思いますが、丸飲みしてきた場合はもう仕方ないですが。



竹下先生:おそらく満額認めてくることは無いので大丈夫だと思います。急いで作成して出しますね。


俺:お願いします。


意に沿わないまま和解に向かって外堀が埋まっていくような気がした。

期日は解雇から、約7ヵ月半。こちらが提示する和解条件は賃金6ヵ月分。1.5ヵ月分の賃金を譲歩した金額である。
丸飲みされませんようにと祈りつつ期日を迎えるのであった。


つづく。

これまでの経緯50 足なみが揃わなくても

50回目ですね。当初想定していた以上にここまでに記事数を使っています。




さて、第3回弁論準備手続です。記憶を呼び起こして書いていきます。

 
人事異動で新しい裁判官となり最初の期日です。
今回は松田さんは来られず、俺と磯野とうちの先生と臨みます。


裁判官:それでははじめます。前回までの裁判官が異動になりましたので今回から変わりました。鈴木(仮名)です。あわせて書記官も変わりますのでよろしくお願いします。


結構若い男性の裁判官でした。(30代半ばぐらい?)
第一印象としてはさわやかで感じは良いです!



裁判官:まず原告から準備書面⑶が提出いただいてますね。陳述でよろしいですね。

原告代理人:はい。

裁判官:陳述とします。それに伴って証拠が甲24〜30の2までですね。それぞれ写しを原本に代えて提出と、甲30の1はCD-Rですかね?録音データとそれを文字に起こしたものですね。提出としますがよろしいですね。


原告代理人:はい。
被告代理人:はい。

裁判官:被告の方でも準備書面が出てますね。これも陳述で、書証提出は無いですね。


被告代理人:はい。


裁判官:じゃあ、書面の確認終わりました。代わったばかりでまだあまり把握出来ていないんですが、解雇の件は緊急性高いので早く解決した方がいいとは思います。働けないわけですよね?
同時にやっていると複雑ですし、未払い残業代に絞っていった方が争点が明確化すると思いますがいかがですか?


原告代理人:解雇の件と未払いの件は分離して進めていただくことは出来ないんですか?前の裁判官には相談したところ、証人尋問も2回することになるので難しいという見解でしたが、訴訟指揮については新しい裁判官の考えもあると思うので次回以降で協議して欲しいとのことでした。


裁判官:解雇の件だけ分離して先に判決にいけないかってことですか?それはいくらなんでも、双方いろいろ関わってくる部分もあるでしょうし、人証調べを2度やるというのはやっぱりねえ、ちょっと無いです。
少し別れて話しますか。まず被告代理人は外に出ていただいて。


ガチャン。(被告代理人部屋の外へ)


裁判官:俺さんと磯野さんは今は働けてないわけですよね。どうされていますか?


俺:ええ、そうです。一応は復職を求めてますので。失業手当を仮払いで受給していますが、もうすぐそれも受給期間が切れます。



裁判官:未払いの件もあるので判決となると長い時間要すると思いますが、それでもやはり争っていこうっていう感じでしょうか?


俺:もちろん収入が無くなるのは、困りますね。これまで会社からの給料を基礎に生計を支えていたわけですので。失業手当が無くなれば切り崩していき減る一方ですので。賃金仮払いの仮処分の申請なんかも検討していますが、時間かかったり、最近ではなかなか難しいとは聞いています。とにかく出来るならもっと裁判の進行を早めていただきたいですね。


磯野:僕は俺さんと少し違って納得出来るような条件であれば、判決にはこだわってはいないです。あくまで条件次第ですが。



裁判官:では今度は被告側と話しますので、原告側は一度退室いただいて。またお呼びしますので。


被告側と入れ替わる。

待合室へ異動。


俺:和解させたがってますね。俺的には全然する気が無いですが。


磯野:僕はべつに和解でもいいけどね。俺さんと違って貰った失業手当は少ないから、返す額も少ないし、手元にある程度残れば解雇の件はもういいかな。


俺:解雇の件で今まで主張や証拠積み上げてきたの無駄になるじゃん?結局和解なんて妥協だよ?完全に不当解雇なのに妥協することなんか俺達にはある?


磯野:俺さんの言うことも分かるけど、僕は取れるものは取れるうちに取っておきたい。可能性は低いけど万が一会社がいつ潰れるか、意図的に潰されるかも分からないしね。判決もらっても取れませんでしたじゃ意味が無いし。
僕にとってこの件で重要なのは、退職日がいつになるかってことで、次の就職までの不自然な空白期間を作らないことだから。それが和解の日付になって、なおかつ幾らか浮けばそれでいいと思ってる。


俺:分かった。磯野がそれでいいならこれ以上は何も言わないよ。俺は俺、お前はお前だ。
元々それは約束だもんな。自分の利益を追求して協力できる部分で協力する。人の選択は咎めない。


ここで書記官が呼びにきた。


書記官:被告側終わりましたのでもう一度原告側だけで話しますので入ってください。


裁判官:次回期日で一度和解出来ないかを話合いを持ちましょう。原告側でもどのような条件なら和解が出来そうか一度考えてもらえないですか?訴状提出後初回期日前に双方で和解案を出し合って交渉してますね?証拠提出もされてますね。
この条件では原告側も納得出来ないでしょうし、これはもう無い話ですよ、忘れてくださいと先ほど被告代理人には言いました。これより進んだ話をしてもらうようにと。
ただ、原告側も和解日まで全期間分ってことでは被告も受け入れないですのである程度譲歩も検討していただければと思います。


原告代理人:分かりました。

磯野:はい。

俺:一応検討はしてみますが、現時点ここまでのバックペイについて譲歩する理由があるとは考えていません。
被告は和解できればこれから先、判決までのバックペイも無くなることになるのでこれが被告のメリットだと捉えています。
和解することによる私のメリットは敗訴のリスクを回避できることと判決を待たずに解決できることですよね?敗訴のリスクと時間がかかることを受容すれば、和解しないっていう選択になると思います。


裁判官:まあ、次回まで時間がありますので一応検討はしてみてください。
それでは被告代理人にも入っていただいて。


ガチャン  書記官が呼びに行き、被告代理人入ってくる。


裁判官:次回期日は解雇の解決に向けて話し合う期日とします。被告側は会社の代表者も出席いただけないですか?


被告代理人:そうですね。出席していただいた方がいいと思いますので、その方向で聞いてみます。


裁判官:俺さんも磯野さんも出席いただくようにお願いします。


このあと次回期日について調整して終了。


という矢先。


原告代理人:あの、以前の裁判官から解雇の件については分離は出来ないにせよ、心証だけでも示していただくように引き継ぐ裁判官に伝達すると聞いていたのですが。


裁判官:裁判官の心証開示というのはそんな軽いものでは無いです。もっと審理を重ねて人証調べもして形成されていくものです。分かりますよね?


原告代理人:ああ、はい。まあ。以前の裁判官が伝えると仰られていたことなので聞いたのですが…。


裁判官:では、終わります。


-期日終了-


うちの先生は、ちょっと真面目でストレートなお人ですが、
これは解雇の件についてはもう裁判官は遠回しには心証を示していてくれてたんじゃないでしょうか。
少なくとも和解解決に持ち込むために被告とマンツーマンで話した時には不利な形勢を伝えていると感じました。


つづく。









 

これまでの経緯49 学生でもやらないようなコピー&ペースト

また第3回期日直前に被告代理人が準備書面を送ってきた。こちらに期日までに反論検討の時間を与えないためか、仕事が遅くてぎりぎりになったのか。おそらく後者だと思います。

内容は、ほぼ前回の準備書面をコピペしたものでした^^;
新しく出してきた主張は最後半の一部しか無かった。ページ数を増やしてやりました感を出してますが本当に4分の3ぐらいまんまコピペなんです。

なんちゃら細胞はあります!(`・ω・´)キリッ
の人でも、もうちょっと巧妙にバレないようにやってましたよ(;´Д`)


まあ、さておき、コピペ部分を除いた被告から出てきた新しい主張の要旨を以下に↓


被告準備書面⑷

残業につき

被告においては、残業を上司から指示することはなく、その逆に部下が残業を上司に申請してその許可をとることも無かった。原告は週40時間の所定内労働時間は雇用された当時から認識しており、仮に自らの業務が週40時間内で出来ないのであれば、被告の上司に対して残業を申請や報告していたはずであるが、原告がこれを行ったことはない。


また、一日の所定労働時間は8時間(休憩時間を除く)であるが、8時間を超えて残業するか否かは営業社員が自らの判断で行うことになっていたところ、原告から残業の報告や事前申請は無かった。


したがって、原告が一日の所定労働時間である8時間を超えて残業をしたことは無く、週40時間を超えて残業をしたこともない。



原告の訴状の「時間・賃金計算書」につき

原告の訴状の「時間・賃金計算書」は、タイムカードの出社と退社の間の時間を労働時間として計算しているが、タイムカードは労働時間の管理に使われていない。
原告の訴状の「時間・賃金計算書」と日報とを対照しても原告の主張する労働時間に合致しない。
詳細は、追って主張する。

以上

ぱっとざっくり読んで思ったこと。

残業申請制度も申請書も無かったのになにを言っているんでしょう。週40時間は労基法上の限度時間であって、雇用時に雇用条件通知書を出していないこと、労働条件について一切の説明が無かったことは、すでに解雇前の話し合いで被告が認めているところなんですけど。(これまでの経緯15参照)→録音と文字起こしを証拠提出してます。


積極的に残業を黙認(もはや残業して帰るのが当たり前、定時に帰ろうものなら頭おかしいのか君はってレベルに)していたのに、事前申請が無かったから残業していないというのは論理がおかしい。

また、タイムカードを時間管理に使わないなら、何でタイムカード使っていたのか。出退勤管理だけなら点呼でいいんじゃない?
では使用者に義務付けられている労働時間管理は他の方法でやっていたのですね。あるならそれを出してきなさいと言いたい。


これは第3回期日が終わって、第4回期日での反論となるところなのでひとまず置いておき、まずは第3回期日に集中です。


つづく


次回、第3回弁論準備手続き

新しい裁判官と顔合わせです。

これまでの経緯48 原告準備書面⑶


 原告準備書面⑶

平成29年4月〇日

原告は、被告作成の平成29年3月〇日付準備書面⑵に対し、以下の通り、反論する。

 

第1 雇用契約」について」について

1 原告の賃金つき」について

平成27年12月に5000円の役付手当が支給されているところ、訴状別紙に反映されていなかったため、訴状別紙1から3を差し替える。


2 被告の所定労働時間」につき」について

被告は、原告が提出する就業規則労働基準監督署への届出をしておらず、被告が参考資料として保管していたものであり、利用しいないと主張する。むしろ、被告は、被告が書証として提出する就業規則及び給与規程が労働基準監督署に届済みの有効なものであると主張する。

しかし就業規則は、労働基準監督署への届出ではなく、周知が効力発生要件とされているところ労働契約法第7条京都地裁平成13年3月30日判決被告が書証として提出する就業規則及び給与規程は、常時見やすい場所へ掲示されていなかったし、備えつけられることもなく、書面で交付されることもなかったのであり、周知されていなかった(労働基準法106条1項、同法施行規則52条の2)。実際、被告管理部課長が原告ら従業員に対して送信した平成28年9月〇〇日付メールには、「本日より就業規則(賃金規程等、36条協定含む)を月~金9時~18時まで管理部後ろのキャビネットの横に吊るします。」との記載があり、被告が提出する就業規則及び給与規程は、平成28年9月〇〇日から周知されるようになったことが分かる。

以上より、被告が提出する就業規則及び給与規程、平成28年9月〇〇日までは無効である。

したがって、就業規則(乙4)記載の1年単位の変形労働時間制は、平成28年9月〇〇日までは、そもそも無効である。

仮に就業規則が有効であるとしても、1年単位の変形労働時間制が有効とされるためには、対象労働者の範囲や対象期間及び起算日、特定期間、労働日及び労働日ごとの労働時間、労使協定の有効期間について労使協定を締結し、労働基準監督署に提出する必要があるが、本件においては、これらについての労使協定は存在しないので、やはり無効である。

万が一、このような労使協定が存在しても、実際には、原告は週40時間を優に超える労働を毎週のようにしていたのであるから、労使協定の定めが履践されておらず、この点でも無効と言える。


3 ⑶「休日」につき」について

被告は、前項と同様に、被告が書証として提出する就業規則第18条の規程が正しいと主張する。

しかし、前記のとおり、就業規則は周知されておらず、無効である。


第2時間外・休日・深夜労働の提供について」について

1 ⑴「「原告の仕事内容」につき」について

「平日」につきについて

被告は原告創造的な仕事をしており、自らの裁量で一日3時間までを目安に時間外労働をしていると主張する。被告のこの主張が何を意味しているのか明らかではないが原告は、被告の主張するようなことを、入社時は勿論のこと、その後も一切聞いたことがなく、被告の準備書面⑵により初めて知った。

実際にも、原告の仕事は、下記の通り、被告具体的指示に基づくものであり、創造的な仕事とは言い難いし、被告の指示する仕事を遂行するために時間外労働をせざるを得なかったのであり、自分の判断で時間外労働をしたとは言い難い

原告は、設計業務や接客、営業、他部署との会議等様々な仕事をしていたが、とりわけ、原告の労働時間が長かったのは、直近のアポイントの顧客に対する提案用のプラン作成や図面入力作業である。プラン作成図面入力の流れは、まず製図に用いるプランニングシートに鉛筆等を用いて手書きで、簡易に間取りや家具配置、外構計画(以下ラフプランという。)を作成するラフプランの描写が完了した時点で後藤部長に一度提出し、プランの方向性について了解をとることとなっていた。ここで後藤部長から修正ややり直しを指示され、了解が出るまでCADでの入力作業に入ることは原則として禁止されていた。後藤部長の了解が得られればCADソフトにて図面を入力し、プリントアウトして入力ミスが無いかチェックする。原告は原則として、この時点でも後藤部長にチェックを願い出て確認を受けていた。そしてそれが完了すれば、プレゼンが出来るよう資料をまとめる準備作業をするというのが一連の流れである。なお、個々の能力や顧客の依頼内容、対象物の大小にもよるが、一度のラフプラン作成に通常必要となる時間は40坪程度の大きさの建物で間から4時間、CADでの図面入力に必要な時間は3時間から5時間である。なお原告は建築関係の業種について未経験で学歴も建築関係とは全く関係が無く、中途採用されたものであり、プラン作成やCADでの図面作成には不慣れな点もあり通常よりも時間がかかることが多かったが、後藤部長や被告代表者自身もそのことは、採用時から履歴書や職務経歴書で把握していたはずであるし、それをふまえた上で採用を決定している。

以上の通り、原告は、後藤部長が認めるものでなければ、顧客に提案することが許されていなかったため、何度でも書き直しや修正をすることが必要であったのであり、設計業務は、決して、創造的で裁量の大きい仕事内容ではなかった。

また、原告は、被告から、顧客よりプラン作成依頼や修正依頼を受けた場合の次回アポイントの日時の設定を、その接客時から1週間程度を目処とするよう指示をされていたため、担当顧客のプラン作成依頼修正依頼が重なると作業量は膨大となり、時間外労働をすることが常態化し、深夜に及ぶことも珍しく無かった。この通り、長時間の時間外労働は、原告の裁量ではなく、被告の指示する仕事を遂行するためのやむをないものであった。

また、後藤部長は、プラン作成依頼、修正依頼の内容や重なり状況を知っていたし、原告らからラフプラン及びCAD入力が完了した図面を提出され、確認作業をしていたのであるから、個々の顧客についてプラン作成や図面入力に必要となる作業時間について、把握していたはずである。

さらに、営業についても、日報において事前に、事後に被告に営業先を報告し、後藤部長らと相談し、指示を受けながら仕事を進めていた。また、業務標準書の「一日のルーティンワーク」の「客先訪問」において、営業の仕事の進め方が記載されており、創造的とは言い難い。営業の時間についても、業務標準書において、最長2時間、最短20分と規定されており、裁量があるわけではない。

なお、一般的な建築会社では、営業と設計は部署が別れていることが大半であるが、被告会社においては営業社員は設計業務も兼務していた。ゆえに原告の業務は、一般的な建築会社の営業社員と比較し、繫多であった。また原告は新人の育成、イベント企画とその準備や告知、展示場ののぼりや懸垂幕など販促物の作成発注業務、展示場の運営業務など多岐に渡る業務をするため所定労働時間で労働を終えることは通常不可能であり、所定労働時間を超える労働が必要となることは明らかであった。さらに、原告は、他部署との打ち合わせや日報の作成も義務付けられていたのであり、この点でも原告の裁量はほとんどなかった

以上の通り、原告の仕事は創造的ではなく、裁量があるものではないし、時間外労働は、明示的又は黙示的に指示命令されたものであることは明らかである

また、被告は、一日のどの時間を何処で労働するかは、営業社員が自分で決定するので、上司からこれを指示することはないとも主張する。しかし、業務標準書の「一日のルーティン業務」の「5.本社での業務」において、本社では本社でしか出来ない業務のみを行い、設計プランニング・CAD等一切の業務は原則としてモデルハウスにおいて行うように指示されている。したがって、被告が、原告の一日の仕事内容について指示し、管理していたことは明らかである。

   

イ 被告も主張する通り、月曜日の午前8時15分から9時までは全社員で営業情報を共有することとされていた。朝礼も指揮監督下に義務的に行われる場合には労働時間となるところ、本件の朝礼は、業務標準書の「一日のルーティン業務」の「朝礼」にも記載がある通り、被告からの指示に基づくものであり、参加を義務付けられているのであるから、労働時間であることは明白である

被告は、原告が朝礼後は自分で立てる営業活動の予定で活動を行っていたと主張する。

しかし業務標準書の「一日のルーティン業務」上長上司への本日業務の事前確認(20分以内)」は、原告ら営業設計部社員は、上長上司とその日の業務について事前確認し、その予定の通り行動するべきで、勝手に行動予定を変えてはならない旨が記載されている。実際にも、原告は、その日の業務内容について、前日の日報で事前に後藤部長ら上長に報告し、確認をとった上で業務をしていた。業務標準書から明らかな通り、被告では、上司への報告、連絡、相談が重要視されており、原告が自由に自らの裁量で仕事をすることは許されていなかったのである。

したがって、原告の業務は、被告の指揮監督下にあり、被告の主張は誤りである。


ウ  被告は、木曜日に朝礼がないと主張する。しかし、業務標準書の「一日のルーティンワーク」の「朝礼」によれば木曜日も8時45分から部門朝礼を行うこととなっており、実際に木曜日に朝礼を実施していたこのことは、日報にも記載があり、被告の主張は誤りである。そして、朝礼の時間は、前記の通り、労働時間に当たる。


エ  火曜日、水曜日、金曜日に朝礼がなかったことはその通りである。

被告は、原告がその日の労働を自らの工夫で活動すると主張するが、出勤した際には、被告の指揮監督下で労働していたことについては、前述のとおりである。


オ   被告は、後藤部長がモデルハウスにおいて、原告の業務に対して個別の指示をすることはなく、モデルハウスでの労働時間を指示することもないと主張する。

しかし、後藤部長は、原告ら営業設計部社員に対し、プランの修正指示をしていた被告が述べるところのモデルハウスでの労働時間の指示について何を意味しているのか明らかではないが、原告は、本社に出社し、それからモデルハウスで業務に従事し、その後、お客様一家の主たる生計維持者が在宅しているであろう時間を狙い訪問営業をして、それから本社に戻り、業務をするように指示されていた。


カ 被告は、本社に出社するか本社に帰社するかについて、原告が自由に決めていたと主張する。

しかし、原告は、土日祝以外は本社への出社が義務付けられていたし、土日を含め原則として本社へ帰社することが義務付けられていた。このことは、就業規則に規定されていない細目について定める「〇〇ハウス株式会社 ルール」の「12、直行、直帰について」おい、直行直帰が禁止されていることからも明白である。


キ 被告は、社内メールなどの確認を何時に何処で行うかは原告が判断すればよかったと主張する。

しかし、業務標準書の「一日のルーティンワーク」の「Eメールの受信確認(10分程度)」の記載の通り、原告は、アカウント3種のメールを毎朝確認することが義務付けられていた。また、同「業務報告」の記載の通り、本社に帰社後にEメールの受信確認が義務付けられていた。実際にも、原告は、直行直帰が禁止されるため平日は始業時終業時のメール確認は本社で行うことになる。


ク   被告は、業務日報について、翌日以降の事後報告でも可としていたと主張する。

しかし、業務標準書の「業務報告」において、退社前に業務日報を出すことを求めている。また、被告ルールの「16、退社時の確認事項」において、退社前の日報作成を求めている。


 ⑵ 「土日祝日」につきについて

 ア   被告は、8時45分から9時までスキルアップの朝礼には原告の判断で任意に参加すればよいから、労働時間ではないと主張するようであるが、以下の通り誤りである。

まず朝礼とスキルアップの勉強会は別である。土日祝日の始業時の流れをここで改めて確認すると、8時45分から5分ほど、各モデルハウスにて営業社員全員出席のもと朝礼を行い、朝礼直後の8時50分頃から9時0分頃までスキルアップの勉強会を行い、それから10時の開店までモデルハウス内外の清掃作業及び開店準備をすることがルーティンとなっていた。そして、8時45分からの朝礼は、業務標準書の「一日のルーティンワーク」の「朝礼」にも記載がある通り、任意出席では無い。むしろ、同時刻に1分でも間に合わなければ遅刻と扱われるし、原告は後藤部長から叱責されたこともあった。したがって、朝礼は、被告の指揮監督下にあり、参加が義務付けられていたことは明らかであるから、労働時間に当たる。

スキルアップ勉強会も、業務標準書の「週間のルーティンワーク」の「スキルアップミーティング」記載の通り、8時50分から9時20分まで実施することとなっていたのであり、被告の指揮監督下にあり、参加が義務付けられていたことは明らかであるから、労働時間に当たる。

清掃作業開店準備は、モデルハウスにおける接客業務のために必要であり、被告の指示で行っていた。したがって、清掃作業や開店準備も、被告の指揮監督下にあり、義務付けられていたのであるから、労働時間に当たる。

なお、被告は、後藤部長が原告の業務に対して個別の指示をすることがないと主張するが、後藤部長は、原告が作成する図面の修正指示をしていたし、営業の内容についても指示をしていたことは、日報に記載のある通りである。


イ 被告は、被告として原告に対してモデルハウスに行くことを指示していないが、パソコンがあるから原告がモデルハウスに行っていたと主張しているようだが、誤りである。

原告らが行う図面作成はフリーソフトでありインターネットから容易にいつでもダウンロードで可能なJWWというCADソフトを社員各人に貸与されたパソコンにインストールして主に使用することとなっていた。一方、モデルハウスに設置されたパソコンに特別な設計ソフトは入っていなかった

内外観の3完成イメージをCGソフトを使い作成することがあったがこれは本社に保管されるCDRでインストールするものであり、必要に応じて各社員が会社から貸与されたノートパソコンにインストールしていた。モデルハウスのパソコンと比較して貸与されているパソコンが機能的に劣ることはなかったため、モデルハウスのパソコンを使用する必要性はなかったまた、基本的にモデルハウスのパソコンモデルハウス常駐の事務員専用機となっている為、営業設計部員が使用することはなかった。実際使用することはなかった。なお、モデルハウス内で顧客提案用の図面作成をすることがあったことは被告が主張するとおりである。


2 時間管理の方法につきについて

被告は、タイムカードに記録された出勤時刻、退社時刻をもって労働の開始と労働の終了とみなすことはできないし、出勤時刻と退社時刻の間を労働時間と見ることはできないと主張する。

しかし、タイムカード等の機械的記録による方法のみで時間管理を行っている場合には、裁判例では、特段の事情がないかぎり、タイムカードの記載する時刻をもって出勤・退勤の時刻と推認することができるもので、本件においても、右設定のとおり、これによって労働時間の管理がされ、タイムレコーダーの管理も全く杜撰であったとはいえない以上は、個々の原告らについて特段の事情の有無を検討することになるものの、原則として、これによって時間外労働時間を算定するのが合理的である。」「タイムカードを打刻すべき時刻について特段の取決めがなされたとの事情の窺えない本件においては、タイムカードに記載された出勤・退勤時刻と就労の始期・終期との間に齟齬があることが証明されないかぎり、タイムカードに記載された出勤・退勤時刻をもって実労働時間を認定するべきである。」大阪地裁平1131日判決労働判例772号60頁。甲35)としている。

この特段の事情の立証責任は、労働基準法108条及び労働基準施行規則54条によって労働時間の把握義務を課された使用者にあると考えられるため、被告が特段の事情の立証をしない限り、タイムカードの打刻通りの労働時間が認定されるべきである現実にも、原告の仕事量からすると、タイムカード記載の労働時間は合理的である。

なお、厚生労働省通達(平成13.4.6基発第339号並びに平成15.5.23基発第052004号)においても労働時間の適正把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準が示されており、始業終業時刻の確認及び管理の原則的な方法として使用者自らの現認およびタイムカード、ICカード等の客観的記録を基礎とすることとしている。

被告は、モデルハウスに直行する土日について、翌日以降に営業社員が被告に出社時に自己申告の時刻を手書きしていたと主張する。

しかし、自己申告の手書きの出退勤時間記載については都度毎月のタイムカードに後藤部長による確認の押印があるため、この手書きの時刻をもとに労働時間が算出されるべきである。仮に、実労働時間について齟齬があるのであればそこで指摘や修正指示をされるべきである。したがって、被告の主張は当を得ないものである。

 

 3 残業実績につきについて

被告は、ワンオペの際の休憩時間について、労働時間ではないと主張するようである。

しかし、菅野教授の労働法によると、「所定就業時間のなかで休憩時間とされている時間も、実質的に見て手待時間であると認められれば労働時間となる。たとえば、店内で休憩していることを要し、客が来店した際には即時に対応しなければならない時間は手待時間である。」とされている。そして、本件においては、訴状記載のとおり、原告は、休憩時間であっても、モデルハウスにおいて、顧客の他に業者の営業者、宅配業者、保守維持管理業者、総合展示場関係者等の来客があれば対応することが命令されており、電話対応も求められていた。そしてこれらはいつ対応が必要となるかは定かではない。よって、原告のワンオペ時は全てが手待時間である。

なお、被告はトイレや休憩も可能と主張するが、トイレについては労働者の健康維持管理のためやむを得ない行動であり、トイレに行くことが可能であることは当然に保障されなければならないのであって、トイレが可能であることは、ワンオペ時の休憩時間が手待時間であることと矛盾しない。また、訴状記載のとおり休憩時間は労働からの解放が保障されなければならないのであり、仮に休憩が可能であったとしても、来客等があれば対応を迫られる手待ち時間は休憩とはならない。原告は、ワンオペ時の休憩時間をゼロにした上で未払い賃金等の増額分を請求する予定であるので、ワンオペであった日を開示するように再度求める。

 

第2 第1、3 第4項「付加金の請求」」について

原告は、平成29年2月〇日、〇〇労働基準監督署長宛に告訴状を提出した

すなわち、被告は、原告ら被告の労働者に時間外労働や休日労働をさせていたにも関わらず被告の労働者との間で労働基準法36条に定める協定書も締結していなかった。

被告は、所定労働時間を大幅に超える労働をさせていたがその全てが違法なものである。

また、被告は、平成28年7月に労働基準監督署の調査で時間管理や残業代の未払いについて指摘を受けると、訴状記載の通り、賃金総額を変えずに固定残業制度を含んだ新雇用契約書に書面捺印を求め発生する残業代について一切の支払いを逃れようとした。原告がこの不利益変更に対し応じることを拒否し、これまでの残業代を請求すると被告は突然に原告を不当解雇した。

そして、被告は、これまでの残業代請求に対し、一切支払っていない

被告の態度等、本件に顕れた一切の事情を考慮すると、未払賃金に対する付加金の支払いが命じられるべきである。


 第3「事業場外みなし労働時間制の適用がないこと」について」について


1 「モデルハウスにおける勤務について」につき」について


⑴ モデルハウスが事業場に当たること

被告は、モデルハウスは、事業場ではないと主張する。

確かに、モデルハウスという名称からは、単にお客様に家を見てもらう場所という印象を受けるかもしれない

しかし、以下の通り、本件のモデルハウスが事業場に当たることは明白である。

すなわち、事業場とは、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的に行なわれる作業の一体をいう昭和47年9月18日発基第91号通達

そして、原告が働いていたモデルハウスには、事務員がおり、同事務員は、モデルハウスに直行直帰していた。さらに、従業員には個別のデスクが割り当てられていたし、固定電話も社員各々割り当てられていた原告ら従業員は、モデルハウスで設計もしていたし、接客もしていたモデルハウスには、複合機もあり、パソコン設置されていたこれらの事実から、モデルハウスは、原告ら従業員が組織的に継続的に作業をする場所であることは明らかである。

また、原告の名刺は、モデルハウスが営業所として記載されており、名刺の裏面でも、別のモデルハウスが営業所と記載されており、このことからも、モデルハウスが事業場であることは明白である。


⑵ 仮に、モデルハウスが事業場に当たらないとしても、モデルハウスにおける勤務は労働時間を算定し難いときにあたらないこと被告は、後藤部長が部下に指示する時間が無かったと主張する部長という立場にありながら、部下に指示していないという被告の主張はそれ自体不合理である。また、質問に答えたり助言することは出来て指示する時間が無いという主張も不合理である

実際、後藤部長は、原告ら従業員に対し、設計の修正指示を出したり、営業の方針について指示を出すなどしていた。


被告は、パソコンや携帯電話で業務指示をしたことはないと主張する。しかし、原告は、訴状記載のとおり、パソコンや携帯電話で指示を受けていた。また、被告は、業務標準書は、設計プランニング・CAD等の具体的な作業は本社ではなく、住宅展示場で行うことが望ましいという考えを述べたまでであり、常時住宅展示場にいるように業務指示を出しているものではないと主張する。


しかし、被告では社員の入れ替わりが多いことから、常日頃から業務標準化に力を入れていた。その結果策定されたものが業務標準書である。業務標準化は、一般的に、業務の効率化を目的として会社が、従業員の業務の方法を統一することである。それにもかかわらず、実際の業務の方法が任意というのであれば、そもそも業務標準化の意味を成さない

新人であっても誰であっても、それに従って秩序もって皆同じ行動がとられるよう定めた部内の規則というのが被告会社においての業務標準書の位置付けである。そして、被告は、業務標準書が改訂される度に、メールで周知していたように、業務標準書を重視していた。以上のことからこの業務標準書に規定されることは全て具体的な業務指示であることは明らかである


以上の通り、モデルハウスには、後藤部長のような労働時間の管理をする者がいたので、[1]の適用除外にあたる。また、後藤部長がいないときでもパソコンや携帯電話で指示を受けていたので、[2]の適用除外にあたる。さらに、原告は、モデルハウスへの直行直帰が禁止されていたし、モデルハウスでの勤務について、業務標準書にも記載のある通り、被告から指示されていたのであるから、[3]の適用除外にもあたる。そして、そもそも原告の労働時間は、本社で打刻するタイムカードにより管理されていたのであるから、労働時間を算定し難いときにはあたらない。したがって、事業場外みなし労働時間制の適用はない。


なお、被告は、阪急トラベルサポート事件判決に照らしても、モデルハウスにおける労働には事業場外みなし労働時間制が適用されると主張しているようであるが、訴状記載の通り、やはり事業場外みなし労働時間制は適用されないことは明白である。

 


2  訪問営業についてにつきについて


被告は、訪問営業について、事業場外みなし労働時間制を適用するべきと主張する。

訪問営業について、事業場外みなし労働時間制が適用されないことについて、訴状で記載した通りであるが、以下の通り補足する。


原告は、被告から、おおよそ18時から20時までを目安に訪問営業をするべきであると指示されていた。おおよそ18時以降と指示されていたのは、住宅を購入する決定権限を持つ、主たる生計維持者と直接話をするためには、18以降が望ましいとされていたからである。おおよそ20時頃までとされていたのは、あまりに遅い時間に訪問すると、宅地建物取引業法施行規則16条の12第1号ホへ及び特商法等の法令に抵触する恐れがあるためであった。


さらに、業務標準書の「一日のルーティンワーク」の「客先訪問」には、毎日、できるだけ多くのお客様を訪問し、有効面談をするべきことが記載されている通り、原告は、毎日、できるだけ多くの訪問をするように指示されていた。確かに、訪問先については、原告が決めるが、後藤部長が、このお客様を訪問するべきと指示を出すこともあるし、そもそも、日報において、後藤部長には、訪問先を事前にも事後にも報告している。また、訪問営業についても直行直帰が禁止されていたなお、別訴原告磯野氏作成の平成27年7月〇日付日報において、後藤部長が「この近辺で移動にどのぐらい時間がかかるかは、20年動いている私にはほぼ分かります。とコメントしていることから、原告の訪問に伴う移動時間についても後藤部長が把握していたことも分かる。


以上より、訪問営業についても、被告の指揮監督下にあり、労働時間を算定し難いときには当たらないことは明白である


これまでの経緯47 受けて勝つ

第2回期日の報告を先生から受けた俺達は、早速次の期日に向けての準備をはじめた。


期日直前に被告代理人から届いた準備書面の主張に関して、反論をしなければならない。
被告の主張がどれだけでたらめであろうが、根拠がなかろうが、適切なタイミングで反論せずに放置すればそれが事実として形成されてしまう。


将棋では駒が取られる状態や攻め込まれている状態で放置して別の手を指すことを「手抜く」というが、裁判では基本的には相手の主張に対しては手抜かずに、正しく受けきって(守りきって)から攻勢にでなくてはいけない。
差し障りのないどーでもいい主張や、相手の主張が正しい場合は大丈夫ですが。


さて、被告の主張の要旨は、
これを一つずつ受けていきましょう。


まず、
当事者について
雇用契約締結日について
解雇日について
給与支払日について
基礎時給計算書について

この辺は相手がこちらの訴状に対して認めた部分や、正しい部分なのでOK。


所定労働時間について
原告の入手した就業規則と被告の持っている就業規則が食い違っている(笑)こんなこと普通ありえないことですが…。
どうやら被告の持っている方には1年単位の変形労働時間が書いてあるということみたいです。
これを採用されてしまうと若干でも残業代が減る可能性があるので、しっかり反論する必要がある。
被告が被告の持っている就業規則を採用すべきと主張する理由は、こちらの就業規則を労働基準監督に届け出ているからということです。

被告代理人は労働法分かっているのでしょうか?
常時10名以上の労働者を雇用する会社はたしかに労働基準監督署就業規則を届け出ることにはなっていますが、就業規則の効力発生要件は従業員への周知であって、労基署への届出ではありません。笑っちゃいます(笑)
しかも変形労働時間制を採用するには、原則として別途従業員と協定を結ぶ必要があることも知らないのでしょうか?


時間外・休日・深夜労働の提供ついて
原告の仕事内容について
平日について
土日祝日について

えっと、まず気になる部分

営業社員である原告はみずからの創造的な接遇力でお客様に提案し、昼夜を問わずお客様の接遇に時間を工夫し、1日9時間(休憩含む)と業務処理に必要があれば自らの判断で1日3時間までを目安に労働する。
1日のどの時間を何処で労働するかは営業社員自らが決定するため、上司からこれを指示することは無い。


一日3時間どっからでてきたw

指示をしていないので自らの判断で残業してたから残業代は払わないってことでしょうか?
3時間も自主的にボランティアで余分に働くってそんな人いるんですか^^;
ドMかw

ここでのあとの被告の主張は、いつどこでなにして働くか自由、上司は一切指示してませんのオンパレード、日報は翌日以降に提出してもOKでした。というもの。

この会社は無法地帯か┐(´д`)┌



つぎ、
時間管理の方法について

気になる部分は、

タイムカードは月一度、管理部が給与の締め日に出勤日数を把握するためだけに利用する。したがって、タイムカードに記録された出勤時刻退社時刻をもって労働の開始、終了と見ることは出来ないし、出勤時刻と退社時刻の間を労働時間と見ることは出来ない。


タイムカードの意味www

これについては判例や、厚生労働省通達で答えがでています。

特段の事情がないかぎり、タイムカードの記載する時刻をもって出勤・退勤の時刻と推認することができる。原則として、これによって時間外労働時間を算定するのが合理的である。
タイムカードに記載された出勤・退勤時刻と就労の始期・終期との間に齟齬があることが証明されないかぎり、タイムカードに記載された出勤・退勤時刻をもって実労働時間を認定するべきである。」大阪地裁平1131日判決)

さらに労働時間の把握義務は労働基準法108条及び労働基準施行規則54条から使用者にあります。
タイムカードの推認を覆す場合には、それを覆す「何か」は会社が立証しないといけないのです。



残業実績について

原告が主張するワンオペはそのようなシフトがあるわけではなく偶然1人になってしまうことがあるが、それは平日で来客も少ないため休憩しトイレに行くことも可能。

ぉぃぉぃ、
トイレに行けるなんて当たり前じゃーι(`ロ´)ノ

トイレにもいけなければ拷問か強制収容所です。
それでも来客があれば我慢を強いられるわけです。モジモジしながら接客するわけですよ。


付加金の請求について
モデルハウスにおける勤務について

事業場外みなし労働が適用されるという主張のようです。


一番の争点になるとこなので、こちらはそこについては訴状のときからすでに否定してきていますが、さらに強調していく必要があります。



そんな内容で先生との打ち合わせを繰り返し、第3回期日までに準備書面を完成させ提出したのであります。


完成した準備書面は次回に!


つづく。


これまでの経緯46 第2回弁論準備期日

2週間ぶりの更新です^^;
マメにチェックしていただいている方には申し訳ありませんm(_ _)m


では、前回のつづきです。



3月中旬、第2回期日がやってきました。


この日はプライベートな用事があり出席出来なかったため、先生にお任せしました。

その日のうちに先生からメールで報告がありました。


以下、メールの内容。



本日の期日では、書面の陳述後、今後の進行について協議が行われました。

 

なお、次回期日は4月〇〇日11時からと指定されました(弁論準備)。

 

○残業代について

被告代理人弁護士によると、会社が考える原告個々人の労働時間と労働実態について、まだまとめることができてないとのことでした。

 

これに対し、当職が、進行を早めるように求めたところ、裁判官が被告弁護士に対し、次回期日の1週間前までに5人分の労働時間と労働実態を整理し、書証も整理して、書面を提出するように指示しました。

 

そのため、当方が反論するタイミングとしては、基本的には、次回期日で被告の主張が出揃ってからにすることになるかと思います。

 

ただし、可能な限り進行を早め、また、被告に対しプレッシャーをかけるために、現状で被告から出されている主張に対し、次回期日までに当方が反論の準備書面を提出しても良いのではないかと考えております。

 

○解雇について

被告弁護士が、当方の準備書面⑵に対して次回期日の1週間前までに反論の書面を提出するとのことです。

 

当職が、解雇について、残業代と分離して進行を早めてほしいと裁判官に求めました。

 

ただ、裁判官は、解雇について、分離して判決にするとしても、人証調べ(証人尋問)が必要となり、残業代事件でもいずれ人証調べが必要になるため、2度人証調べをすることは望ましくないとのことでした。

 

また、解雇についても、労働実態が問題となり、残業代と共通する部分があるので、この意味でも人証調べが二度手間になると述べていました。

 

むしろ、次回の被告からの反論の準備書面を待ち、その段階で、裁判官が心証を開示することで、解雇について和解を進めることも考えられるとのことでした。

 

なお、裁判官が、4月に異動で替わるとのことで、分離するかどうかの判断は、交替後の裁判官がするほうが望ましいとも言っていました。

 

この点については、ひとまずは、被告からの反論の準備書面を待ち、次回期日までに時間的余裕があれば、当方が被告の準備書面に対する再反論の準備書面を提出し、次回期日で裁判官の心証を聞き、当方に有利であれば、当方に有利な内容の和解を被告に提案するということも考えられます。

 






裁判官が異動で変わる(´・ω・`)

この裁判官は第1回期日で話した時にあまり良い印象を受けなかったので、ポジティブに捉えよう。次よさげな人になるかは限らないが、途中から入るということで、しっかり書面を読みこんでくれると期待して。


しかし、まだ2回目だからいいけど、良い心証を得たのに裁判官に変わられて急に風向きが変わってしまうこともあるんですかねぇ。



働けないのでなんとか解雇の件だけ早く解決を図ろうと先生も頑張ってくれてますが、時間がかかりそうです。